てくのかにんひぇんさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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鉄の骨
池井戸潤 / 講談社文庫
池井戸潤氏からの挑戦状
1
ページめくる手が止まりませんでした!すごいエンターテイメント性!一見大団円に見えて、”でも結局これで何かが変わるだろうか?”という池井戸氏のメッセージがひしひしと伝わる。城山は財界に何人もいる。たった…一人が逮捕されたからと言って何かが変わるわけじゃない。そんな政治家をのさばらせているのは読者、あなたたちでもあるのでは?と問いかけられている気がしました。税金の使われ方にシビアにならないとなぁ。 しかし、萌は同じ女として微妙だな。いっそ園田について行って欲しかった。そして後悔すればよかったのさ。 続きを読む
投稿日:2015.06.27
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悪童日記
アゴタ・クリストフ, 堀茂樹 / ハヤカワepi文庫
さりげなく、だが確実に心を抉る一冊
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今戦争の無い時代に生きている幸せを強く感じずにはいられない。賢しく、したたかに見える双子でも、やはりまだ子供。自分の感情と折り合いをつけることを知らない。そこが微笑ましくもあり、怖い。
投稿日:2015.01.28
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第三の嘘
アゴタ・クリストフ, 堀茂樹 / ハヤカワepi文庫
二人の終焉
1
「悪童日記」から間が空いてしまったので(「二人の証拠」は別作品だと私は識別している)、彼らの過去を思い出しながら読んだが、結局、あの日記はまるっと嘘だったの?とにかく、母親の仕打ちがひどい。最後まで許…しがなかったところも、フィクションなのにリアル。一作目二作目の勢いはないけれども、時代に消えて行った二人の人生を見事に描ききっていると思う。 続きを読む
投稿日:2015.08.01
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不夜城
馳星周 / 角川文庫
あなたは何者ですか
1
うん年前に読み、再読。内容全然覚えてないので逆に新鮮だったw二日で一気読み。印象に残ったのは「半々」な人間とアイデンティティーを確立している者の生き方決定的な違い。自分が誰か。両親を日本人に持ち、日本…に住んでいればそんな疑問はわかないけれど、海外在住の自分にはものすごくヒットしたテーマ。「日本人の条件とは。自分は何者か」これを読んだ方は一度考えてみてもいいかもしれない。 続きを読む
投稿日:2014.08.19
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暗いところで待ち合わせ
乙一 / 幻冬舎
じんわり、ほんわか。
1
色で言えば全体的にグレートーンな話。だが、乙一氏らしく、ぽつりぽつりと作中に小さな明かりが灯る。それがいい。そしてフラグを読者にちらつかせる手腕もさすが。読みながら、二人の幸せを願う気持ちが自然と募る…ようなストーリーだ。人間不信に陥っているときなど、読むと希望が持てるかも? 続きを読む
投稿日:2016.04.25
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ZOO 1
乙一 / 集英社文庫
淡々とした語り口。想像が膨らむ読了後。
1
十年ぶりくらいに再読。期待を裏切らない。さっぱりした語り口だけれども、緻密なストーリー。話の中に希望と喪失感が絶妙なバランスで共存する。
投稿日:2013.10.28