best-mtさんのレビュー
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星の王子さま
サン=テグジュペリ / ゴマブックス
『紅の豚』が書いた<童話>!?
4
サン=テグジュペリは、フランスの戦時パイロット。最期はロッキード F-5B(P-38の偵察型)でボルゴ飛行場から単機で出撃後、地中海上空で行方不明(その後、ブレスレットが発見)となる作家。
『夜間…飛行』(1931年)や『人間の土地』(1939年)は当時ベストセラーとなり代表作となっているが、『星の王子さま』は、自身で描いた素朴な挿絵も含め世界各国で長く愛読されている。
戦時パイロットが書いた童話という印象から興味を抱き本著を手にしたが、中年には中年の感性で読むのも一興か。大好きなアニメである『紅の豚』に通じる一連の作品である。 続きを読む投稿日:2015.04.16
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一流の大人は絶対読まなければいけない 夏目漱石名作一気読み!!
夏目漱石 / ゴマブックス
「一流の大人」じゃないが・・・
3
なんといっても秀逸は『こゝろ』だろう。友情と恋愛は若き日の甘酸っぱいテーマだった。しかし歳をとるごとに違ったニュアンスが生まれ、クールに見る自分がいる。あと何年生きられるのだろうと思いはじめる頃から…、「先生の遺書」の本心がちょっと分ったような気がした。何歳で読もうが、名作に変わりないが。 続きを読む
投稿日:2015.06.01
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日本史の謎は「地形」で解ける
竹村公太郎 / PHP文庫
「半蔵門」から「忠臣蔵」へ、徳川幕府百年の復讐とは?
2
なかなか面白い!
特に<徳川幕府百年の復讐>をテーマに「半蔵門は本当に裏門だったのか」「赤穂浪士の討ち入りはなぜ成功したか」「なぜ徳川幕府は吉良家を抹殺したか」「四十七士はなぜ泉岳寺に埋葬されたか…」という一連の謎を追い求める著者のユニークな考察・見解には、その都度嬉しい驚きがあり、途中で止められなくなった。
そのほか、「元寇~」「吉原遊郭~」「征夷大将軍~」「江戸無血開城~」「遷都~」など全18章の謎解きは、どれもこれも日本史の固定観念をひっくり返す、あるいは見直す文章展開が面白い。さすがは河川行政に長年携わり、日本全国の「地形」を熟知する著者、<現場百回>と自分の足で調べ確認する、著者の謎に迫る真摯な態度には脱帽というほかはない。
余談だが、最終章ラスト8行の推理ゲーム(邪馬台国の所在地)には思わず笑ってしまった。著者のイタズラ心なのだろうが、昔、読んだ『陸行水行』(松本清張)を思い出し、(なるほどねぇ、それもアリかな)と。 続きを読む投稿日:2015.05.01
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解剖学個人授業
養老孟司, 南伸坊 / 河出文庫
”死の完了”について考える
2
落語や論語も飛び出す雑学の面白さは、生徒が南伸坊氏だからなんでしょうねぇ。これはただの解剖学ではなく、好奇心の哲学と云っていい。
投稿日:2015.05.30
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生物学個人授業
岡田節人, 南伸坊 / 河出文庫
8000万種の生物って、ノアの方舟は大変!
1
興味のあるところだけでも十分におもしろい。生徒のシンボーさんの奇天烈な発想が生物学を身近なものにした。「癌は必ずしも悪人面してない」ってさ。
投稿日:2015.05.30
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人間臨終図巻 1
山田風太郎 / 徳間文庫
『死』は誰にも訪れる・・・<色即是空>の境地に。
1
古今東西の著名人、全923名の死に様。それはそれぞれに個性があり、似ていても同じものはないーーー当然と言えば当然だ。
つい、現在の自分の年齢のページをまず最初に読んでしまう。(一体いつまで生きられ…るのだろう)次に開いたのは、その年齢のページだった。 続きを読む投稿日:2015.04.16