asphericさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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日本人というリスク
橘玲 / 講談社+α文庫
国家から個人のリスクを切り離す人生設計
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戦後日本人の人生設計は「不動産神話」「会社神話」「国家神話」「円神話」を前提として築かれてきた。しかし、3.11の大震災、1997年の見えない大災害によって、そのリスクが顕在化してきた。不確実な未来を…生き抜くには、人的資本のリスク、金融資本のリスクを分散し、国家から個人のリスクを切り離さなければならない。
詳細は氏のほかの著書でも読むことができるが、本書は日本人のリスクというタイトル通りのテーマでまとまっている。 続きを読む投稿日:2015.08.04
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朝日新聞記者のネット情報活用術
平和博 / 朝日新聞出版
情報収集の参考に
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最初に情報をあつかう7つのポイントから示され、それぞれのポイントについて詳しく述べていくという形式を取っているため、読み進めやすい。
それぞれのポイントでは過去の事例であったり、有用なサービスが挙げら…れ、その利用方法も示されているので、有意義なものについては取り込んでいくことができる。
現状は情報”収集”を参考にしている。 続きを読む投稿日:2013.10.14
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地図で読む「国際関係」入門
眞淳平 / ちくまプリマー新書
世界情勢の教科書として読める
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今現在の世界情勢をギュッと1冊の新書に押し込め、中学生にもわかるような平易な文章で著述されており、「教科書」的だ。タイトル通り極力地図を挿れた解説がなされており、世界情勢を「俯瞰」するには丁度よい。興…味がある箇所は巻末の参考文献を漁ればよいと思う。 続きを読む
投稿日:2015.10.06
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「快速」と「準急」はどっちが速い?~鉄道のオキテはややこしい~
所澤秀樹 / 光文社新書
鉄道には不可解なことが多数ある
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本書のタイトルでもあるがどちらが上位かわからない列車種別、自社線は走らずひたすら他社線を徘徊する電車、「普通」と「各駅停車」はどう違う、JRの乗車券原紙に"小田急電鉄"と印字されている指定券などなど、…鉄道にまつわるオキテのややこしさ、ものめずらしさを「へぇー」と楽しむ1冊。怪現象を具体例で解き明かしてくれる。
時々挿し込まれている往年の特急車両の写真は、最近の無表情・クールな顔つきの車両に比べると愛嬌がありなぜかホッとする。個人的には阪神電車の生い立ちが「へぇー」だった。 続きを読む投稿日:2016.05.14
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ソラリス
スタニスワフ レム, 沼野 充義 / ハヤカワ文庫SF
ソラリスの不思議な"海"のことを想像するのが楽しい
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存在するかしないかはさておき、
知的生命体といえば外見はどうあれ
人間に準じた形態の生物を想像してしまう。
人間と似たような思考回路を持ち、
私達が合理的と考える行動様式を取ると予測する。
ここに描か…れているのは惑星ソラリスの
"海みたいなもの"とのコンタクトである。
それは生命体かどうかもあやしく、
挙動は長年の"ソラリス学"の研究成果もむなしく、
意味不明である。
いかなる意思疎通方法も持たない
絶望的に遠い”他者”とのコンタクトの描写が
素晴らしい。 続きを読む投稿日:2016.05.13
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下り坂をそろそろと下る
平田オリザ / 講談社現代新書
何でもかんでも右肩上がりのストーリーを描く時代ではなくなった
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日本は明治近代の成立、戦後復興・高度経済成長という2つの大きな坂を立派に登り切った。
私たちは今その急坂をどのように下って行こうかとしており、3つの寂しさに直面している。
もはや工業立国ではないこと、…
もはや成長社会でないということ、
もはやアジア唯一の先進国ではないこと。
私たちはこれらの寂しさに耐えていかなければならない。
いつまでたっても「道半ば」のアベノミクス、嫌韓・嫌中スピーチ、これらはこの寂しさに向き合えない不満の表れだろう。
本書では著者の関わるプロジェクトを中心にその寂しさとの向き合い方を示している。 続きを読む投稿日:2016.07.19