スカイフィッシュさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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南極点のピアピア動画
野尻抱介 / ハヤカワ文庫JA
ちょっと未来ってこうなってたら面白い!表紙からはイメージできない本格未来予測SF
11
表紙のイメージで購入に躊躇していたが、他の方のレビューを見て思い切って買ってみた。
結果、大正解。
WEBサービスの進化とその世界で盛り上がるマニアが実現する、ワクワクだけどリアルでありそうな近未来。…
ボーカロイド初音ミクをモチーフとしたアイコンが中心となり、世界を変えていく。
日本の未来がこうなってたら、面白い。こうすべきかもしれない。自分は何ができるだろうか?
日本の今、日本の未来にちょっと希望が見えてくる、読むなら今の2010年代SFの傑作。 続きを読む投稿日:2013.09.30
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永遠の0 1巻
百田尚樹, 須本壮一 / 漫画アクション
書籍もコミックも読んだが、どちらも心が大きく動いた
10
書籍を読んだ後、ずいぶん時間がたってからコミックに手を出してみた。
書籍の時も思ったが、これほど心があちらこちらに動かされるストーリは他にあまりないと思う。
泣きたい気持ちになったり、熱くなったり、怒…りを感じたり、愛しくなったり、
不条理に空虚感を感じたり。
原作を読んだ時と遜色ない、表現品質をコミックにも感じた。
続きを読む投稿日:2013.09.30
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ふわふわの泉
野尻抱介 / ハヤカワ文庫JA
女子高生ベンチャー社長、儲かるの?宇宙へ行けるの?
9
野尻抱介さんの作品には、女子高生がグイグイ大人社会を引っ張る話が多いがその中でも「ふわふわの泉」の主人公のグイグイっぷりは頭抜けている。表紙のかわいい女子をイメージして読み始めるとギャップが凄い。化学…オタクの女子高生が夢の超素材を開発して会社を設立。ホントに儲けられるの?潰れない?まっすぐに自分のやりたいことをやり続けて大人社会を翻弄する、ふわふわ女子高生が何とも清々しいです。自分の上司になったら振り回され感ハンパないですが。野尻作品は技術のトレンドを押さえたリアル感のある近未来SFが多いですが、この作品も10年~20年後にはありそうと思えるし、どうせならNASAとかJAXAじゃなくてこんな子が世界に飛び出してほしい。 続きを読む
投稿日:2016.01.19
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空色勾玉
荻原規子 / 徳間文庫
古事記・日本書紀をベースにした日本成立ファンタジー
9
解説によると、女性作家さんが自分の読みたいファンタジーを描いた、とのこと。読み終えて振り返れば確かに、古事記や日本書紀をベースにしつつも少女が憧れる人生や恋・冒険が満載のシンデレラストーリー。主人公の…少女は、普通に田舎暮らしていたら実は姫であり巫女。少女を迎えに来る超美形の白馬の王子。ちょい意地悪なお姉さん。そんな中で出会う〈大蛇の剣〉の主、稚羽矢との展開もまさに王道シナリオ。でも読んでいる最中はそんな裏読みをする余裕などありません。古代日本の成り立ちの過程を見事に小説として読ませてくれ、私の伝奇考古学的な興味を存分に刺激されて一気に読み終えました。古代日本の謎に興味を持っている男なら、楽しく読めると思います。読書時間は約4時間、途中興味を失うことなく2日間くらいで行けます。 続きを読む
投稿日:2015.06.23
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おもいでエマノン
梶尾真治, 鶴田謙二 / 徳間文庫
切ない喪失感と爽やかさが同居しているSF文学の名著
9
イラストを描いている鶴田先生の「冒険エレキテ島」が好きなので、その流れで読んでみました。土曜日午後に一気読みです。自分一人だけ30億年の記憶を持つ美少女の孤独。その美少女に関わり、惹かれ、そして失う人…達の喪失感。締めつけられるような切なさの中にも、生きることに前向きな人間の爽やかさを感じさせてくれる名作でした。なぜかSFではなく文学ジャンルにカテゴライズされていますが、確かにSFには収まりきらない不思議な作品です。でも、輪廻やサイキック的なSF・伝奇的要素ももりだくさんで、すごく贅沢な作品ですのでSFファンも存分に楽しめるのではないでしょうか?気に行ったのですぐに続編を買っちゃいました。 続きを読む
投稿日:2015.04.06
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武士道シックスティーン
誉田哲也 / 文春文庫
剣の道を極めたい!高一女子と一緒に自分も悩んで考える本
9
面白い本です。読みやすくて3-4時間で一気に楽しめます。でも、ちゃんと考えされてくれる本でもあります。主人公の女子のキャラがまるでルパン三世の「五右衛門」のようです。他の作品ではあまりお目にかからない…、非常に武士のような女子です。ツンデレだとかわいいのですが、ツンだけでデレの部分はあまりありません。でも、彼女は悩みます。そこが共感できて微妙にカワイイです。「勝って、勝ち続けてその先になにがある?」剣道を究めようとするあまり悩みます。この本によれば、宮本武蔵も諸国の武芸者を倒した後で悩んだようです。スポーツ選手も悩んでいるのかもしれません。五右衛門も同じ悩みを持っているようにも見えます。完全に武芸者の悩みですが、私も自分に置き換えて考えました。「自分が仕事して、競争相手を倒して、その先に何がある?」「何のために毎日戦ってる?」面白いだけでなく、ちょっとした気付きをもたらしてくれるいい本です。 続きを読む
投稿日:2016.02.09