ゆきさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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……絶句(上)
新井素子 / ハヤカワ文庫JA
懐かしい
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本当に絶句してしまう、そんな本。
少女SF。
<少女>であった作者を感じる本。
夢から醒める直前、そんな感じ。
リアルタイムで読んでいたときは、10代だったので、ただワクワクしながら読んでいたけれど、…30年経って読み返すと遠くの花火をみるような、キレイだけれどての届かない切なさを感じる。
飯田橋の交差点もいまはもうない。
けれど私がポジティブな考え方になったのは一郎さんのおかげです。 続きを読む投稿日:2015.12.01
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ポーの一族(1)
萩尾望都 / ベツコミ
時が止まっている
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40年の時を経ても初めてみたときのまま。そんな感じです。最初から、最後へ、最後から最初へ話しは繋がっていきます。断片的な話がランダムに載っていて、時の迷路に迷い混んでしまったような気持ちになります。魔…法使いの目線になってしまいます。そう、魔法使いです。それに気がつくとまた、最初から読んでしまうのです。エドガーが生まれた朝へと。
追記
Flowersの続編を読んで、気持ちは複雑です。旧作にはあったページに収まりきらない躍動感がなくなってしまっていました。ラフに見える絵なのに、だからこそ連写のヒトコマのようなイキイキとしたものを感じていたのですが。切ないなぁ。伝えたいことは伝わってきて話は好きなのですが、ただ切ない。
続きを読む投稿日:2016.06.06
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植物図鑑【幻冬舎文庫版】
有川浩 / 幻冬舎文庫
しあわせ
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たんたんとした、毎日のなかにもしあわせはあって、たぶん線じゃなくて点(瞬間)で、その瞬間を大切にしてるんだなって感じました。いなくなっていまうかも、そういう気持ちだからこそ一瞬を大切にしてたのですね。…とてもさわやかな読後でした。点がずっと続くといいなと思います。 続きを読む
投稿日:2015.10.26
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雪の断章
佐々木丸美 / 復刊ドットコム
幻の本でした
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カルト的ともいえる人気があり講談社ハードカバー版は図書館でも消失していたというシリーズものの最初の巻です。
全て読むとわかるのですが壮大な謎解き(姫君さがし)が解きあかされるのかと思ったら姫君達の恋愛…物語。姫達の秘密は、ちらちら小出しにしてたヒントで想像してね、というなんともスッキリしない話でした。作者の本の3作を除く全てが繋がっています。この人の生まれ変わりが誰で、誰の血筋でと人物関係図を作っていきました。でも、やっぱり物語として読みたかったです。ちょっと消化不良。
かなり偏った思想のひとでハードカバーから文庫になる段階でかなり修正されています。
自殺は美しいもの、愛は求めるものじゃないので相手がいる人を好きになるのもOK(みんなに優しくそして冷たいホストと彼を愛する女性数人みたいに男性一人に女性複数)、金持ちは嫌なやつで貧しい人は心が清い。仏教やチベット死者の書、ギリシャ神話に傾倒していたのかな、ちょっと露骨すぎました。神秘的なものは好きなのですが世界観にはハマれませんでした。恋愛のパターンも全て同じなのでちょっと飽きます。そんな丸美ワールドの扉の入り口に当たる本です。中古で万単位の値段がついて、ヤフオク!で取引されていたこのシリーズ、オススメです。 続きを読む投稿日:2016.06.06
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さよならタマちゃん
武田一義 / イブニング
人に配りたいと思った本です
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35歳で精巣癌にかかった漫画家さんのアシスタントのエッセイ漫画。ほにゃっとした絵でほにゃっとした表情なのに、なかなかページが進みませんでした。かずくんの病気、早苗さんの病気、二人の空気感、二人の思い、…周囲の人々、うまい絵では決してないのに、伝わってきて胸が一杯になり、さらっと読み流すことができなくて。人にお薦めするんじゃなく、買って、人に配りたいそう思った本です。
続きを読む投稿日:2016.07.25
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この闇と光
服部まゆみ / 角川文庫
期待値が高すぎた
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意外な、とかネタバレ禁止ってかかれているとどうしても読みながら考えてしまうから、予測したことのうちのひとつだった。どう繋がるのかなってくらいで。意外性がある話という予備知識がなければ手に取らなかったけ…ど、予備知識のおかげて身構えて考えすぎてあまり入り込めなかった。耽美な世界が特別好きなわけでもないのでそれも入り込めなかった要因かも。面白かったとは思うけれど再読はしないと思う。 続きを読む
投稿日:2016.07.30