tasogareさんのレビュー
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東電OL殺人事件
佐野眞一 / 新潮文庫
エリート社員の奈落の顛末は
2
大企業のエリートOLの落ちぶれた素行と犯人と思しき外人(無罪となった)の事件の顛末にいまだ
興味のある方は是非一読を。
OLの心の難解さと作家の詳細に調査された内容に感服した。外国人に対する警察の有罪…有きの曖昧な
調査に少々苛立ちを覚えるが、読み通すと警察の試技の愚かさが結審無罪の痛快さに変貌するのは
私だけか?
続きを読む投稿日:2014.05.31
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村上海賊の娘(一)
和田竜 / 新潮文庫
海賊の痛快本
2
4冊 一気読みするほど痛快で時を忘れさせられる物語である
村上海賊のある姫の活躍と他部族(泉州)の海賊の戦さの攻防などは圧巻の表現だ。
作者の綿密な史実の調査の上の執筆には感服するしかなかった。それほ…ど歴史に
基づくものでしかも面白く、織田信長の姿の描写も必読に値する。 続きを読む投稿日:2017.05.05
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クライマーズ・ハイ
横山秀夫 / 文春文庫
新聞記者魂と登山癖と家族愛
1
あの日航機の墜落事故の取材に駆けた地方新聞の全権として活躍、失望感など登山癖、のぼせと友情など色々な展開が面白かった
沈まぬ太陽と比べ日航機墜落事故の描写は簡素だが、登山のそれは鎚立岩登り経験のある方…は臨場感溢れたものとなって堪らないと
思う。また地方新聞記者の地元に起こった全国版の事件処理の重いに男気を感じぜざるを得なかった・・・・後は読んでのお楽しみで。 続きを読む投稿日:2014.09.03
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女刑事音道貴子 凍える牙
乃南アサ / 新潮文庫
女刑事と狼犬
1
とにかく痛快な展開だった。刑事だが「オンナ」であるが故に最初は疎まれ、侮られながら・・・だが次第に周囲り耳目を得るような行動を。
事件の陰に狼犬の存在をいち早く見抜き、この狼犬と最後を心を通じて事件の…解決に臨む。音道刑事シリーズの先駆となる本で
あった。 続きを読む投稿日:2015.10.22
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蒼穹の昴(4)
浅田次郎 / 講談社文庫
難解な中国物小説だが
1
今までの中国の歴史小説に抵抗をお持ちの方でも素直に入っていける小説です。
こつは登場人物の難しい中国よみをメモにして、それを傍らに読んでみるのが良いと思う
二人の人物の出世物語であり、学士と少年、秀才…と非凡の下済みからの頂点へ登り詰めるさまが
大変面白い。また日本の歴史にも関連があり日本史に興味のある方にもおすすめです。 続きを読む投稿日:2017.03.24
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終わらざる夏 上
浅田次郎 / 集英社文庫
太平洋戦争の終戦詔勅のその後
0
天皇陛下の終戦詔勅を聞いても信じられず、太平洋戦争は続いてと信じ死闘を続けた兵隊さんは随分居たと父に聞いていた。
そんな思いからこの本を三冊読んでみた。戦中は日本の領土の最北端とされるカムチャッカ半島…と近接したシムル島。ここにいた陸軍の
精鋭の戦車旅団、それも無傷の状態で・・・・ 読んでいるうちにその島に配属された兵隊になったような気になる展開にのめり込んで
しまった。最後の結末は戦死、捕虜となるのだか、搭乗人物となる三人の個性にも注目される戦争小説でないかと思う。みなさんも是非
ご一読を。 続きを読む投稿日:2014.05.08