死は存在しない~最先端量子科学が示す新たな仮説~
田坂広志(著)
/光文社新書
作品情報
死後、我々はどうなるのか。「肉親」と再会できるのか。「前世の記憶」「輪廻転生」は、全くの迷信なのか。なぜ、「死者との交信」が起こるのか。「幽霊」や「地縛霊」という現象の正体は何か。我々の「未来」と「運命」は、すでに決まっているのか。なぜ、無数の人々が「神」や「仏」を信じてきたのか。なぜ、「最先端の科学の知見」と「最古の宗教の直観」が一致するのか――。この本を読み終えたとき、あなたの人生が変わる。
もっとみる
商品情報
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.7 (86件のレビュー)
-
ゼロ・ポイント・フィールドの謎を解く
著者は東京大学卒業後に同大学院を修了し、工学博士(原子力工学)号を取得。その後、実業界・学界において大活躍している人物である。
そんな唯物主義の塊のような著者が、なんと死後の世界観を科学的に分析…し、SF映画や小説なども交えて分かり易く解説してくれるのが本書なのだ。従ってサブタイトルは、ちょいと気取って「最先端量子科学が示す新たな仮説」となっているのであろうか。
書店の店頭で本書を見かけたとき、もうそのタイトル・サブタイトルだけで、どうしても本書を読みたくなってしまったのだ。さらに細かく分離した小見出しや、ゆったりとした文章間スペースなど巧みな編集の妙も加わって、実に読み易い環境を創りあげているではないか。従って350頁以上の新書本であるにも拘わらず、遅読の私でも、僅か3日間であっという間に読破してしまったのである。
ただし本書の中身は、タイトルから想像していたような「死後の世界」の在り様などを解説したものではなく、どちらかと言えば宇宙論と死をドッキングさせたような仮説を展開しているのだ。その中でも著者が執拗に語る『ゼロ・ポイント・フィールド』とは、直訳すると零点エネルギーということであり、量子力学における最も低いエネルギーで、基底状態のエネルギーと言いかえることもできる。つまり宇宙が誕生する前から存在する量子空間の中に存在している『場』のことであり、「何もないところに全てがある」という禅問答のような場所らしい。
そしてこのゼロ・ポイント・フィールドには、宇宙が誕生してから、現在、さらには未来の情報までもが波動として記憶され、時間と空間を遥かに超越した情報の保持が可能になるというのである。ちなみに宗教の世界でも、不思議なことにこのゼロ・ポイント・フィールドと酷似している思想が語られている。
仏教の「唯識思想」における「阿頼耶識」と呼ばれる意識の次元では、この世界の過去の出来事全てや未来の原因となる種子が眠っているという。また古代インド哲学の思想においても、「アーカーシャ」と呼ばれる場のなかに宇宙誕生以来の全ての存在について、あらゆる情報が記録されているというのだ。
さらに著者は、ゼロ・ポイント・フィールドに蓄積される全ての情報は、「波動情報」として記録されていると付け加えている。つまり量子物理学的に見るなら、世界いや宇宙の全ては「波動」であり、情報は「波動干渉」を利用した「ホログラム原理」で記録されているというのだ。別の言葉で説明すれば、波動の干渉を使って波動情報を記録するということになるのだろうか。
この解説を読みながら、私の脳裏をかすめたのが、最近話題になっているチャットGPTである。チャットGPTとはインターネット上にある全ての情報を収集し、AIがそれを学習して様々な仕事をこなしてゆくシステムである。ところでこのインターネット上の全ての情報という部分が、なんとなくゼロ・ポイント・フィールドと似ていないだろうか。チャットGPTが有形のデジタル仕様なのに対して、ゼロ・ポイント・フィールドは無形で無限大のアナログ仕様という感覚がある。
さてゼロ・ポイント・フィールドの話にばかり終始し過ぎたが、それではタイトルである『死は存在しない』とはどういうことなのだろうか。現実社会での死とは、肉体が滅びることであり、心臓の停止やら脳死によって判断される。また意識とか想念については、脳とともに消滅していると考えられているようだ。ところがもし意識や想念の存在が、脳とは別物だと考えると「死の定義」そのものが覆ることになる。
本書では死によって私という『自我意識』が、ゼロ・ポイント・フィールドに移動し一体化すると、徐々に消滅してゆきエゴから解放された『超自我意識』に変貌してゆく。その後国境を越えた『人類意識』へ拡大し、やがては地球自体も巨大な生命体と考え、地球上の全ての意識である『地球意識』へと変貌してゆくのだ。そしてさらに究極の意識である『宇宙意識』へと昇華してゆくというのである。
つまりは宗教的に表現すると、「神の領域」に到達するということなのだろうか。またゼロ・ポイント・フィールドとの一体化ということは、ある意味で唯我論にも通じる思考ではないだろうか。だからこそ「死は存在しない」と言い切れるのかもしれない。まだ100%理解できないのだが、なんとなく生と死の意味が、朧げに見え始めてきた気がする。「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」続きを読む投稿日:2023.12.06
-
久しぶりに酷いと思った。
ゼロポイントフィールド、100回くらい言ってます。
単語出てくるたびにジワジワくる。
文字稼ぎの原稿料稼ぎ感があり、半分くらいのページ数に集約できそう。
でも発想としては面白…いな。死後の世界。
herめっちゃ好きなんだろう。僕もあの映画は好き。続きを読む投稿日:2024.05.02
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。