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コミュニティ鉄道論
佐藤信之 / 交通新聞社
残念ながら思っていたような内容ではなかった。
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近年の少子高齢化がついに人口減少に至り、地方鉄道はもちろん大手鉄道会社でさえ経営の先行きに不安を感じているところでもあります。
そこで今、鉄道会社が力を入れているのが沿線地域の再開発であり、特にエリ…アマネジメントの手法が注目を浴びています。
このエリアマネジメントという手法は、これまでのまちづくりのような行政主導ではなく、実際にそこに住んで暮らして働いている住民、事業者、地権者が共同体となってボトムアップで地域の管理運営を行うというものです。
そして、このエリアマネジメントを円滑に行うためには沿線住民とのコミュニケーションがとても大切なものになります。
そこで私は沿線住民と鉄道会社のコミュニケーションの手法や前例、考え方について知りたいと考え、この「コミュニティー鉄道論」を購読しました。
しかし残念ながら、試し読みで読むことができた前文にこそ、沿線住民と鉄道会社の関係性についての言及があったものの、本文では鉄道会社の歴史と経営と行政の関わり合いについて説明に多くが割かれ、その中で沿線住民がどんな風に鉄道会社と関わりを持っているのか?という点についての記述はありませんでした。
おそらく路線バスに対するコミュニティーバスのような、独立経営鉄道に対するコミュニティー鉄道という解説だと理解はできるのですが、コミュニティー鉄道が共同鉄道という認識で合っているのであれば、やはり企業の経営と行政の支援に加えて、沿線住民の応援についても考察が欲しかったです。
記述の内容について非常に分かりやすく具体的な数字も記載されていて、各鉄道会社の歴史や歩みを知るのにはとても良い本だと思います。
続きを読む投稿日:2020.04.26