ヒトは〈家畜化〉して進化した
ブライアン・ヘア(著)
,ヴァネッサ・ウッズ(著)
,藤原多伽夫(著)
/白揚社
作品情報
他の人類はすべて絶滅したのに、なぜヒトは生きのびて繁栄することができたのか?なぜヒトは他者と協力し、友好的に振る舞うことができるのか?仲間を助ける優しいヒトが、なぜ残虐な戦争を引き起こすのか?すべての謎を解くカギは「自己家畜化」にある。イヌやボノボ、チンパンジーからヒトに至るまで、数々の研究をおこなってきた気鋭の進化人類学者が、自己家畜化仮説を軸に、ヒトの進化と本性の深奥に斬り込む刺激的な論考。 ◆著名科学者による賞賛の辞◆圧倒的な説得力で、ヒトの心の進化を解明している。――リチャード・ランガム(ハーバード大学生物人類学教授)ほとんどの著者が試みすらしなかったことを、本書はやってのけた。誰もがこの本を読むべきだ。――マイケル・トマセロ(デューク大学心理学・神経学教授)人間はなぜ見知らぬ他人を助けようとする一方で、忌まわしいほど残虐になるのか。驚くべき物語を通して、人間がそのように進化した理由と方法を教えてくれる。――ダニエル・E・リーバーマン(ハーバード大学人類進化生物学教授)
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商品情報
- シリーズ
- ヒトは〈家畜化〉して進化した
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 生物・バイオテクノロジー
- 出版社
- 白揚社
- 書籍発売日
- 2022.06.30
- Reader Store発売日
- 2023.01.05
- ファイルサイズ
- 11.7MB
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この作品のレビュー
平均 4.6 (6件のレビュー)
-
人間が社会生活をスムーズに行うためには他人との関わり合いが重要であり、人間は自らを家畜化して適応してきた。それは自己の存続に有利だからだ。セルフコントロール。
人間の白目は視線の方向を分かりやすくし、…アイコンタクトにつながる。
人間か家畜化したとしてもそれは自分が属するグループ内で有利に生きれるからであり、他のグループには攻撃する傾向がある、戦争、差別、排他。
読了120分続きを読む投稿日:2022.11.20
このレビューはネタバレを含みます
進化の本かなと思って読んだけど、徐々に差別や分断の話へと変わっていった。
レビューの続きを読む
最後の謝辞に『(二〇一六年の)大統領選の後、第一稿の半分を没にした』とある。政治に疎い私でも前後の文から、トランプ大統領が当選…したときの話だと分かった。
人間は『ずっと子供のまま』というのは、何かのテレビで見た気がする。これは『幼いまま』という意味ではなくて『好奇心が強い生き物』という事。
人間は大人になっても好奇心が強い。とはいえ、子供のころよりその好奇心は縮小されているのはひしひし感じる。それでも年を取って好奇心ゼロになる人は少ない気がする。
p190にはアメリカの刑務所制度の問題点が書いてある。実は『ポリコレの正体』の三章のBLM運動の話の中に「BLMは刑務所制度を解体したがっている」という話が出てくる。これも、調べた方がいいかもと思いながら放置していたのだが、答えがこの本にあったと思った。
アメリカの刑務所制度は黒人にとって不利なのである。黒人の犯罪率が高いのは貧困や病気、失業などの環境要因が大きいのだが、それを無視して刑務所に放り込む制度となっている……という事だと思う。詳しくは本を読んでほしい。
疑問が繋がるの良い。このページすごく気持ちよかった。
ラストは、都会に暮らす人口が農村部に暮らす人よりも上回ったとある。農村部よりも都会暮らしの方が社会的地位が上がり、良い教育が受けられるので都会の方がいいとなっているが……そうなると、農村部にある『動物たちと人間社会の境界線』はどうなるのだろうかと思ってしまった。いや。これは日本だけなのかな。海外は土地が広いから棲み分けがしっかりされているのだろうか。
都市計画次第では、他者と接触しない作りになることもあるので、そのような都市よりは誰もが気楽に接触できるよう設計されている都市がいいとなっている。
都市ならばどこでもいいわけでもなさそうだ。
いろんな点に気付かせてくれた本でした。続きを読む投稿日:2024.03.08
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