地銀と中小企業の運命
橋本卓典(著)
/文春新書
作品情報
コロナ後に真の淘汰が起こる!
ベストセラー『捨てられる銀行』著者の最新作
コロナ支援が終わり、真の淘汰が始まる
常識外れのオモロイ地銀が救世主になる!
コロナ支援が終わり、今後、中小企業と地銀の倒産が激増する恐れがある。しかし、「危機」は「チャンス」だ。地域経済と金融行政に精通する著者が、成功例をもとに明確な処方箋を提示。地銀と中小企業の未来はここにある! 関係者必読の「金融庁『業種別支援の着眼点』徹底解説」も「特別附録」として収録。
(内容)
1 「ゼロゼロ融資」40兆円という時限爆弾
2 「金融検査マニュアル」が銀行をダメにした
3 「捨てられる銀行」と「生き残る銀行」を分かつもの
4 「経営改善計画」をどう作成・実行するか
5 「自分事」の企業支援
6 10年後に評価される仕事
7 「ファミリー企業」をどう支援するか
8 「企業支援」のプロたち
9 「リレーションシップ・バンキング」の実践
10 「銀行の常識」を捨てた銀行
11 ビジネスはコミュニケーションから生まれる
特別附録 金融庁「業種別支援の着眼点」徹底解説
●橋本卓典(はしもと・たくのり)
1975年東京都生まれ。共同通信社編集委員。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。2006年共同通信社入社。経済部記者として流通、証券、大手銀行、金融庁を担当。2020年4月から編集委員。金融行政と地域経済・地域金融の取材を精力的に続けている。2016年5月に『捨てられる銀行』(講談社現代新書)を刊行し、ベストセラーとなる。
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商品情報
- シリーズ
- 地銀と中小企業の運命
- 著者
- 橋本卓典
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春新書
- 書籍発売日
- 2023.03.17
- Reader Store発売日
- 2023.03.17
- ファイルサイズ
- 0.8MB
- ページ数
- 256ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (14件のレビュー)
-
地方銀行と中小企業の運命
A;購読動機
地方銀行の現状と今後の動き方に対する情報収集のため。
B;書籍の良いところ
・コロナ融資が具体的にどのようなものか? それがどの程度の社数、規模によるものか…?
・地方銀行(信用金庫含)が、どのように組織内部を効率化し、外/貸付先に対する助言時間を捻出しているか?
このあたりについて、事例を引用しながら定量的に説明してくれていること。
また、理解が難しい専門用語も少ないため、読みやすいこと。
C;改めて理解できたこと
地方に大企業はないに等しい。ゆえに、地方銀行の顧客・貸付先は中小企業であること。
地方銀行の収益は、貸付先の業容拡大→資金需要の増加→貸付残高の増加というサイクルをつくることで成り立つということ。
地方銀行側でこの体制を作ることができるか?がポイントとなること。
D;地方銀行の時価総額を調べてみたら・・・。
都市銀行、ゆうちょ銀行の時価総額についで、時価総額が高い地方銀行は以下のとおり。
・千葉銀行
・横浜銀行
・静岡銀行
・福岡フィナンシャル
一方で、地方銀行で時価総額が1000億円を超えている会社は少ない。
E;書籍から興味深い事例・内容
① マーズ・グロース・キャピタル
三菱UFJ銀行とイスラエルのフィンテック企業50%ずつの合弁会社。
スタートアップ向けの投資専門会社。
面白いのは、融資の判断が過去実績(BS,PL)ベースではないこと。
・直近の残高試算表
・営業動向(受注、失注)
・経営者の失敗実績
② 北國フィナンシャル
物いう株主との助言契約を締結し、中期経営計画を発表。
・余剰資産(政策保有株含む)売却、資産効率化
・ROE目標設定。(3年、5年、10年)
・ROE連動業績報酬制度。
・銀行業務以外の収益貢献割合50%を目指す。
③実験店舗の開設
ある銀行の事例で業績目標を課さない支店を開設。目的は、貸付先の相談を聴くこと、助言すること。
結果として、他視点と遜色ない業績をアウトプット。
④ 減り続ける行員。貸付先にどう対応する?
ずばり、貸付先の選別が必要であること。銀行として、力を入れる貸付先とそれ以外の区別。選別することで、時間が生まれ、対応することができるから。
⑤上場企業HR大手広告に頼らない人材需要・供給ネットワーク
媒体に依存しない、銀行自らが把握している貸付先の人的課題のデータベース化。また、それが支援できる地域圏内企業のデータベース化。
これらがビジネスマッチングにつながっていく。続きを読む投稿日:2023.08.13
このレビューはネタバレを含みます
都内の銀行窓口はどんどん閉鎖されている。零細企業を経営する身なので、システム(商品)開発や原材料を仕入れる業務などで銀行との付き合いが大事になってくるのを心得ている。資金調達の交渉カードを集めたい気持…ちもあって、現在の地銀の内情を知ろうと手に取った。
レビューの続きを読む
印象的だったのは、地元企業の経営支援に乗り出した銀行マンが「クライアントと共に競争力をつけて利益率向上を図るキーエンス」を参考にしていることや、中小企業診断士の財務会計の知識で経営分析をしていることだった。
また、7章のファミリー企業の内情も興味深かった。支援先の分析事例の「特別付録」も良かった。 飲食店の収益分析は特に勉強になった。 こういう目線でお店に入ると食事に集中できなそうだけども。続きを読む投稿日:2023.11.26
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