いつでも母と 自宅でママを看取るまで
山口恵以子(著)
/小学館文庫
作品情報
最愛の母を自宅で看取った、泣き笑い回想録。
直木賞作家・桜木紫乃さんが大絶賛!
<一緒にお母様を看取らせてもらったような錯覚は、わたしがこれから行く道を照らしてくれるだろう。本書は、親をなくすという大切な儀式のテキストだ。>(文庫解説より)
元「食堂のおばちゃん」山口恵以子さんが松本清張賞を受賞して実質的な作家デビューを果たしたのは55歳の時。お見合いは43連敗、ずっと実家住まいの山口さんをいつも傍らで見守り、励ましたのが母・絢子さんでした。
そんな最愛の母が認知症になってから、自宅での介護、看取り、そして葬儀のことまでを温かな筆致で克明に綴った『いつでも母と』は、単行本発売時に大反響を呼びました。
文庫化にあたり、絢子さんの主治医でしろひげ在宅診療所院長の山中光茂先生との対談や山口さんの書き下ろしエッセイ、桜木紫乃さんの解説を新たに加えています。
山口さんは「はじめに」でこう綴っています。
<介護を体験した方や、現在介護中の方、大切な人との別れを経験した方にとって、この作品が少しでもお役に立てれば、あるいは何の役にも立たなかったけど「あまりのアホさ加減に思わず笑ってしまった」なら、大変幸せに思います。>
※この作品は単行本版として配信されていた『いつでも母と』の文庫本版です。
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商品情報
- シリーズ
- いつでも母と 自宅でママを看取るまで
- 著者
- 山口恵以子
- 出版社
- 小学館
- 掲載誌・レーベル
- 小学館文庫
- 書籍発売日
- 2022.04.11
- Reader Store発売日
- 2022.04.06
- ファイルサイズ
- 1.7MB
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この作品のレビュー
平均 4.3 (7件のレビュー)
-
山口恵以子さんの本は前にも読んだことがあったけど、エッセイは初めて読みました
お母さんを家で看取る
山口恵以子さんとお母さんの関係性
愛情たっぷりの親子だったんだなと感じました。
娘が献身的なお世話…をするのは、お母さんが娘に愛情を注いできたから
と言っても介護は大変。私には未知の世界
ピンピンころりが理想です。
解説に「本書は、親をなくすという大切な儀式のテキスト」とかいてあり、なんて的確な表現なんだと感心しました続きを読む投稿日:2024.03.22
『食堂のおばちゃん』『婚活食堂』などのベストセラー著者が、母の認知症発症から、やがて始まった介護の日々と自宅での看取り、そして葬儀やお墓のことまでを、あたたかな筆致で綴った泣き笑い回想録。
(あらすじ…より)
山口恵衣子さんは、私が大好きな作家さんのおひとりで、本書『いつでも母と 自宅でママを看取るまで』が11冊目の読了となりました。
本書は「タイトル」と「あらすじ」から分かるように、気楽に読めてほっこりとさせられる「食と酒」のベストセラー小説シリーズとは全く異なります。
ですが、山口さんが書いたんだなと分かる作品でもありますね。
最愛の母の最期を綴る内容であり、(私も数年前に母親を亡くしていることも重なって)何度も目頭が熱くなる場面・文章が出てきますが、それ以上に、読んでいてとにかく面白いんです。生粋のエンターティナー(解説より)山口恵衣子さんの面目躍如とでも言ったらいいのでしょうか?
少しだけ、本書の内容に触れておきます。
全体を通して、何といっても山口さんと母親・絢子さん母娘の仲の良さが伝わってきます。
(勿論、優劣の問題ではありませんが、父と息子の仲の良さとは、明らかに異なるように感じました。)
先ずは、頬が緩んだ文章を抜粋します。
私の上には兄が二人いて、私は末っ子で、初めての女の子でした。そのせいもあるのでしょうが、子供の頃から母は私に甘く、私も母親べったりで、有り体に言えば超の付くマザコンでした。そして母は私の夢(マンガ家、脚本家、作家)に賛同し、いつも応援してくれました。・・・
大学四年の時、編集者にマンガ作品を見てもらったら「あまりに絵が下手だ。諦めなさい」と言われました。母に報告すると「だから夢なんか追いかけてないで、ちゃんと就職を考えなさい」とは言わず「そいつはバカだ。あんたの才能を分かってない!」と怒りました。これで母が完全に親バカを通り越してバカ親だったことがお分かりでしょう。
でも、こんなおバカは母でいてくれたからこそ、私は六十年もずっと母を愛し、母と歩んでこられたのだと思います。
次に、母親・絢子さんの最期の場面から
夜になり、いつものように床にマットを敷いて並んで寝た。私には今夜が最期かも知れないという予感があった。尿が止まって四日目とか、肛門が開いたとか、客観的は事実もあったが、それ以上に理屈では説明できない雰囲気を感じていた。
明け方に目が覚め、母を見た。息づかいがそれまでと違う。明らかに呼吸が浅い。いよいよ最期なのだと分かった。
私は母の手を握り、額に手を置いてそっと髪を撫でた。そして耳元で「大丈夫だよ。そばにいるからね」と囁いた。
その朝、六時三十五分に、母はこの世を旅立った。悲しみではなく、感謝の気持ちに満たされて、私は母を見送った。
最後に、山口さんの人生観、死生観が垣間見られる文章を抜粋します。
(共感しますね)
今の私は昔ほど死に恐怖感がない。年を取って、大好きだった人と猫がすでにあの世に行ってしまったせいだろう。別世界というより地続きの感覚だ。だから、ある程度納得できる年齢になって亡くなるのは、見送る側に悲しみだけではなく、想い出とか懐かしさとか、プラスの感情も残せるような気がする。
・・・
もし寝たきりになったら、尊厳死という選択肢を残してほしい。老い先短い命なら、終わり方は自分で選びたい。
・・・
目標は「丈夫で長生き。突然死」
でも、お酒は毎日吞みます!(*)
(*)「私の辞書に休肝日という文字はない。毎日、吞んでるか書いてるかよ!」
と、山口さんが仰っている動画を観ました。
(この注釈は本書には書いてありません)
私は生きている間は楽しい人間関係を保ちたいと願っていますが、死ぬ時は一人の方が気楽で良いように思います。余計な気を遣う必要がありませんから。
・・・
今更ですが、人間、死ぬのは本人です。一人で川を渡って行かなくてはならないのです。代行業者は頼めません。続きを読む投稿日:2024.05.23
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