大波小波さんのレビュー
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オークブリッジ邸の笑わない貴婦人―新人メイドと秘密の写真―(新潮文庫nex)
太田紫織 / 新潮文庫nex
贋作であって何が悪い
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「櫻子さんの足元には死体が埋まっている」と同様の衒学的なものかと思っていましたが
(確かにヴィクトリア朝に関する知識があれこれと出てきます)圧倒されるような事は無く、
主人公とお仕えするお屋敷の人々と…の心の交流を丁寧に描かれた作品です。
時代や社会、制度は違えども人間の心と言うものは、変わりはしない。
例え今は偽物であっても、目の前の物事に真剣に取り組む事が、自分達を「本物」にする。
著者の信念を垣間見たような気がします。
個人的には、主人公と執事との「交流」が気になります。 続きを読む投稿日:2016.04.22