思想の死相―知の巨人は死をどう見つめていたのか
仲正昌樹(著)
/ディスカヴァーebook選書
作品情報
「生き生き」とした言葉があふれかえる現代日本。人びとはなぜ、紋切り型の言葉を求めるのか。マスメディアや知識人はなぜ、「生きた言葉」を発するのか。そして、その歴史はどう語り継がれてきたのか。「生き生き」とした言葉の裏側を覗いてみると、そこには死に絶えつつある思想の死相があらわれているのではないか。
本書は、「生き生き」とした言説を徹底批判した『デリダの遺言』の続編である。アドルノ、ベンヤミン、アーレント、デリダ、ハイデガー、フーコー、マルクス、ニーチェ、ラカン、スローターダイク。10人の知の巨人が登場する。
彼らは、「生き生き」とした言葉に対して、どのような警鐘を鳴らしてきたのか。「生き生き」とした思想の中から、どのように思想の死相を読み取り、語ってきたのか。思想が死相にひんする現代日本の状況に、彼らの「死の思想」は何を語りかけるのか。日本の思想は、死相から甦ることができるのか。
現代思想研究の最先端を走る仲正昌樹が、10人の知の巨人の思想をコンパクトに解説しつつ、彼らのテクストにひそむ「死の思想」を探る。
(※本書は2007/8/1に発売された書籍を電子化したものです)
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商品情報
- 著者
- 仲正昌樹
- 出版社
- ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 掲載誌・レーベル
- ディスカヴァーebook選書
- 書籍発売日
- 2007.08.01
- Reader Store発売日
- 2022.07.13
- ファイルサイズ
- 3.2MB
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この作品のレビュー
平均 4.0 (4件のレビュー)
-
本の帯に「18歳から読める現代思想の入門書!」とあり、確かに現代思想の代表人物を取り扱っている内容だが、あくまで仲正の読みによるものであり、教科書的に概論をしているものではなく、自分の主張のためのも…のであることを前提にして読むべきである。平易には書かれているが決して教科書のような位置づけにはならない。
とは言え、別に批判して難癖をつけるためにこの点を断ったのではなく、以上の点を前提にして読むと非常に著者の主張が過度にエキサイティングなものではなく且つ冷徹・慎重に展開されているのがよく分かる。
本書では現代思想の10人の代表人物を取り上げながら、哲学・思想が<死>と不可分に結びついていることを述べつつ、「生き生きとした世界」へ回帰しようという主張がいかに危険であるかを論じている。取り上げられた各思想家は論点は違えど、彼らは「生き生きとした本来あった世界」へ戻るために、その名の下に非人間的な行為や現象が起こっている現実(よくナチスが「ドイツの本性回復のため(=ここが「生き生き」したものへの渇望)」に立ち上がったものいうことで、例示されている)に対して過敏に反応していたことが分かる。そして、哲学・思想が既存の<エクリチュール>(これが、「生身のライブ<Leben(生)>というわけではない」という意味での所謂「死(Tode)」したもの)からしか出発できない厳然たる事実を認めなければならないと警鐘を鳴らす。
普段の日常生活の中にも「生き生き」を語るものが多いが、その危険性を十分に認識されぬままに過ごしていく問題が非常に多い。見事に人間や世界の危険性をクリアに記載された本である。続きを読む投稿日:2010.01.10
73点。完全に積ん読状態だったがようやく読了。
「生き生きとしたもの」を嫌う仲正センセイの文章をベタに受け取って共感すれば、ああ結局これ生き生き系だよな、とかあらためて思ったり。
エクリチュールは完成…したものではないし、「生き生きとしたもの」を書いたってそれは死骸でしかない。そこにリアルさや「生き生きとしたもの」なんてない、どころか「生き生き」と語ることの危険性について、現代思想の代表人物十名を挙げながら論じていく。
アドルノ、ベンヤミン、アーレント、デリダ、フーコー、ニーチェ、ハイデガー、ラカン、マルクス、スローターダイク。この辺にピンときたら、オススメでしょうか。続きを読む投稿日:2012.09.01
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