江戸の給与明細
安藤優一郎(監修)
/エムディエヌコーポレーション
作品情報
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【武士と庶民のお金大百科】
いつの世も他人の収入や給料は気になるものだが、江戸時代に生きた人々の収入・給料はどれほどのものだったのか。
上は将軍から下は名もない町人・農民まで、その格差は非常に大きかった。
身分や職業でもまったくちがっていたが、それまでの時代とは異なり、江戸時代に入ると、収入・給料を推定できる文献が数多く残されている。
場合によっては、その明細までわかる場合さえある。
本書は、そんな江戸の給与明細について五つの切り口から迫るものである。
江戸の人々の懐事情をよりよく知ってもらうために、米や土地などの値段を手がかりに、先人たちの給料を現代のお金に換算した。
金1両を12万円と設定したが、江戸時代の物価と現在の物価と比較する場合、何をもって指標とするかでまったくちがう数字が出てしまう問題がある。
さらには、当時は金貨・銀貨・銭貨という三つの貨幣が同時に流通していた複雑な社会であり、正確には推定できない。あくまでも大まかな目安である。
現在の円に換算された金額を知ることで、時代劇を見たり、時代小説を読んだりする際、江戸のお金事情が身近に感じられるだろう。
〈本書の内容〉
■第一章 江戸時代人のお金事情
■第二章 有名人の給与明細
■第三章 武家の財テク
■第四章 才能ある商人
■第五章 庶民の商才
〈監修者プロフィール〉
安藤 優一郎(あんどう・ゆういちろう)
歴史家、文学博士。1965年、千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒業、同大学院文学研究科博士後期課程満期退学。JR東日本「大人の休日倶楽部」など生涯学習講座の講師を務める。おもな著書に小社刊行『幕末の志士 渋沢栄一』をはじめ、『賊軍の将・家康』『お殿様の定年後』(以上、日本経済新聞出版)、『越前福井藩主 松平春嶽』(平凡社新書)、『大名格差』『徳川幕府の資金繰り』(以上、彩図社)、『大江戸の娯楽裏事情』『江戸の旅行の裏事情』(以上、朝日新書)などがある。
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この作品のレビュー
平均 3.5 (2件のレビュー)
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物価高でお金がドンドン羽ばたいていく。
江戸時代の人の懐事情はどうだったのか。
将軍、加賀百万石、旗本・御家人、大奥、豪商、庶民の生活がどうだったのか載っている。
派手な生活を…送っていると目をつけられる。今なら国税局、裏社会の怖い人たちだが、江戸時代は幕府。
豪商として有名な淀屋。淀屋は、材木店から始まった。その後、米の売買にも乗り出し、幕府の許可を得て各大名の米の売買を行うようになった。
諸藩の米屋敷が大坂の中之島にあり、淀川の中洲にある中之島は、船が荷物の荷下ろしをするのにいい場所で、2代目の淀屋言當(げんどう)は中之島と自分の屋敷を行き来するための橋を自腹で架けた。これが淀屋橋。
両替商も始めて、儲かっていたが、1705(宝永2)年、突然、幕府から全財産没収と所払いを言い渡された。
贅沢をしていたのが理由だが、一説によると年間に浪費した額は今の金額にすると、100億円以上。
お金を持っているからといって、見せびらかすと良くない事例だな。
一般の世界とはかなり浮いている歌舞伎の世界。
8代目の市川團十郎(だんじゅうろう)は、絶大な人気だった。
その人気ぶりを物語るエピソードがある。
水桶の中に入るシーンで使われた水は、白粉(おしろい)を溶かす時に使うと美顔になれると評判になった。
徳利1本で、1分(3万円)の値段がついたのに、飛ぶように売れたそうだ。
いつの時代も物好きな方がいるなあ。
お金にまつわる話は興味深いなあ。続きを読む投稿日:2023.05.25
1両12万円の計算で将軍、商人はおろか中村主水など創作系の金について書いてある。千両役者で1億2000万円!市川團十郎(八代目はなる前に自殺したので厳密には違うけど)辺りは現在の芸能人とかと同じレベル…であったことが窺える。続きを読む
投稿日:2023.07.07
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