パドラッパさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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子どもたちは電子羊の夢を見るか?(1) 0歳からはじまるデジタル教育
石戸奈々子 / カドカワ・ミニッツブック
リテラシーって、こういうこと
1
「デジタル教育」が「デジタルコンテンツ大量消費者養成教育」を脱するための仕掛けが様々に示されている。リテラシーを高めるという行為の具体的な事例が簡潔かつ分かりやすく書かれていて面白かった。
投稿日:2014.02.05
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アメリカ・メディア・ウォーズ ジャーナリズムの現在地
大治朋子 / 講談社現代新書
本題はサブタイの「現在地」
3
マスコミがネット時代へ適応しようとするあり様や、NPO報道などの現状をアメリカからルポするのが狙いだったところ、日米そして中東のジャーナリズム立脚点の違いが浮き彫りになっていて面白かった。
米国では地…方紙などで力を付けた記者が中央紙へとキャリアアップしていく中で、記者がジャーナリズムを極めていくという育ち方をしているようだ。対して日本は、中央紙が巨大で囲い込まれておりキャリアが単線的なのが根本問題に思える。
また、著者がヨルダン支局に異動されて直面したこととして後日談的に書かれている内容から、ネット時代にマスコミは要らないみたいな論調の危うさを示していて、良いデザートになっていた。 続きを読む投稿日:2014.02.01
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つぼやきのテリーヌ The cream of the notes 2
森博嗣 / 講談社文庫
100の抜き身のコトバ集
4
「電子書籍の対語としての印刷書籍」という話をtwitterで知って読んだ、文庫書き下ろしのエッセイ集(の電子版)。相変わらず一語一語がシャープ。電子書籍からの収入は微々たるものと言う話をあちこちで聞い…ていたが、森先生は年々1ケタ伸びで、既に1/3に達したそうだ。
これからの本は、印刷する必要は無いのだからスペシャルなのが増えるというお話に、願望も込めて同意。はたしてReaderStoreはそれに対応できるだろうか。どうもこちらは印刷書籍のロジのアナロジーから抜けきれず、KDPの独壇場になっていくように見えて仕方ない。革新に期待したい。 続きを読む投稿日:2014.01.17
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虚空の逆マトリクス INVERSE OF VOID MATRIX
森博嗣 / 講談社文庫
ミステリィの幕の内弁当
2
森先生の短編集ははじめて読んだのだけれど、実験的な作品、着地点を見失ったようなの、単純におもしろおかしいの、有名人(S&M)の1エピソードなど、振り幅の広さが楽しかった。旬のトピックを取り入れることが…あるのも発見でした。 続きを読む
投稿日:2014.01.17
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なぜ少数派に政治が動かされるのか? 多数決民主主義の幻想
平智之 / ディスカヴァー・トゥエンティワン
いろいろ問題があったことを認めつつ、ワンランクアップへ向かう姿勢に好感
1
民主党への政権交代と崩壊および東電原発事故があったからこそ分かってきた政策決定プロセスの現状と課題を、自己批判も踏まえつつ整理し直した内容。特に議員立法が骨抜きになる様子がよく分かった。5年前の期待を…再構築する姿勢に期待したい。
それにしても、新書にやたら多い「なぜ〜のか?」という安易なタイトル付けをしてしまったことが残念。私としては、このタイトルを見ただけでマイナス2ポイントぐらいなんだけど、世の中そうでもないのかなぁ 続きを読む投稿日:2014.01.05
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バブルの死角 日本人が損するカラクリ
岩本沙弓 / 集英社新書
一国経済と国際金融の両視点を合わせ持って
1
リアルなマネー経済の現場感覚と歴史的な考証とが結び付いた説得力と面白さを堪能した。付加価値税はそもそも戦後欧州で輸出産業への還付目的でできたこと、アベノミクスなどと話を混ぜず整理する手法など、補助線の…引き方の切れ味が見事でした。 続きを読む
投稿日:2013.12.20