食いしん坊花子さんのレビュー
参考にされた数
144
このユーザーのレビュー
-
桜風堂ものがたり
村山早紀 / PHP研究所
素晴らしい読後感!
4
すごく心が揺さぶられた小説です。
何度も何度も、目頭が熱くなり、電車の中で読んでいたので困りました。
紡ぎだされる言葉、本当に心にためらいなく響き、感動を与えてくれます。
いろんな「願い」がこもってい…るお話だと思います。本が好きな人、本屋さんが好きな人、一生懸命頑張っている人、苦しく辛い状況にある人、そして家族への思い。
「ひとはたぶん、未来への夢や、この先良くなっていくかも知れないという希望がないと生きていけない」。
それぞれの思い、それぞれの優しさとしなやかな心の強さがこめられた、あたたかな小説です。
とても読みやすいと思いますし、是非多くの人に読んでほしいです。 続きを読む投稿日:2017.02.20
-
まんがでわかる 伝え方が9割
佐々木圭一, 星井博文, 大舞キリコ / ダイヤモンド社
まんがになって、ますます「わかりやすい!」
3
どうして、伝わらないんだろう!に、
明確な答えをくれる一冊です。
しかも、まんがで物語ベースでなのでとってもわかりやすい。
もちろん、本書のように現実には全てがうまくいくわけではないけれど
「あの…時の言い方が悪かったからかな」とモヤモヤするときに
本書の内容と照らしあわせて
「しょうがない」のか「やりようがあった」、どちらかの答えを出せるようになりそうです。
もちろん「伝え方」がわかる、というのも本書の魅力ですが
「みんな、悩んでるんだな」というので、ちょっとホっとしました(………、だって、ねえ?)
続きを読む投稿日:2017.03.20
-
愛すべき娘たち
よしながふみ / メロディ
よしながふみ、最高傑作のひとつ。
3
全ての女性というのは「娘」だった。
当たり前なんですが、そのことを、胸の傷を抉るように描き出しています。
「わたしだけのお母さんでいてほしい」というのも「母も、その母からの言葉を受けて生きている」と…か、
まさにその通りなのです。
その中でも娘として、というより一人の人間として
世の中で説かれている建前をグっと切り込んだ、中盤のお話が好きです。
愛するということ、の意味を暴く筆力はさすがです。
すごい。 続きを読む投稿日:2017.04.01
-
僕が愛したすべての君へ
乙野四方字 / ハヤカワ文庫JA
可能性ごと、愛する。感動!
3
同じ著者の『君を愛したひとりの僕へ』とセットものです。
どちらを先に読むのがいいのか。それはもう、あなたの運命が決めるのです……なんて。
こっちから、とも、あっちから、とも言えないところがこの作品の…魅力であり、
かつ、その定まらなさが作品世界とリンクしているかのよう。
SFというと、どうしても力が入ってしまう人も、これは力を抜いて、リラックスしながら、
ガッツリ感動を味わえる作品です。
読んだ後、感想を語り合いたくなる、おすすめのタイムリープものです!
この感動は大好きなどら焼き2個分くらい!(つまり、超、おすすめ!) 続きを読む投稿日:2017.03.26
-
貴族探偵
麻耶雄嵩 / 集英社文庫
安楽椅子探偵、一読の価値あり。
3
謎の貴族探偵。
キャラ立ちしている主人公。と、言っても「貴族探偵」を本気で名乗り、
かつ、推理は執事、メイド、運転手にまかせ、最後はしっかり「貴族探偵」がしめる、という。
安楽椅子探偵の極みともいえ…るかもしれない。
キャラ立ちしているし、設定(特に登場人物や場所)が面白いので映像化したときに映えそうです。
小説としても、面白いです。一読の価値あり。
追記
『貴族探偵』を読んだら、第二弾『貴族探偵対女探偵』も。
女探偵の登場でますます盛り上がります! 続きを読む投稿日:2017.03.07
-
平台がおまちかね
大崎梢 / 創元推理文庫
出版社の新人営業員にエールを送りたくなる一冊
3
出版社の若手の営業さんのお話です。
主人公の井辻くんは、本が好きだし、本をすごく大切にしている。
ただ売り上げをのばせば、というより
かわいい自分のチームの一員のように自社の本を思っているようにも感…じました。
実際、知り合いの出版社の営業の友人の話とも
よく通じている部分もあり、著者の方が元書店員と知り、納得です。
書店業界は決して待遇のいい場所ではないけれど、何より本好きの人たちに
支えられて動いているんだな……ということがよく伝わってきます。
そして、他の著者さんの著書も具体的に上がってきていて、そういう描写も仲間意識から生まれるのかもしれませんが、
とても嬉しかったし、楽しめました。 続きを読む投稿日:2017.04.15