tamanihadokushoさんのレビュー
参考にされた数
4
このユーザーのレビュー
-
新世界より(中)
貴志祐介 / 講談社文庫
これがマンガ化された理由?
1
読み進めていくほどに面白くなっていく。
ただ、中盤に出てくる性的行為の描写があまりにも詳細すぎて、引いてしまった。
この本を検索すると同名のマンガも表示されるが、上巻を読んでいるときは
なぜこの本がヲ…タ系エロマンガ(←ファンの方、ごめんなさい。あくまでも個人的感想です)
にされているのか全く理解できなかったが、これらのシーンにスポットをあてるとこうなるのか、
と腑に落ちた気がする。
正直、ここまでの詳細な描写は、このストーリーには必要ないし、むしろ無いほうがよかったと思う。
とはいえ、話の展開が後半から加速していき、下巻まで一気に読み進めてしまった。 続きを読む投稿日:2014.04.13
-
わたしを離さないで Never Let Me Go
カズオ・イシグロ, 土屋政雄 / ハヤカワepi文庫
ドラマとは別モノ
1
登場人物の置かれた状況やたどるべき人生は特異なものではあるものの、これはいわゆるよくある「青春モノ」のようだと私は感じました。
こちらを原作としたドラマの第一話をみて、とてつもなくおもしろうそうだと思…い、二話を待ちきれなかったので原作を読むことにしたのですが、私がワクワクするような方向性は全くありませんでした。
私が期待したのは「介護者」「提供者」のシステムの成り立ちやそれに関わる人々の苦悩、医学的な背景や提供者が任務を終えるまでの現実的な(と思わせるような)心身の過程などですが、このお話にはほぼ全くありません。幼少期や思春期の友人関係や男女関係を中心とした思い出を淡々と語り、せっかくの(?)特異な設定については添え物程度の描写しかないように私は感じました。
正直、がっかりしましたが、そもそも入り口がドラマというのがよくなかったのだと思います。
おそらく逆に原作を先に読まれて、こういう作品を好まれる方は、ドラマの邪道さにがっかりされることでしょう。
原作とは名ばかりの、設定だけを拝借した別物と思って、それぞれをそれぞれに楽しまれることをおすすめします。
続きを読む投稿日:2016.02.05
-
ポーの一族 ~春の夢~
萩尾望都 / 月刊flowers
ストーリーは満足ですが
1
以前から「ポーの一族」のファンで、幾度となく読み返しています。ストーリー展開は、若干盛り込みすぎな感じもしますが、ポーらしい感じで読みごたえもあり、まあ満足です。ただ、クロエのくだりは、ポーの村のイメ…ージを覆すものなので、ファンとしては正直この部分は無い方がよかったです。ストーリーとしてもそうですが、クロエとゴールドは「ポーの一族=美しい」という大前提(「ポーの村」で「極上の美 永遠の命」と著者も表現している)を覆す存在で、がっかりです。
また、エドガーとアラン(特にアラン)の顔がすっかり変わってしまったのも残念です。後半、たまに以前のような細い線の儚げなアランの片鱗が見える場面もありますが、目のキツさと線の太さはキャラクターを変えてしまっているようです。
以前のままの絵で今回のストーリー(クロエのくだりを除く)を見てみたいです。 続きを読む投稿日:2018.01.24
-
新世界より(上)
貴志祐介 / 講談社文庫
少々冗長な部分はあるものの、主軸のストーリーがおもしろい
1
タイトルや紹介文から想像していた(期待していた)ストーリーとは違ったが、
予想外の展開ばかりで面白い。
途中、生物や状況についての説明が細かすぎて、せっかちな私はほとんどチラ見
でスキップしたページも…あったが、この先の展開は楽しみ。 続きを読む投稿日:2014.04.13
-
黒い春
山田宗樹 / 幻冬舎文庫
面白かったけど
0
それぞれに生きてきたそれぞれの研究員や医師やその家族などが、黒手病の克服に向けて繋がっていく・・・という、大きな流れは「百年法」や「代体」に似た感じではあるものの、飽きるどころか、読み始めると先が気に…なって止まらなくなります。歴史なぞ全く興味のない私でも遣隋使に興味を持ってしまいそうになるほどひきこまれるものがあります。
ただ、ラストが・・・
「えええっ!?これで終わりぃ?」と思わず声に出してしまいました。
続きを読む投稿日:2017.07.09
-
イズァローン伝説 (12) アマル(希望)の果て
竹宮惠子 / まる得希少本
壮大なものがたり
0
学生の頃、大好きで何度も何度も読み返しました。
大人になって紙の本は手放してしまったけれど、ずっと記憶に残っていました。
改めて全巻大人買いして一気に読みましたが、やはり名作です。
分かりやすい…ヒーローも悪役もなく、どの登場人物も明と暗を持ち、心は揺れ動くものだという意味でとても現実的なので、舞台が現実離れしていても入り込んで行けるのだろうと思います。
全てにおいて、よく練られて知的な作品なのに、唯一「失言」があります。昔読んでいたときも気になっていましたが、改めて読んでもやはり気になります。「殺されたのがきみでなくて・・・よかった」というセリフ。私の一番好きなキャラにそんなこと言わせないでほしい。それだけが残念です。 続きを読む投稿日:2022.12.29