共産主義批判の常識
小泉 信三(著)
/ディスカヴァーebook選書
作品情報
本書は昭和24年、いまだ占領下の激動する社会情勢のただなかに誕生。刊行と同時に、「共産主義とはなにか」の恰好の紹介書として、圧倒的反響をよんだ。それは、真に相手を批判するには、立場の如何問わず、まずその理論の真意を正しく把握せねばならないという著者の態度が、国民の共感をえたからといえよう。再び激動と混迷の状況下にある今日、日本および日本人としていかに生くべきかを考えるとき、本書のもつ意味は大きい。
(※本書は1976/6/1に発売し、2022/3/25に電子化をいたしました)
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商品情報
- シリーズ
- 共産主義批判の常識
- 著者
- 小泉 信三
- 出版社
- ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 掲載誌・レーベル
- ディスカヴァーebook選書
- 書籍発売日
- 1976.06.01
- Reader Store発売日
- 2022.03.25
- ファイルサイズ
- 0.6MB
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この作品のレビュー
平均 3.5 (6件のレビュー)
-
昭和24年の第五版(古本)で読んだ。小泉氏の6本の論文を収めている。「再建と共産主義」では労組による賃金引上闘争が賃金基金の争奪戦であることを説き、最も弱いものにしわ寄せがいくことを指摘する。貧困は分…配の問題ではなく、生産が足らぬためであるとし、「よく働く」ことを提唱し、長い努力が必要だとする。「東欧と西欧」では、マルクスは西欧において過剰生産と過剰労働力によって、資本主義が「耐え難き」状態で自壊すると予言していたが、戦争で「耐え難い」状態になった国で革命が起こったとする。「社会主義批判」ではミーゼスの計画経済の不可能論をもとに社会主義を批判する。つまり、労働力以外がすべて公有ならば、価格がつけられず、交換が難しくなる。これに対して、社会主義の側から公定価格で交換が行われるとの議論がでたが、それでは資本主義の価格調整システムの方が効率的だし、公定価格は官僚への賄賂や闇価格の温床になることを指摘している。「マルクシズム概観」では主に余剰価値の批判する。生産物の価格は投入された労働のみで計られるのではなく、まず生産物そのもの価値があることを述べる。つまり生産物の価格と労働賃金との差は、支払われない賃金、つまり資本家の搾取ではなく、生産物が労働そのものより価値があることを起因するという。また、唯物史観の批判では、人間が歴史を自由につくるのではなく、物質的基礎があること、これは重要な観点だとするが、歴史の発展は必ずしも資本主義の後に社会主義がくるとはかぎらない。唯物弁証法が共産主義の実現によって停止するということも根拠が薄弱であるとし、そこにマルクスが脱却したはずのヘーゲル哲学の影響をみている。「階級と民族」では、革命と民族主義の関係を示し、1848年の二月革命を中心に、マルクスとバクーニンの民族問題に関する態度を歴史的に述べている。マルクスやエンゲルスがスラブ民族を蔑視し、中小企業と同じように、没落すべきだとしていたと指摘し、バクーニンこそ民族問題の先覚者だという。第三編の「エルフルト綱領の教訓」では、職業革命家のジレンマを指摘している。つまり、共産主義革命を成就するには資本主義を崩壊させねばならず、そのためには民衆の福祉を犠牲にし、資本主義が「耐え難い」ものになるがままにする必要があるが、それは反民衆的な態度であるというジレンマである。革命家が自分たちこそが民衆の幸福を代表するという態度には、職業軍人に似ていると指摘している。続きを読む
投稿日:2011.02.05
再建と共産主義◆東欧と西欧◆エルフルト綱領の教訓◆社会主義批判◆マルクシズム概観◆階級と民族◆搾取論◆共産党宣言の今昔
著者:小泉信三(1888-1966、港区、経済学)
解説:気賀健三(1908-…2002、東京、経済学)続きを読む投稿日:2019.05.05
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