私の読書感想文さんのレビュー
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9
このユーザーのレビュー
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幼年期の終り
アーサー・C・クラーク, 福島正実 / ハヤカワ文庫SF
啓蒙主義者の創造話
6
イギリス人(アングロサクソン?)の作家らしい物事を頭で理解して言葉にしてしまう薄っぺらい思想です。ですが頭は物凄く使い込んでるので、東洋の無我思想とか、唯識思想をさすがに長年交易を重ねてきて物事をより…多く知っている知識人らしく、うまい具合にミックスして一つの物語にしています。
話の構成は名の売れている外国人作家にはいつもながら圧倒されます。 続きを読む投稿日:2013.10.26
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レオン氏郷
安部龍太郎 / PHP研究所
戦国時代ものが好きならおススメかな?
1
なぜか秀吉の事を成り上りの利己的な人間として書いている本が多いですが、これもそうです。
全体としては、イスパニアなど外国勢力との外交政策が盛り込まれていて、司馬遼太郎さんのより話のスケールは大きいです…。
最初の部分は知っている事ばかりで、ダラダラと文字を追っている感じですが、後半部分とくに朝鮮出兵あたりからは知らないことも多くて物語を読んでいるみたいになります。 続きを読む投稿日:2013.09.29
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最悪
奥田英朗 / 講談社文庫
さすが直木賞作家
1
物語の最初のほうは、私は作家になれればいいなあと思っている人で、小説を自分で書く時の参考にしようと思っていつも勉強のつもりで読んでいるですが、
パチンコの描写などがゴチャゴチャとしていて、ハッキリいっ…て下手だなと、自分でもこれぐらいは書けるんじゃないかと思いました。
しかし物語も後半になってくると、ヤクザらしいストレートではない呼び出のかけ方、執拗な追い込みのかけ方の描写に迫力があり。先生!みたいな感じでした。
奥田さんはだいぶ前の短編で書いてましたが、作家や特殊な職業につくには、それしかないという覚悟というものが大事なんだと感じているんだろうなと勝手に解釈しました。
私には安定したサラリーを投げる度胸はないです。 続きを読む投稿日:2013.11.04
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ボートの三人男
丸谷才一, ジェローム・K・ジェローム / 中公文庫
テムズ川の旅行記
1
私はあまりテムズ川流域の地理やイギリスの歴史を知りませんので、歴史のほうは語り尽くして揉みこまれ資料からの引用だろうからまだ何とか想像力が働くんですが、
途中に出てくる聞いた事もない地名が、しかも連発…で出てくるたびに集中力が途切れて読み返してばかりいました。
たしかに、その町や一緒に船旅している友人たちの面白エピソードの中には私のようなシニカルな人がニヤリとする、皮肉タップリで愉快な話も勿論ありました。
でも面白かったかと問われれば、はいとは言えません。私はシニカルな人なので。
あと冒頭から私感じたのですが、サリンジャーのライ麦畑でつかまえて、に似ています。サリンジャーの方がアメリカ人らしく直感的な印象で解かりやすいけどね。 続きを読む投稿日:2013.11.09
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バッドタイム・ブルース
オリヴァー・ハリス, 府川由美恵 / ハヤカワ・ミステリ文庫
かなりの読破感が得られます。
0
行ったこともないイギリスの風景描写や、理解するのに集中力のいる皮肉が多すぎて
何度投げてやろうかと思いましたよ。
アマゾンのレビューで誰かが言ってましたが、イギリスの地図を片手に読みたいです。
で…すが、そういう物語の雰囲気づくり除外すれば話のテンポはいいですし面白いです。 続きを読む投稿日:2013.10.12
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新書太閤記全十一冊合本版
吉川英治 / 吉川英治歴史時代文庫
吉川栄治さんらしい
0
勝負です
家康は所詮はお坊ちゃんで決して勝負しない、最後まで読めば
私の言ってる事が意味がわかります
信長の凄さ、その偉大な指導者のもとで育った勝家、秀吉。
吉川栄治さんの人間性に触れられます、普段は…こんな知性溢れた人と
会話出来ないので楽しめます。 続きを読む投稿日:2016.07.18