しゅららさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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人形の爪 眠る探偵(1)
榎田尤利, 石原理 / 講談社X文庫
美貌の眠る探偵・・・
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榎田尤利さんは大好きな作家さん。ほとんどの著作は紙本で読了済。でもこのシリーズは未読でした。とはいえ、最初に目に留まったのは麗しい表紙イラストから。プラス榎田さんの作となれば・・・。
他人の『夢…』を見る、という設定はよくあるかな?と思いつつ主人公が「美貌の・・・」と言われれば魅力増。見るもの皆が見惚れるほどの美しさ・・・なのにひたすら軽いノリの眠る探偵市羅木真音(素敵なネーミング)。
榎田さんの作品は、心の深層に「トラウマ」を抱えて生きる人物がよく描かれるのですが、けれど根底に流れる「明るさ」があって、結構シリアスなエピソードもあるのですが安心して読めるのです。魅力的なサブキャラ(仲間)も多く、目が離せません。
挿絵は石原理さん。シリーズどれも麗しい表紙です。真音と絡む後ろ姿の人物。重要人物であるのに、敢えて顔が描かれていないのは意図されたことなのでしょうね、やっぱり。挿絵も収録されているし、嬉しい限り。次巻以降も目が離せません!
続きを読む投稿日:2014.05.05
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雨の塔
宮木あや子 / 集英社文庫
少女たちの選択。
1
女子校が舞台の『少女小説』は何作か読んだことはあるのですが、本作は少し違った印象を持ちました。
岬の先の隔絶された学校。螺旋階段のある塔の寄宿舎。それぞれに違った事情を抱えた4人の女の子たち。物語に…登場するのはほぼこの4人のみ。学校が舞台ならクラスメイトや教師等が出てきそうですが、全く描かれず。そのせいでしょうか、学校というより、ひどく特殊な場所が舞台のようです(リアルとは程遠い学校ではあるのですけれど)。
ひたすら閉ざされた空間で、4人の心象が交差し、語られていきます。
実は初読なのですが、百合的な場面もあります。BLとは違うドキドキ感ですね。(でも、私はBL的に『お父さんと秘書』の関係も気になる。)
煙るような雨の風景と、雨上がりに水面に光を映す海、そして甘いお菓子の香り…。永遠に続くかのような時間は、それぞれの選択によりあやうく崩れていきます。
去ることも、留まることも切ない、永遠の終わり。
不思議な読後感の物語です。
続きを読む投稿日:2014.01.31
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世界のここで最後の嘘
コウ0000 / TL☆恋乙女ブック
世界のここで最後の嘘
コウ0000
もう少しページが欲しい。
1
小説と間違えて購入したら、コミックでした。(しかもショートストーリー)
この書籍説明うまいですね…。本当に短編なので、この説明で補足というか、先に読んでからじゃないとわからないかも、設定が。
もう少し…エピソードが欲しかったし、Hシーンももう少しページがあれば…。残念。
私はこういう画風は好きだし、黒髪ロン毛男子は大好きなので、キャラはとっても魅かれました。それだけに、もう少し…。 続きを読む投稿日:2013.12.28
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夜の寓話
杉原理生, 木下けい子 / SHY NOVELS
夜の寓話
杉原理生, 木下けい子
空と星と…ふたり。
1
義兄弟もの。蒼と義兄の圭吾。離れられない危うい関係のふたり。
次第に暴かれていく、ふたりを取り巻くドロドロとした人間関係と秘密。そのきっかけを作った男は、結局一石を投じたに過ぎず…。
星空の記憶と、繋…いだ手。その身体と共に、互いに離すことはできなくて…。
ふたりの世界で完結していく物語に救いはあまりない。意見は分かれると思うけど、私は結構こういう感じのお話は好きなのです。
そして蒼と圭吾の濃密なシーン。「どうしようもない」衝動に、どんどん熱く深くなっていく。(ドキドキです。)
購入のきっかけは、木下けい子さんの表紙。ちょっと、はっとするイラストですよね。「ふたり」の世界です、まさに。ただ、挿絵はありません、残念ながら。 続きを読む投稿日:2013.12.28
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上海
かわい有美子, 竹美家らら / 幻冬舎ルチル文庫
上海
かわい有美子, 竹美家らら
しっとりとした恋の物語。
1
エドワードがあまりにも健気で、一途で…。使用人で、東洋人であることがレイモンドに対する想いを秘めたものにしていくけれど、溢れてしまう気持ちは通じるものなのですね。感涙です。なのに「時代」のうねりは、2…人を引き離してしまう…ああっどうなってしまうの…ネタバレになるので詳しくは書けません。けれど、読後に幸せ感がいっぱいになることは保証します。BL小説なのですが、ハードな表現はありません。
表紙イラストのエドワードはちょっと私のイメージとは違うかな?この電子書籍に挿絵は入っていません。竹美家ららさんのやさしいイラストは大好きなので、挿絵まであればまた違ったかもしれません。残念です。
続きを読む投稿日:2013.11.08
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上海金魚
かわい有美子 / CROSS NOVELS
運命の恋は。
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主人公佑季は物語の冒頭は、ミステリアスな美青年という印象。けれど、素の彼は臆病で自分の性癖を周りにひた隠しにして生きてる、ごく普通の青年。そのアンバランスさが彼の魅力なのでしょうけれど。
そんな佑季の…どちらの面も認めて、包んでいけるのが滝乃。ノンケなのに簡単に・・・という疑問も、滝乃のいわゆる大陸的というか、性別など超えたところで「人」を好きになれる大きな器に納得。
物語はもう一波乱もありそうなところで終わってし
まって少し残念ですが…。二人の出会いは、きっと「運命」。それを余韻で確信。
触れそうですり抜けていく感じの二人なのに、肌をあわせる時の熱さといったら…色っぽくって、しっとりとエロくって…ドキドキしてしまいます。(ここ重要!)
挿絵は残念ながらありません。表紙の金魚が美しいですね。作中でも二人を結ぶ重要なアイテムです。
続きを読む投稿日:2013.12.14