かわいいピンクの竜になる
川野芽生(著)
/左右社*
作品情報
ロリィタ、お姫様、妖精のドレス、少年装、幻獣のような髪、メイク・・・・・・世界と人間に絶望した著者が、ロリィタと出会い「自分らしく装う」ことに目覚めて、本来の姿を取り戻すまで。気鋭の歌人・小説家、川野芽生が「装いと解放」を綴る、初のエッセイ集。
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この作品のレビュー
平均 4.0 (7件のレビュー)
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2024年2月
最初のほう、著者のロリータファッションへの愛が語られていて、引き込まれた。
自分の世界を大切にし自分のいいと思ってファッションに身を包む。今の日本でロリータファッションと聞いて、男ウケ…のためだと考える人はほぼいないだろう。究極の自分ウケ。
あとこのエッセイの魅力は著者自身が自分のことをかけがえのない特別な存在だと理解していることだと思う。続きを読む投稿日:2024.02.18
服の趣味は違っても、自分と感性が似た人の文章だなと思った。
私は女性らしさ(というのをオフィスカジュアルみたいな、無駄に機能性と色鮮やかさが足りない抑えめな雰囲気、と定義して)を纏わない「かわいい」服…が好きで、そういう服は大体世間一般からすると奇抜で理解の範囲を超えていてうまくいくと性別二元論まで超えてくれるからノンバイナリーの自分にとってすごく都合がいいんだよね。という感覚とこの人は似たものを持っているなと感じた。
全然興味ない他人に気に入られる気持ち悪さについてもかなりこの本では触れられてて、フラッシュバック注意だけど読めてよかった。
以下、気になった部分抜粋。
"私もそんな、誰かの青春をいろどるために摘み取られるのを待っている花のひとつに数えられた。多くのアプローチを受けたし、恋愛的なアプローチというのは、ストーキングやDVや性暴力と一直線で繋がっている。
その中でもある同級生から受けたアプローチは、性暴力すれすれ、というかもう性暴力だったと言ってもよいと思う。p56"
→私の中で恋愛的なアプローチが加害に繋がっていることを言及してくれる人にあまり出会えていなくて嬉しかった。未だに「好意」はありがたく受け取らなくちゃという嫌な固定観念が残ってる。
"私が私を裏切った、と思った。私が私を売った。やめてよ、と言いながらあいまいに笑っていた私が、私を彼に差し出した。
私一人のものであったはずの私の意思が、書き換えられた。
自分が、汚れてしまった。と私に何より感じさせたのはそのことだった。
私は、私をもう、信じることができない。p60"
→自分の意思が全く尊重されないことで自己有用感が損なわれることを如実にあらわしているなと思った。
"そんな日々の果てに、私は興味のあるものにしか興味を持てないという結論に達した。視野の狭い子供だと言われようと、「みんな」―と称する誰か―が興味を持っているものに自分も興味を持たなければいけないのだろうかと頭を悩ませるのをやめた。ほんとうは興味を持てないものに興味を持とうとすると、自分という指標を見失うし、付け込んでくる人がいるのだと知った。p141"
→社会は必死に迎合を迫ってくるけれど皆なれるものにしかなれないんだなっていう当たり前の話を当たり前にしてくれて嬉しかった。
"「人間」と「人間でないもの」の線引きを批判することなく、自分たちも「人間」の枠内に入れてくれと主張するだけでは、差別の構造そのものは変わらない。なぜ「人間」なら保護されるべきで、「人間でないもの」への暴力は許されるのだろう?人間による、動植物に対する虐殺や搾取、侵害がこんなにも苛烈な世界で、「人間」と「人間でないもの」の差別を当然と見なし続けること自体を、問題視するべきではないか?p203"
→LGBTQ+を擁護しようとして「愛は美しい」と言うことでAro/Aceの存在を無視することになったり、ジェンダー規範に当てはまらない人を「トランスのフリした性加害者」として悪魔化することで差別していい人としない人とを分断することがある、という文脈でのこの話だった。攻撃したり貶めていい相手なんて存在しない。というのがなかなか共通認識になりにくい。
"自分の身体を、肌を、「自然」な状態ではあり得ない色、あるいは生まれつきではない色に変えるのが、私にはとても楽しい。
きらきらに彩った瞼は鱗みたいだ。
血の気を全部消して、生者であることから自由になる。
真っ黒な唇で魔女になる。
白い睫毛で雪の妖精になる。
私は人間であることから解き放たれて、夢の存在になるためにメイクをしている。p212"
→自分と化粧の動機が一緒で嬉しくなった。自分以外の自分になりたくて化粧してる。続きを読む投稿日:2024.05.24
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