Y-sukeさんのレビュー
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合本 坂の上の雲【文春e-Books】
司馬遼太郎 / 文春e-Books
小説としても面白い。ビジネス本としてもお薦め!!
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まず、第一に司馬遼太郎さんが小説を書くための調査力に脱帽しました。
全ての史実が複数の引用書から説明されており、説得力のある大変素晴らしい歴史小説でした。
また、この小説を通して、
政治家に…しても軍人にしても、
日本の為に皆が必死で努力し、
日本を守る事を考えている姿に
明治時代の国としての若々しさを感じました。
特に、東郷平八郎しかり、児玉源太郎しかり小異を気にせず大局感で俯瞰的に物事を見る姿にリーダーとしてのあるべき姿を垣間見る事が出来ます。
各界のリーダーが推奨する本であることも頷けます。
ビジネス本としてもお薦めします。
ただ、当然ながら、
戦争は美化されるものではありません。
戦争の悲惨さもしっかり感じられます。
「人間にとって、本来、
国家もしくはその類似機関から
義務付けられる事なしに武器をとって
殺し合うことはむいていないことを
証拠立てるものだろう(5巻 301)」
「戦争というのは済んでしまえば
つまらないものだ。
軍人はそのつまらなさに堪えなければ
ならない(8巻 278)
(by第一軍司令官黒木為もと)」
戦争は誰も幸せにならない・・・・
人間は、元来武器をとって殺し会うことが苦手・・・
戦争によって幸せになることはないです。
これから未来に向けて、武力にたよらない世界を望みます 続きを読む投稿日:2017.06.10
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坂の上の雲(七)
司馬遼太郎 / 文春文庫
なぜロシアは負けたのか?失敗から学ぶ
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これまで、司馬遼太郎さんの小説は
読むのに難しいかなーと勝手な敬遠をしてました。
ただ、実際読んでみると、
確かに難しい言葉は多いですが、
明快で綺麗な文章なので読みやすいです。
こ…の巻では、いよいよ日露戦争の終盤の
・奉天会戦の決着。
→その後の国内で起こる日本は
強いといった風潮はなぜ起きたか?
・バルチック艦隊の会戦前の動き。
会戦前の海軍の緊張感
が書かれています。
「坂の上の雲」は、物語が進むのに合わせて、
司馬遼太郎さんの歴史考察、説明が入ります。
ここが、良いところだと思います。
・なぜ、ロシアは負けたのか?
・日露戦争を通して日本に何が起きていたのか?
この歴史を通して、
我々の社会人生活に活きてくる事を学べます。
是非お勧めです。
続きを読む投稿日:2017.06.08
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「ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ-これからの製造のトレンドとエコシステム
藤岡 淳一 / NextPublishing
「ハードウェアのシリコンバレー」深センのものづくりから学ぶ
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単身、深センに乗り込んでジェネシスというEMS(電子機器受託製造)会社を立ち上げた藤岡さんの書かれた本です。
如何にして深センは、「ハードウェアのシリコンバレー」と言われるまでに発展したのかにつ…いて、深センでずっと仕事をしてきたからこそ分かる視点で書かれています。
深センのものづくりエコシステムは、多くの部品メーカーや製造工場だけで成り立っていません。
デザインハウスが誰でも作れるリファレンスデザインを提供しているからこそ成り立っています。
そのようなエコシステムだからこそものづくりがスピーディーに行えることが理解できました。
藤岡さんも言っているように「サービスやソフトウェアが差別化ポイント」です。
ハードウェア製造の厄介さから解放されて、差別化ポイントを重点的に考える為にも、深センという街はものづくりにとって魅力な場所であると感じました。
今、衰退の一途をたどると言われている日本のものづくり。ただ、深センに追い付こうとするだけでなく、深センをうまく活用する事を考えるのも日本を発展させる方法の1つのかもしれませんね。 続きを読む投稿日:2018.05.15
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ネバーランド
恩田陸 / 集英社文庫
必読の「青春小説」!!
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全国有数の進学校に通う4人の少年たちの物語です。舞台は、「松籟館」という古い寮。親元離れて寮生活を送る彼らは、敢えて冬休みに実家に帰らず寮に残ることを選択しました。
彼らは、寮に4人しかいないと…いう非日常生活の中で、それぞれの秘密を話し共有し、自らを考えて、各人が成長していく様を描いています。
この小説では、高校生の何をしでかすかわからない、不気味さがよく描かれています。そんな先の読めない展開が読者を物語に引き込んでいきます。
また、我々は経験を通して人格形成は行われていきます。彼らも同様に、彼らの秘密の経験が、彼らを影のある大人っぽい性格に作り上げていることがわかってきます。
読者である私自身、彼らと秘密を共有したような錯覚を感じて、4人に引き込まれいきました。自分の高校生時代を思い出さずにはいられない素敵な物語でした。
心の洗われる小説です。
是非、読んで見てください!! 続きを読む投稿日:2018.05.20
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この国のかたち(六)
司馬遼太郎 / 文春文庫
俯瞰的に知り、学べる「日本のかたち」
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司馬遼太郎さんのエッセイ「この国のかたち」最終巻です。全体を通して、色々な時代の日本の出来事・思想が書かれています。
第6巻では、海軍について多くのページが使われています。日本の海軍は、帝国主義…時代の防御ようとして増強されましたが、気がつけば統帥権を武器に歯止めの効かない大きな組織になっていました。歯止めの効かなくなった組織の恐ろしさ、行く末について学ぶことが出来ます
司馬遼太郎さんの知識の元、俯瞰的に歴史が書かれているので、世界との関わりや時間の繋がりを感じながら読むことができます。
深堀して知りたい好みの時代も出てくると思います(自分は、明治〜大正〜昭和初期)。
司馬遼太郎さんの何とも言えない飄々とした語り口。随筆ならではのリズム感。是非読んで見てください❗ 続きを読む投稿日:2018.05.24
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合本 この国のかたち【文春e-Books】
司馬遼太郎 / 文春e-Books
因果関係を意識しながら学べる「この国のかたち」
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司馬遼太郎さんのエッセイ「この国のかたち」最終巻です。全体を通して、色々な時代の日本の出来事・思想が書かれています。
司馬遼太郎さんの知識の元、日本の歴史を細切れに学ぶのでなく、縦の関係(時間軸…)と横の関係(国の繋がり。地域の繋がり)が明快でどんな因果関係かを理解しながら読むことができます。
深堀して知りたい好みの時代も出てくると思います(自分は、明治〜大正〜昭和初期)。
司馬遼太郎さんの何とも言えない飄々とした語り口。随筆ならではのリズム感。
また、我々は、どんな出来事にせよ、先人の努力の元に生きている事を感じられる素晴らしい本です。是非読んで見てください❗ 続きを読む投稿日:2018.05.24