mag2000さんのレビュー
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136
このユーザーのレビュー
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りゆうがあります
ヨシタケシンスケ / PHP研究所
ヨシタケ作品に心酔中です
3
こどものヘリクツです。でもこのヘリクツを考え付く主人公の男の子がすばらしい。想像力のかたまりです。「りんごかもしれない」「ぼくのニセモノをつくるには」で著者の大ファンになりました。本作は豊かな子どもの…想像力ももちろんですが、頭ごなしに叱らず、こどもの話を聞いて反応してくれる母親もなかなかです。こういう親子関係・家庭環境が心の豊かな人間を育てるのでしょう。みんなに薦めたい絵本です。 続きを読む
投稿日:2015.04.01
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髪結い伊三次捕物余話 心に吹く風
宇江佐真理 / 文春文庫
シリーズ再読
2
再読。前回は単行本。伊与太と茜がすっかりおとなになり自分の足でしっかり人生を踏み出す巻。「心に吹く風」とは茜の心に吹く切ない微風。それでも乙女の心は大きく乱れてしまう。「雁が渡る」では、きいの魅力も存…分に表れていて私もこの若奥様を好きになった。なんといっても著者の「文庫のためのあとがき」に胸が痛くなる。 続きを読む
投稿日:2016.04.06
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髪結い伊三次捕物余話 さんだらぼっち
宇江佐真理 / 文春文庫
筋はもちろん作家のうまさに感動
2
連作短編5話。鬼の通る道・爪紅・さんだらぼっち・ほがらほがらと照る陽射し・時雨てよ。読後にこの表紙を見るととても切ない。読む前はまさか悲劇が起こるとは想像していなかったので読後にみると哀しい。朝顔がき…れいに咲いているのが見える。今回は長屋のおかみさんになったお文さん。でもやはり簡単にはいかなかったようです。引っ越ししたり、伊三次に幼い弟子ができたり、そしてうれしい展開に。信頼していた人の悪意を垣間見たり、袖ふれあっただけの人に暖かな情けをかけられたり。そんなときの人の心の機微を描くのがこの作家は本当に上手い。 続きを読む
投稿日:2016.01.20
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七色の毒 刑事犬養隼人
中山七里 / 角川文庫
七編どれも切ない。
2
赤い水、黄色いリボン、黒いハトなど、色にまつわる七編の短編。登場人物から事件の犯人はなんとなく透けて見えるのですが、材料を犬養刑事がどう料理するか、どんな調味料で味付けするかが楽しめます。美形の刑事・…犬養が話の途中からふっと登場するたびに、ワクワクしました。どれも粒よりでみごとに現代社会を切り取っていて、読後の満足感が高かったです。 続きを読む
投稿日:2015.03.04
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小説 君の名は。
新海誠 / 角川文庫
よんでよかった
2
すばらしかったです。「時をかける少女」とか「転校生」とか「とりかえばや物語」とかこういう設定の話はいろいろあるので先入観はしかたないのですが、読み終わってみるとこれはまた別の良さがあります。おもしろお…かしさと切なさとのバランスが絶妙で、美しい情景の描写も沁みる、よく練られた小説だと思いました。 今は映画が大ヒット中なのでブームが一段落したら映像化も見たいです。 続きを読む
投稿日:2016.10.20
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頭は「本の読み方」で磨かれる
茂木健一郎 / 三笠書房
読みたい本が増えます
2
中高生向きの読書を推奨するための啓蒙書かなと思われます。とてもわかりやすく学者臭いところもなくて好印象です。やはり一流の人は広範囲に読み、あっさりとじっくりのバランスもよく知っている。私も読書は好きだ…し、自分の読書の質を高めたいという気持ちも少しはあるので、若者向けであってもこの種の読書案内のようなものをたまに読んで確認作業をしつつ自分を鼓舞したいと思うのです。ファウストが読みたくなった。 続きを読む
投稿日:2016.08.14