「愛着障害」なのに「発達障害」と診断される人たち
岡田尊司(著)
/幻冬舎新書
作品情報
「発達障害」と診断されるケースが急増している。一方で「発達障害」や「グレーゾーン」と診断されながら、実際は「愛着障害」であるケースが数多く見過ごされている。根本的な手当てがなされないため、症状をこじらせることも少なくない。なぜ「愛着障害」なのに「発達障害」と間違えられるのか? 本当に必要な対処とは何か? 豊富な事例とともに「発達障害」と誤診されやすい人たちの可能性を開花させるための方法も解説。「発達障害」の急増が意味する真のメッセージを明らかにする“衝撃と希望”の書。
※本書は2012年に刊行された『発達障害と呼ばないで』のデータや内容を最新のものにアップデートするとともに、大幅に加筆修正を行ったものである。
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この作品のレビュー
平均 3.0 (2件のレビュー)
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前半は読みながら、この本で言いたいことはタイトルで既に言っているなぁ…と思いました。なぜタイトルの様に言えるのか、について専門的な言葉がずらりと並べられて少々読みにくかったです。
後半は、非定型発達…の3パターンのタイプ「視覚空間型」「視覚言語型」「聴覚言語型」を実在の人物の例を引き合いに出し、タイプによって理解の仕方や能力が発揮しやすい環境が変わるという話があり、それは具体的に書かれており自分だったり周りの人だったり、そうかも!と思える内容で面白かったです。
仕事をする中で、なんで周りに聞かないんだろう、とかなんでこんなやり方するのかなとか他人の仕事の進め方で自分からは理解できないものもありましたが、人ぞれぞれ理解の仕方が異なるのなら仕方ないなぁとなんだか納得できました。
この本の話ではないですが、身体障害者などの「障害」は現代社会の構造のせいで暮らしづらくなっているから、それをもって「障害」と言えるのではないかという意見を読んだ時に当人に視点を向けての「障害」ではなく、社会全体で見るとそうかもしれないと、眼から鱗でした。
ルールがあると、秩序ができてコントロールしやすいのと、ある程度摩擦や衝突が減って暮らしやすいかなとは思いますが、素人判断の行き過ぎたラベル貼り(HSPとかも)は良くないなと思っていました。
発達障害自体の認知度があがったため、単純に診断される人数が増えているだけかと思ったのですが、この本で書いてある様に愛着障害から発達障害に似た様な言動が見られ発達障害と診断されてしまうという話だと、これは社会全体で認識を改めていかないといけないのではと思わされました。
アンデシュハンセンの本で、発達障害の中でも現代に合わないだけで狩猟採集の時代であればその反応・行動力で生き延びてこられたのではないかという考えを見た時一理ある、と思いました。
自閉症スペクトラムが現代では増えているのも現代の社会自体が過去から変わってきて職業や仕事の進め方、求められる能力が変わっているからとそことの因果関係も興味深く、現代社会のルールって別にそんなに核心ついていないのかも、と思えました。
時代を超えて変わらない、人間が周りと世界の環境と共存していくために守るべき倫理観はあるとは思うのですが、人の理解というものは、正解がないように思えてきました…???
○○だから△△、と言い切れるものが全てではないというか。
管理する側からしたら、型にはめて判断する方が楽だと思いますが、それに踊らされないようにしたいけど社会の福祉・保障は管理する側が決めたルールなので感情ではどうにもできない部分もありそうで歯痒い。
そこそこ面白い本だなと読めていましたが、P302からの母乳神話の話でドン引きしました。百歩譲って著者が育児経験があり、授乳する側の女性だとしたらまだ…だったかもしれないですが、男性が何をいっているんだろうと冷めました。
若干、この主張の部分では、著者の意見・主張が前面に出て、ケネディの母親を引き合いにはだしてますが一例?と思うし、他の論文とか研究とか後ろ盾になるものの力が弱い気がしたのも余計気持ち悪かったです。ここが言いたい部分だったのかな、って。続きを読む投稿日:2024.05.22
発達障害を持っている偉大な人物は意外にも多い。
大切なことは、「子どもの主体性を否定しない」「共感的な応答を心がける」こと。
子どもだけでなく、大人に対しても、表面的な行動ではなく、気持ちに目を向け…ることで、その人が何を伝えたかったのか理解することができるのではないだろうか。続きを読む投稿日:2024.05.13
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