茜河ゆつきさんのレビュー
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2
このユーザーのレビュー
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雀蜂
貴志祐介 / 角川ホラー文庫
動物パニックもの×ちょっとのミステリー
1
ヒッチコック的な動物パニックものにちょっとのミステリーを加えた感じでしょうか。
ホラーというほど怖くはなく、蜂の脅威の外に出ることもできる、という点で緊迫感も少なく、貴志作品共通の魅力でもある魅力的な…女性像も描かれない、という点で自分としては今ひとつな感じでした。
作品単体として面白いかどうか、という観点からすると面白いのですが、作者の他の作品の素晴らしさを考えるとオススメするほどではないかも、と思います。 続きを読む投稿日:2013.12.24
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絶深海のソラリス
らきるち, あさぎり / MF文庫J
ラノベホラー
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ホラーはよく読むんですが、いわゆる角川ホラー系統をよく読んでいるので、そういうのと比べるとだいぶ異色かなぁという印象を受けました。
一言で言うとラノベホラーって印象で、キャラを立たせて話を進めるラノベ…的な文体でホラーをやった感じですね。
前半の日常パートと後半のホラーパートの差が印象的で、絶望感というか救いのなさが際立つ構成なのですが、ラノベ調だからか不思議と読後の後味の悪さはなかったです。
アマゾンとかのレビューが良かったので買ったのですが、続編が出たら(出るかは知らないですが)買いたいなぁと思わせる作品でした。 続きを読む投稿日:2014.08.22
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熱帯夜
曽根圭介 / 角川ホラー文庫
それぞれ完成度の高いホラー短編集
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「熱帯夜」、「あげくの果て」、「最後の言い訳」の3つの短編小説が収録されています。
ジャンル的にはホラーになるのかなぁと思いますが、ホラーテイストの世界観でミステリーを描いているような印象を受けま…した。
特に「あげくの果て」、「最後の言い訳」ではショートショートにありそうな、ちょっと飛躍したIFの世界を、簡潔ながら必要十分な筆力で描いていて、とても満足感のある1冊です。作者の他の作品も読んでみたいと感じました。すらすらと読める文体なので、電車の中とかで気軽に読み進められるのもいいですね。 続きを読む投稿日:2013.12.24
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鼻
曽根圭介 / 角川ホラー文庫
外れのない短編集
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「暴落」「受難」「鼻」の短編3本が収録されています。
どれも外れなし。後発の「熱帯夜」の本を先に読みましたが、やはりショートショート的な世界観にホラーとミステリーを織り交ぜたような作風で、個人的に…はとても好きです。独特の世界観と読みやすい文体に引き込まれてぐいぐい読み進めていってしまいますね。
とはいえどれも基本的に後味は悪いので、そういうのがダメな方は読まない方が良いかも。 続きを読む投稿日:2013.12.24
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絶深海のソラリス II
らきるち, あさぎり / MF文庫J
ラノベホラー続編!とても面白かったです。
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1巻目は1巻目だけでも完結できてる作品でしたが、続編にあたるこちらは期待以上に面白かったです。
前回ほとんどのキャラがガンガン死んでしまっていましたが、その死を単なるホラーのための死に終わらせず、残さ…れた者の悲しみと決意を続編で描くことで、一気に物語に深みが出た気がします。前回は「ラノベホラー」という印象でしたが、今回はその世界観を生かしつつも、SFな世界観をもった人間ドラマの印象を受けます。
正直ここまで面白くなってくるとは思っていなかったので、3作目にはとても期待してしまいます。 続きを読む投稿日:2015.04.26