九州男児さんのレビュー
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殺した夫が帰ってきました
桜井美奈 / 小学館文庫
どんでん返されなかった…
1
なんとなく、葉真中顕氏の
「絶叫」という作品を思い出した。
ミステリー要素を含んだ
サスペンス?作品。
殺した夫が帰ってきて、一体どう
やって話しをもっていくん
だろうか?と興味を…持ちましたが。
あぁいう事情にもってくのね。
よく考えてあると言いたいところ
だが、やはり少しチカラワザかも
しれない。
謎解きや伏線が凄い場合は純粋に
感心できるが、いまいちな粗削り
加減。
謎がわかる前まではワクワク
しながら読んでたけど、謎が
解け出したら何だか眠たく
なってきた。
それぞれの謎を、もっと別の
かたちにしてほしかったな。
どんでん返されなかった。
それに比べたら、葉真中顕氏の
「絶叫」にはどんでん返された。
話し全然違いますけどね。 続きを読む投稿日:2021.07.04
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身分帳
佐木隆三 / 講談社文庫
すばらしくはない…
0
人生の大半を獄中で過ごした
男の実話。
内容的に興味深いところもあり、
さくさく読み進んだが。
実在モデルが急逝したことも
あったのか、竹を横一線に割った
ようにスパッと終了。
…あとは関係者のあとがき的な
話しが、タラタラと述べてあるのみ。
面白かったとか、なにか心に残った
かといえば、なにも残らない残念な
作品かもしれない。
(あくまで個人の捉え方次第だが)
主人公とは違うんだが、
僕の亡父は癇癪持ちでそれでいて、
真っ直ぐな性格だった。
なにげに父を思い出した。
あと映画化は #役所広司 さん
主演だが、イメージが違い過ぎて
違和感しかないな。 続きを読む投稿日:2021.06.28
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本性
伊岡瞬 / 角川文庫
最後がやや雑…
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いじめで自殺した男子中学生の
身内?の、復讐劇。
謎の女「サトウミサキ」。
いじめに関連したであろう、
ありとあらゆる人物に謎の女は
接触する。
それが各章に語られていて、
なか…なか引き込まれた。
途中から、あぁこれかな?と
ストーリーの当たりを付けられる
と思うんだけど。
ラスト、大根を切ったように
ストンと終わったのは肩すかしを
食ろうたな。
え~、なにこの中途半端感、
どぉしてくれんの?とも思った
けど、考えてみればスッキリ
終わるのが嫌いな性分なので、
逆にモヤモヤして面白かったのかも。
ま、ズバリ言わしてもらえば、
こんな話し絶対にないけどねぇ。
注、このくらいのいじめは
現実に起きてると思うけど。
この復讐劇が有り得ないと
言う意味(補足) 続きを読む投稿日:2021.06.16
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罪人が祈るとき
小林由香 / 双葉文庫
いじめなき社会にしたくなる…
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いじめにより息子を亡くし、後追い
にて妻までも亡くした風見室長。
同じく激しいいじめにより絶望
しつつも復讐を画策し、公園で
出会った謎のピエロ・ペニーと心を
通じ合う、少年時田。
…
果たして復讐は成るのか、風見は
立ち直れるのか、ペニーとは一体
何者なのか。
ふぅ~、面白かった。
ちょっと2度ほど目頭熱くなって
しまった。
これ読みながら、おそらくは
現実社会においても、作り話に
思えるほどの激しいいじめは発生
してるんだろうな、と思えた。
本作もけして幸せな結末では
なかったが、これを現実に
有り得ない社会にしないといかん
と心から思った。 続きを読む投稿日:2021.06.09
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リフレイン
五十嵐貴久 / 幻冬舎文庫
怖さそのものは減るかも…
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初刊のリカからすると、リカ自身が
徐々に「偶像」というか、
「残穢」というのか。
実在しない者のように思えて、
怖さだけを求めれば物足りないかも
しれない。
そこをいけば初刊のリカ…は震え上がる
ほど怖かったなぁ。
まぁ、最後に作者の真意的なものが
書いてあるので、どう捉えるかって
のは人それぞれ。
ストーリー中に出てくる
「マヅルカ」なる曲も、ものすごく
気になる。
YouTubeあたりで検索すれば聴ける
らしいのでリカシリーズを読み返す
時があれば、是非マヅルカを聴き
ながら再読してみたい。
作者もそれを推してました。
僕好みの読後感の悪さでした。 続きを読む投稿日:2021.05.24
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スーパーカブ reserve
トネ・コーケン, 博 / 角川スニーカー文庫
カブ乗りにはたまらないお話し…
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今回の小熊も例外なく
A級殺し屋のような、
およそ女子高生らしからぬ
ハードボイルドな語り口で
各々ストーリーは進んでいく。
短編集。
reserve。バイクでいう
ところの、予備の…燃料。
とはいえ予備の燃料タンク
ではない。
同一のタンクの底から残りの
燃料を使い切る仕組みの
燃料コック。
小熊、礼子、椎の3人の
おもいおもいのカブライフ。
細かいところまで話しを
搾り出した短編に仕上がって
いる。
女子高生が何十年とバイク整備を
している職人のように振る舞う
のは納得がいかないが、そこは
小説ということで【笑】
カブ乗りにはまさしくたまらない
お話しですね。 続きを読む投稿日:2021.04.29