絵師金蔵 赤色浄土
藤原緋沙子(著)
/祥伝社
作品情報
「血の色は厄払いじゃ。万民の不安を払い落とすのじゃ」幕末の土佐に生まれ「絵金」と呼ばれた男、艶やかな色彩で見る者を虜にした異才、激動の生涯。――幕末の動乱は土佐国も大きなうねりで呑み込んだ。様々な思想と身分の差から生じる軋轢は、人々の命を奪っていった。金蔵はそんな時代に貧しい髪結いの家に生まれた。類まれなる絵の才能を認められ、江戸で狩野派に学び「林洞意美高」の名を授かり凱旋。国元絵師となる。しかし、時代は金蔵を翻弄する。人々に「絵金」と親しまれながらも、冤罪による投獄、弟子の武市半平太の切腹、そして、土佐を襲う大地震・・・・・・。金蔵は絵師として人々の幸せをいかに描くかに懊悩する。やがて、絵金が辿り着いた平和を願う究極の表現とは――。作家生活20周年記念作品
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この作品のレビュー
平均 3.0 (4件のレビュー)
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お恥ずかしながら「絵金」と親しまれる絵師金蔵のことを全く知らず、インパクトのあるカバー絵を見てジャケ買いした一冊。
金蔵が絵を描く場面では、色がないものも濃淡によって躍動感溢れる人の姿が何もないとこ…ろから浮かび上がってくるような描写がされており、ぐっと引き込まれる。そうかと思えば、1854年の大地震や幕末の動乱など天災や改革による人の死や混乱も描かれており、生き抜くことの苦悩を知る。狩野派の絵を学び一度は国元絵師となりながらも、町の人たちのために芝居絵屏風を描くようになった人生を堪能した。
幼いころは髪結いをしている父親との確執から、店の外で古い板切と石を使って絵を描くことに没頭していた金蔵。ある日、描いた鷹の絵が豪商仁尾順蔵の目に止まり、南画の手ほどきを受ける。その後、仁尾のつてにより狩野派の絵を学ぶため池添楊斎に師事、さらに江戸の駿河台狩野の画塾で前村洞和から絵を学ぶ。そこで林洞意美高の名を授かり、地元に戻り国元絵師となる。
物語は金蔵が町奉行所の役人に捕まるところから始まる。金蔵のことを知らずに読み始めているので、いきなりどうなっていくのかとハラハラする。冤罪で事なきを得たのだが、この一件が心情的にも身分的にも後の金蔵に大きく関わっていることがわかる。全体的に淡々と描かれていくのだが、冒頭でも少し述べたように絵を描く場面や世の中の変化を描く場面はなかなかに心奪われる。後年の芝居絵屏風は浄瑠璃の語りと共に、線も色も生き生きとしてるいるかのような描写がされておりワクワクする。正直、こちらも知らない語り物ばかりなのに楽しめたので、造詣が深い方はきっと明確にイメージが浮かびさらに楽しめるのだろう。
読み終えて少しだけ調べてみると、高知県にある絵金蔵という博物館で絵金の文化が継承されているのですね。こちらも知りませんでした。しかも、夏祭り期間にはイベントもあったようで。高知を訪れる機会はなかなかないかもしれませんが、今年の春は県外展覧会も催されていたようなので、見れる機会は逃さないようにしようと思う。続きを読む投稿日:2023.07.29
絵師広瀬金蔵、絵金の生涯。身分制度の厳しい土佐で町民として生まれたが、絵師としての才能を見事に開花させる。才能を妬まれもしたが、彼を助ける人々にも恵まれて自由自在に絵を描けたことが後世のわたし達を楽し…ませてくれる。
こういった人物の歴史物は読み物として面白いのはもちろんだが、知らなかった絵の世界を見せてくれるのでとても楽しい。続きを読む投稿日:2023.09.24
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