江戸鎌倉河岸にある酒問屋・豊島屋。看板娘しほの唯一の肉親である父が、橘の鉢をめぐって御家人と諍いをおこし、御家人に斬り殺される事件が起きる。その御家人は、狂乱高騰する橘景気を背景に新しい店を開くというが、呼び物のひとつが、しほの父の血を浴びた「血染めの橘」。父の死を商売のたねにして弄ぶ御家人は許せない――しほと、幼馴染である政次、亮吉、彦四郎の三人が立ち上がります。また、しほの両親をめぐって、あらたな事件が姿をあらわし・・・・・・。江戸開闢以来の町・鎌倉河岸を舞台に、若者四人と、よき理解者である・・・
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正月の藪入り前の江戸。亮吉が発案した宝引きで大いに盛り上がっていた金座裏に、町火消の幹部と魚問屋の若い衆がやってきた。
町火消い組と魚河岸連中での宴会の最中、場を盛り上げようと飛び入りで宝引きの景品に名乗りを上げた人気芸者の小夏が、隣の座敷で何者かに殺されていたという。
ふすま一枚隔てた座敷にいたわずかの間に、何があったのか。手がかりは小夏が必死に噛み切ったと思われる手拭いの切れ端のみ。
宗五郎、政次と金座裏の面々は探索に乗り出すと、浮かび上がってきたのは意外な人物で・・・・・・。 -
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金座裏の親分・宗五郎らと鎌倉河岸の隠居一行が湯治旅から戻り、鎌倉河岸が賑わいを取り戻した夜、政次たちは神田橋御門から出てきた二艘の不浄船を目にする。
ある朝道場で汗を流す政次は、旗本加納傳兵衛という男から立ち合いを望まれる。殺気をまとったその男は、御鈴廊下目付――江戸城の中奥と大奥を仕切る中奥側にあって、御用を務める者――であるという。
なぜ加納は政次に探りをいれてきたのか。そんななか、大奥に奉公へ出ていた名主の孫娘・お初が骸になって戻ってくる。無念の死を遂げたお初の謎を追って、金座裏は禁断の探索に乗り出していく! -
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湯治旅に出かけた金座裏の宗五郎たちは、箱根から熱海へ。湯治を楽しむ間もなく、宗五郎は百五十両を奪われてしまった湯戸組合から相談をもちかけられ、調べにあたることに。
一方、留守をあずかる金座裏の政次のところには、蝋燭問屋の隠居が家に戻っていないと相談が。探索を進めると隠居が謎の女に金を強請られていたことが判明するも、家族や店のものは非協力的で、調べは難航。政次と亮吉たちは足をつかって解決へと辿りつこうとするが・・・・・・。
金座裏と鎌倉河岸に、あたらしい時代がくることを予感させる十八巻。 -
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箱根へ湯治旅に出かけた宗五郎としほたちは、途中の小田原で、上方の凶悪な賊が東海道を下ってきていると聞く。しほは偶然にもその頭目を目撃し、画帳に描きとめていた。塗笠に五つ紋の黒羽織の巨漢の侍。上方から手配書がまわっている賊の頭に違いない。
賊が江戸へ向かっていると、宗五郎からの文が届いた金座裏。若親分・政次は「金座裏がこの一味をお縄にする」と皆に厳命するが、賊はずる賢く周到で・・・・・・。
箱根と江戸をまたぐ大捕物、行方はいかに! -
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金座裏の親分・宗五郎のもとに、吉原に男衆として居残っている大店の若旦那を連れ戻してほしいと相談事が持ち込まれた。魂胆をさぐるため、宗五郎は亮吉を吉原の男衆として送り込むが・・・・・・。
そして八丁堀の組屋敷の真ん中から火の手があがる。火元は与力同心の家で、主が乱心に及んだという。宗五郎と政次は探索方を命じられ、その真相を追う! -
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船宿綱定の船頭・彦四郎は、贔屓客を富岡八幡宮へ送った帰り、薄暮のなか刻限を失して困っている女に乗船を請われる。本来貸し切りの屋根船に他の客を乗せてはいけないが、難儀している女を放っておくわけにもいかず、船賃をもらわない条件で送り届けることに。その武家の妾と思しき匂い立つような女は、幼い時分に面倒をみていた秋乃だった。一家で突然姿をくらましてから、十数年ぶりに再会した秋乃に何があったのか。
すべて投げ出し、秋乃に溺れてゆく彦四郎を案じた政次と亮吉は二人を追う! -
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祝言の挨拶まわりに出かけた金座裏の若夫婦・政次としほは、掏摸(すり)の一味を捕まえた。その裏には掏摸団を何組も鵜飼いのように操っている頭目がいるらしい。
一方、長年金流しの看板を背負ってきた宗五郎の脳裏には「隠居」の文字がよぎり・・・・・・。
金座裏の九代目と十代目、力をあわせて江戸の騒ぎを収めてゆく! -
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金座裏の若親分・政次としほの祝言が近づいたある日、政次は養父宗五郎から府中の六所明神社への代参を命じられた。所帯をもてば気楽な旅もできなくなるだろうという心配りで、しほ、亮吉、彦四郎の三人も同行だ。しかしその旅の最中に思わぬ事件に巻き込まれてしまう。
江戸に帰った政次を待ち受けていたのは、とある藩の内密御用。政次はひとりで御用にあたるが、解決の糸口がつかめず、ついに祝言前日の夜になってしまい・・・・・・。 -
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金座裏の若親分・政次としほの祝言が近づく寛政十二年の年の瀬。
久しぶりの剣術稽古に精を出していた政次は、永塚小夜の姿が見えないと耳にする。小夜を訪ねて話を聞いてみると、息子の小太郎がかどわかされそうになったという。しかも、小太郎の父親の影がちらついて――。 -
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隠居連中で深川まで足を伸ばした豊島屋の清蔵は、富岡八幡宮の船着き場で、参詣にきた年寄りの巾着を奪い取る子どもたち7、8人を目撃する。浅草でも同じような事件が起こっているらしい。
さらに増上寺の門前で、金貸しの小兵衛が刺し殺され、手にしていた印形と証文が入った信玄袋を奪い去られてしまった。これらの事件は同じ子どもたちによるものなのか? 金座裏の宗五郎と、若親分の政次たちは探索に乗り出すが、謎は深まるばかりで・・・・・・。 -
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金座裏の若親分・政次は、ある日奉行所の内与力に呼び出され、水戸藩の目付が、水戸藩家老と政次とのかかわりを問い質して行ったと聞かされる。それは十一年前の夏、政次、彦四郎、亮吉の三人が遭遇した出来事に関係することだった。
そんな折、江戸でも名代の造園竹木問屋の番頭が殺される。宗五郎と政次たちが調べを進めると、疑いがかかった者たちが次々と殺されてしまう。探索は難航、重い空気が漂う金座裏。そして十一年前の出来事がもう一度動き出し・・・・・・。 -
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赤坂田町の直心影流神谷道場で朝稽古が終わりかけたころ、ひとりの訪問者があらわれた。金座裏の若親分・政次が応対に出てみると、そこには背に乳飲み子を背負った、男装の女武芸者の姿が・・・・・・。道場破りを申し入れてきた女武芸者と勝負をすることになった政次。辛勝したものの、なんともすっきりとしない気分が残る。やがて江戸で奇妙な道場破りが続くようになって・・・・・・。
政次、亮吉、彦四郎、しほが生き生きと活躍する“青春捕物グラフィティ”第9巻。 -
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