あきばさんのレビュー
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侠飯2 ホット&スパイシー篇
福澤徹三 / 文春文庫
ヤクザ風な料理のうまい男が語る、仕事論、第二弾。
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前作が面白かったので、その流れで二作目も買ってしまいました。
ネタばれになるので、詳細は書きませんが、第一作からの流れがあるので、
一作目のような、え?この人たちは一体何者??というハラハラ感…はなく、
今回は、どういう理由で、ということを考えながら、だったので、
一作目ほどの意外感、どんでん返し感はなかったですね。
ただ、一作目の大学生の仕事選びとは異なり、社会人ということで、
よりリアルな「仕事とは」を考えさせられるストーリーでした。
また、仕事だけでなく、会社とは、組織とは、も少し考えさせられる
ストーリーだったので、何か堅めのビジネス本を読む気にはなれないけど、
なんか仕事が最近やる気が出ない、みたいな人とか、
今の会社の居心地も悪いし、好きになれないな~なんて人も、
軽い気持ちで読み始めたら、何か気づきがあるかもですw
ちょっと料理の小ネタは、一作目よりも難しめだったので、
料理というよりはストーリーを楽しむ本でしたね。 続きを読む投稿日:2022.01.29
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侠飯3 怒濤の賄い篇
福澤徹三 / 文春文庫
会社、仕事、人生と柳刃節が沁みます。
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一作目が就活中の大学生、二作目がブラック企業の社員、そして、今回が貸金業者、とステージは変わりますが、大きな流れは変わらずです。
ただ、主人公たちが葛藤する内容が異なるので、流れは同じですが、3作の…読後感は全然違いました。
特に、今回の三作目は、家族、や、人生についての言葉も多く、最後の主人公の気づきは、もっともっと、そんなことを感じられる人が増えたら、世の中良くなるのに、と感じた終わり方でした。お金のところはよくわかりませんでしたがww
自分が本当に大切にしたいものは何なのか、お金とはなんなのか、自分の声に耳を傾けたときに、道が開けることを痛感。
続きはまだ買ってないですが、近いうちにまた柳刃達に会いたくなりそうです! 続きを読む投稿日:2022.02.06
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翼
白石一文 / 鉄筆
人々の生活や、愛情にそっと寄り添う小説。
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おおまかなストーリーは、ある女性を中心に、そのまわりで起こることから、人を愛するとは、人が死ぬとは、人が生きるとは、を考えさせられるストーリーです。
白石さんらしく、主人公の心情の動きが詳細に描…かれており、そこが感情移入できるところでもあり、引き込まれるポイントでもあります。
今回の話は、相手の方の人生観に触れることや、自身の周りに起こることから、本人の人生観が変わっていくストーリー。
言わんとしていることは分かるものの、自身の幸せと他人の幸せは、実はつながっている人が多い中で、この着地にどれだけ感情移入できるかは、人によるな~と思いますが、それを考えるきっかけを提示することが、白石さんの小説を読む理由のような気もしたりとww
あまり、構えずに、それぞれの生活に寄り添う、そんな小説だと思います。 続きを読む投稿日:2022.05.06
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きみの正義は 社労士のヒナコ
水生大海 / 文春文庫
社労士が主役の数少ない小説
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社労士ヒナコの続編。
第一弾からすると、かなりたくましくなっている主人公に少しうれしくなる部分もありますが、事務所の方とのやりとりを見ると、まだまだかわいらしい側面もあり、ちょっとほっとしたりw…w
前回も含めてですが、社労士が主人公の小説って、あんまりなく。行政書士なら、カバチタレのようなものもありますが、なかなかないので、貴重な小説だと思います。
また、法律の知識がどう、ということもありますが、その根底にあるのはヒトであり、感情であり、という、最も、基本的なところはぶらさずに描かれているので、謎解き要素があったり、真相を究明していくにつれて、そういうことだったのか、という納得感があったり、と、法律家の小説でもあり、謎解きや推理小説の側面もあり、というのがこの小説の魅力だと思います。
これを読んで、どれだけの方が社労士になりたい、と思うのかはわかりませんが、こんな仕事もある、と気づくきっかけになるといいな~と思うのと、こういった形で、企業や人に寄り添う仕事を知ってもらえたら、すごくいいですね。
シンプルに読み物として面白いので、興味を持った方はぜひ読んでみてください! 続きを読む投稿日:2022.05.06
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ラッシュライフ
伊坂幸太郎 / 新潮文庫
複数が絡む、少し不思議な伊坂さんワールド
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複数の登場人物が、絡み合いながら進んでいくストーリー。
個人的にはリストラされた中年男のストーリーが、一番考えさせられるというか、共感もしやすい印象でした。伊坂さんの小説によくある、不思議に関係し合…いながら進む流れや、少しファンタジー感のある世界観は、久しぶりに読んだので、楽しめました。
このストーリーはそれぞれ、どこで着地するんだろう、と思いながら読み進めて、いつのまにか終わる、そんな小説でした。 続きを読む投稿日:2023.05.24