この作品のレビュー
平均 3.9 (487件のレビュー)
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騎士団長殺しから6年ぶりの新作をようやく読み終えることができた。実は村上春樹作品はほぼすべて読んでおり、今作もしっかりと、らしさを感じられる作品を堪能することができた。
村上春樹作品の面白いところとい…えば、現実なのか仮想の世界なのか、その境界線が曖昧になりながら、先の読めない展開を進んでいくところにあると思う。読んでいても、作者がプロットを用意せず、最良の方向で物語の展開を決めていき(作中、身代わりのようにベッドに置かれた二本の長い葱もそうに違いない)、最終的に思いがしっかりと込められた作品にまとめていく姿が想像でき、読み手としてもそれはもう引き込まれるように読み(読まされ)、確かなものが心に残る。
御年75歳になり、このあとどれくらいの作品を生み出してくれるのか分からないが、これからも現実(だろう)世界で「村上春樹読み」を続けていきたいと思う。続きを読む投稿日:2024.03.02
このレビューはネタバレを含みます
職場の人の知人からのまた貸しで読んだ
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(持ち主は私が読んだ後、某団体に寄付するらしいので返却の遅さは問われなかったし、当然また貸しは了承済み)
なので、発売日からそう時間立たずに入手していた。
けど、…図書館の返却迫る本があったので後回しにしていた。
本の分厚さからなかなか1ページ目をめくるのも躊躇していた。
ただ、読み始めるとイッキでした。
さすがに、655頁を1日では読めなくて、1日インターバルがあってその翌日に読み切ったのですが(最後はご飯たべるのも後回しにして読んだ)
そのインターバルの1日もほわほわ~っと頭が本の世界に半分(盛すぎ?1/4ぐらい?)いた状態でした。
正直、ムズイ。
はっきりくっきりした話ではない。結局なんだったの?ってことが多々ある。
正直
「結局、街ってなんだったの?」
って想像力がない、ハルキストでもない私は思った。
きっと「そこはそうじゃない」っていう答えなのかなんなのか分からないツッコミがきそうだけど。
3部構成で、
1部が一番読みにくかった。たぶん、村上春樹の文体に体を慣らすのに時間がかかったから?でもここが一番大事だと思う。
ぼく17歳。きみ16歳。恋をした。月に数回会うだけ。キスをした。でもそれ以上はしていない。
「わたしの実体はーー本物のわたしはーーずっと遠くの街で、まったく別の生活を送っている。街は高い周囲をかこまれていて、名前をもたない。壁には門がひとつしかなく、頑丈な門衛に護られている。」(P94)
だからそれ以上はできない。っていう、きみ。
それを納得するぼく。(えらいな~~)
で、その「壁の中の街」について二人は話をする。
ある日、きみはいなくなる。
きみを忘れられずにぼくは大人になる(とはいえ、何人かの女性と付き合ってる)
45歳のとき、その壁の街の外に突然私はいた。壁の中の図書館に彼女はいるはず。
目を傷づけ、影と自分を離して、壁の中にはいり「夢読み」という仕事をする。
毎夕図書館に行き、彼女に会って、古い夢を読む。
その壁に入ったら二度と外には出れない。引き離された影はそのうち死んでしまう。
だが、私は自分の衰弱した影をみて、影だけを現実にもどす。
2部
影だけを戻したはずなのに、現実に普通に戻ってきてしまった私は、
現実で勤めていた仕事を辞め、田舎の図書館に館長として勤めることになる。(少なからず壁の中の生活が影響している)
そこは町営といいつつ、ほとんど資産家の私財で作った図書館で町は管理してないし、理事会も形だけ。建物もその資産家の元屋敷をリノベしていて心地いい。
前館長は子易。引継ぎをうける。
彼は70過ぎの男性。ベレー帽をかぶり、巻きスカートをはいている。(誰もそれにツッコまないのであえてきかずにいる)
すでに退職しているという彼は毎日は来ないが、ちょくちょくやってきて館長室で話をして過不足なく教えてくれる。
他に、添田さんという司書の女性(旦那は小学校の先生)。あとパートの女性が数人。
図書館は常に数人が利用している。平日昼間は、主に引退した老人だが、一人毎日くる少年がいた。イエローサブマリンのパーカーをきている。
彼はどうやらサヴァンらしい。高校に進学できなかったが、読んだものを全て頭の中に記憶できる。そして図書館の本かたっぱしから読破している。ジャンル問わず。
なんやかんやで(笑)
子易さんは実は幽霊。姿と声が認識できているのは私と添田さんだけってことが分かる。
だんだん現世に姿を出すことが難しくなってきた、子易さんの墓前で1週間の報告をしていて、ついでに?「壁の中の街」の話をしていたら、どうやらそれを、イエローサブマリンの少年にきかれてしまっていた。
「僕もその壁のある街にいって夢読みの仕事をしたい」と言われたが、
あれは自分と彼女の妄想の街であって、現実にはないと言う。
が・・・
あらすじを
3/4ぐらい語ってしまったがww
とりあえず、ほんとうにいろんなことが「謎」でおわってしまうんだけど、
ま、それはそれでいいのかもしらん。
って思わせるのが村上作品の面白いところかもしれない。
結局、あの街はなんだったの?
きみの「本体」は街の中の図書館にいたあの子なの?
それとも、
多感の少年少女によくある厨二病的な「ここにいるのは本当の自分じゃない。もっと違うところに本当の自分がいる」的なところで妄想した「高い壁に囲まれた肝臓の形をした街」で、
それに同調したぼくも一緒に厨二病的妄想をして、そこに「本物の彼女がいるんだ」って思って(もしかしたら本物の彼女だったらヤラせてくれるかもしれない?って思った?そんな下心はないか?)
そのうち、女の子は普通に引っ越しだか転校だか夜逃げだか分からないけどいなくなって、
その高校時代の純愛が忘れられない45歳のオジサンが妄想したモノだったのか?
(お仕事忙しすぎた?)
そうなると、イエローサブマリンの少年の顛末(現実の方)が、ちょっと謎すぎるけど、それはそれでミステリー作家さんにお任せしちゃう?
卵型の古い夢を読んで、何になったの?それを読むことが、街の維持になったの?
あの街に、単角獣と、高く飛ぶ鳥しかいなかったのは、
きみが語ったのが、その2つの生き物だけだったから、他の生き物がいなかったのでは?
宿舎と図書館と門衛の場所ぐらいしか表現されなかったのは(どうやら地図的なものを描いてはいたけど描写はなかった)、それも2人が語り合った「街」の「妄想」がそこだけ完結していたから?
1部であんなに硬くて傷づけることもできない壁を、
3部でゼリーのように通り抜けられたのは?
いやぁ・・・
まじでいろんな謎が謎のままおわりましたなww
あと、
コーヒーショップの女は、いらん!くっつけないでほしいと思った。
別に、「きみ」をずっと想い続けてほしいとは思わないけど、
コーヒーショップの女はとってつけたように出会って、なんやかんや・・・だったなぁ・・と。
それはそれで「きみ」との対比なのか、「きみ」と出来なかったことが、彼女とも出来ないってところが必要だったのか?
う~む・・・続きを読む投稿日:2024.04.22
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