Mackeyさんのレビュー
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土漠の花
月村了衛 / 幻冬舎文庫
引き込まれたけど、読後感は重い!
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冒頭から始まった死闘の数々に胸がつまり、息苦しいまま読み進みました。
否応なく巻き込まれた自衛隊員達が、試練を乗り越えて生還するのだろうと思っていたのに、容赦なく次々と襲いかかって来る敵、敵、敵。
…恐ろしかったぁー
なんとか生き延びて、ようやく原隊へ復帰した二人が隊長室へ呼ばれ
「君達の経験した事は公式発表されない」と告げられたクダリでは、涙が出ました。
ワーズデーン小氏族の横暴な虐殺も救助が遅れたのも、すべてアメリカの都合!!!
だけど、ビヨマール・カダンの将来、ソマリヤの平和の為にもなるので、耐えるしかない。。。
「泣き寝入り」とか「理不尽」とか、そんな生半可な言葉では言い表せないけれど、敢えて言うなら、ただ、ただ「悔しいィィィ」
私は、到底「悔しさをバネに前に進む」なんて考えられないけど。。。
でも「気持ちを押さえ込む」とか「無理やり納得する」とかで、折り合いをつけて、前に進むしか道は無いのでしょうねぇ
とても、重い話でした。 続きを読む投稿日:2017.04.15
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赤ヘル1975
重松清 / 講談社文庫
「広島カープ」それは、広島市民の、祈りにも似た大きな夢!
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単純に、1975年に広島カープというプロ野球チームが初めて優勝した話だと思っていたけど、そんな生易しい内容ではなかった。
戦争が終わって17年後に生まれた、ヤスとマナブとユキオという3人の中学1年生…を中心に、カープ優勝までの軌跡と、原爆投下から30年たった今でも、街中に、また、身近な人達に刻まれた生々しい原子力爆弾の記憶というか、傷痕が描写されていて、前半は本当に息苦しささえ感じました。
後半、カープの優勝パレードに集まった人達が「優勝おめでとう」と声援と拍手を贈るなか、亡くなった家族の遺影を掲げて「ありがとう」「優勝してくれて、ありがとう」と、選手達に手をあわせて拝んでいる人が大勢いた。というクダリでは、広島が抱えている重みをヒシヒシと感じて、泣けてしまった。
いつか、物見遊山ではなく、心して、原爆ドームや資料館に行ってみたいと思います。 続きを読む投稿日:2017.03.04
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神の手(下)
久坂部羊 / 幻冬舎文庫
安楽死がテ-マの医学ミステリ-
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上下巻とも読了。「安楽死法」成立に向けて、さまざまな画策をもくろんで世論を誘導する賛成派と、マスコミを使って阻止を図る反対派のバトルが大筋ですが。。。
そこには、病院の医師、看護師、患者、そしてその…家族の思惑や葛藤が生々しく描かれおり、また、医師会や法整備の問題まで事細かに書かれていて、安楽死は、単に是か非かだけで、決めつけられない問題なのだと、痛切に感じました。 続きを読む投稿日:2020.02.18
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すぐ死ぬんだから
内館牧子 / 講談社
アッパレ、78歳!
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気合いを入れて「老い」を遠ざけている78歳のハナ。
夫の急死後、40年来の愛人発覚!
思わぬ人生の変転に戸惑いながらも、時に菩薩の境地になったり...
小気味よいハナの生き方に、拍手を送りたい。投稿日:2020.10.12
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神様ゲーム
麻耶雄嵩 / 講談社文庫
えッ! なんで???
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主人公は小学生。
秘密基地とか作って、たわいない子供達の探偵ごっこだと微笑ましく読み進んでいたのに、猫殺しだけにとどまらず、突然の殺人事件(驚)
そこから、話がイッキに加速して、先がドンドン気…になる。
終盤に「ああ、そうだったんだぁ」と納得したとたんに、大どんでん返し!
「えッ!? なんで???」って、疑問が残ったままのラストでした。
続編があるらしいけど、このモヤモヤをスッキリさせてくれるのかなぁ 続きを読む投稿日:2021.03.18