菓子職人の兄と番頭の弟。上菓子屋兄弟の繁盛記。「藍千堂菓子噺」シリーズ第1作。両親亡き後、叔父に実家を負われた晴太郎と幸次郎。兄弟は、かつて父の許で修業していた職人の茂市と一緒に、菓子司「藍千堂」を開く。優しい職人肌の晴太郎と、しっかり者で商才に長けた幸次郎は、亡き父の教えを守りながら、叔父の嫌がらせにも負けず、知恵と工夫を凝らした季節の菓子で店を切り盛りする。解説=大矢博子※この電子書籍は2013年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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「藍千堂菓子噺」シリーズ第5作!
物語を彩るのは藍千堂謹製、初夏の上菓子三品。
さちの友だち、おとみが母親に捨てられた!?
境遇が移り変わっていく幼い少女たち。
さちが遊びに行ったおとみの家で、
おとみの母親が百瀬屋の上菓子を出してくれた。
おとみは、上菓子を生まれて初めて食べた様子。
さちは「藍千堂の方が美味しい」と感じるが、
「でも、どうして上菓子を出してくれたのだろう」。
さちが微かな違和感じた次の日、おとみの母はいなくなった。
おとみの母は、おとみを残して町火消の組頭に嫁入りした。
嫁ぎ先が生さぬ仲の娘を嫌ったため、おとみは置き去りにされたのだ。
大工の伯父夫婦が養女として引き取ることで、すでに話は済んでいた。
大工は金を握らされ、おとみを引き取ったと噂されている。
頑固で口下手な叔父に馴染めず、またその叔父から「おさちとは、
あまり仲良くするな」と諭され、不安になるおとみ。
そんな時、事件がおこり、おとみは「藍千堂」へ逃げ込んできて――。
おとみの騒動をきっかけに、ふと自分の境遇に思いをはせるさち。
なぜ、自分の年齢がひとつ減ったのか?
急に、「とと様」が自分の父になった訳は?
さちも少しずつ大人になっていく――。 -
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「藍千堂菓子噺」シリーズ第4作!
『藍千堂』に特別な「誂え菓子」を依頼する客が次々とやってきて・・・・・・。
藍千堂謹製、想い出に色を添える菓子三品。
父の死後、江戸でも名店と謳われる菓子屋「百瀬屋」の晴太郎と幸次郎兄弟は、
叔父に実家を追われ、小さな菓子司「藍千堂」を営む。
晴太郎が佐菜と結婚して男所帯だった藍千堂の暮らし向きは華やかになったが、
そんな折に、叔父の百瀬屋清右衛門が病に倒れた――。
清右衛門は静養のため、内儀のお勝と共に愛宕山の診療所で暮らすことになった。
娘のお糸が父母の代わりに『百瀬屋』を取り仕切るはめになったが、
当のお糸は落ち着いたもの。『藍千堂』の兄弟、晴太郎と幸次郎が手を貸し、
新たな『百瀬屋』はなんとか滑り出した。
だが、ほっとしたのもつかの間、『藍千堂』に難しい「誂え菓子」を頼む客が、
立て続けに現れた。ひとり目は、「目を悪くした祖母にも『見える』梅の菓子」を、
二人目は、「南の故郷を懐かしむ大切な女(ひと)に、南蛮菓子のかすていら」を。
偶然にしては妙だと感じた幸次郎が調べると、
『百瀬屋』の贔屓客だった旗本が浮かび上がった。 -
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絶望の淵に突き落とされた人を、和菓子で笑顔にしたい!
命さえ惜しくない愛に巡りあったとき人は――」
江戸菓子の魅力と人情がたっぷり詰まった大評判の「藍千堂菓子噺」シリーズ第3弾。
おっとりした菓子職人の晴太郎と、商才に長けたしっかりもの幸次郎の兄弟は、
年老いた茂市に手伝ってもらいながら、江戸の菓子司「藍千堂」を営んでいる。
菓子一筋だった晴太郎が、佐菜に恋をして結婚。男所帯の藍千堂に
佐菜とその娘のさちが加わったことで、暮らし向きは華やかになった。
そんな時、従妹のお糸の縁談が発端となり、実家の「百瀬屋」が窮地に陥る。
命をかけて愛する相手に出会ったがゆえに絶望の淵に突き落とされた人々を、
晴太郎兄弟は和菓子で笑顔にできるのか。
寒天入りの飴が練りこまれた「変わりわらび餅」、極上の砂糖を煮詰めた「かるめいら」など、
晴太郎が工夫を凝らして作り上げるお菓子の描写が食欲をそそります。
解説=細谷正充
※この電子書籍は2019年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
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「藍千堂菓子噺」シリーズ第2作!
季節のお菓子でにぎわい、日々、評判が高まる藍千堂。
店を切り盛りする〈菓子莫迦〉で職人気質の兄・晴太郎にもいよいよ春が?
と思いきや、惚れた相手の元夫は、奉行所を牛耳る大悪党だった!
前途多難な恋の行方に不穏な影が忍び寄る。
江戸・神田の小さな菓子屋を舞台に、おっとりした菓子職人の兄、
商才に長けた弟が菓子屋を切り盛りする「藍千堂」シリーズ。
今作は、人日(じんじつ)、上巳(じょうし)、端午(たんご)、七夕(しちせき)、
重陽(ちょうよう)といった五節句を題材に、季節の和菓子が登場する。
実はこの兄弟、江戸で名店と謳われる「百瀬屋」先代の息子たち。
父母亡きあと、叔父の清右衛門に訳も分からず店から追い出されたのだ。
兄弟は、亡き父の教えと「甘いもん」を前にした時の
客の「いい顔」を励みに、職人の茂市と三人で店の評判を上げていく。
そんなある日、仕事一筋の兄・晴太郎が恋をした。
ところが、晴太郎が惚れた相手の元夫は、奉行所を牛耳る大悪党。
前途多難な恋の行方に不穏な影が忍び寄る。弟の幸次郎や、職人の茂市ら、
周囲の人々に助けられながら、晴太郎は一世一代の大勝負に出る。
著者が考案したオリジナルの和菓子も魅力的。
第5話に登場する子戴(こいただき)は、宮中の祝儀に使われたのが始まり。
赤いもち米で作った餅を平たくしてくぼみをつくり、小豆餡を載せるものだが、
藍千堂オリジナルはもっと涼やかだ。
『あんこの本』の著者、姜尚美さんの解説も読みどころのひとつです。
※この電子書籍は2016年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
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菓子職人の兄と番頭の弟。上菓子屋兄弟の繁盛記。「藍千堂菓子噺」シリーズ第1作。
両親亡き後、叔父に実家を負われた晴太郎と幸次郎。
兄弟は、かつて父の許で修業していた職人の茂市と一緒に、
菓子司「藍千堂」を開く。優しい職人肌の晴太郎と、
しっかり者で商才に長けた幸次郎は、亡き父の教えを守りながら、
叔父の嫌がらせにも負けず、知恵と工夫を凝らした季節の菓子で店を切り盛りする。
解説=大矢博子
※この電子書籍は2013年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
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