この作品のレビュー
平均 3.3 (19件のレビュー)
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さて、2022年。どんな作品を読んでいこうかなと、2022年を彩る作品を物色するかのような気持ちで、読む。
村田沙耶香さんの書評集「わたしが食べた本」。
子どもの頃の教室での思い出や家族との団欒を思…い出す場面で、時折それらに強烈な苦しみが伴っている。彼女のその苦しみはどこから来るのだろうか。
彼女が感じてきたこと、彼女が描く作品の世界観、彼女が見ている世界…この書評集を読めば、それが少しばかり理解できるのかもしれない。そんなことを思いながら、読んだ。
思春期に感じていた苦しみは誰にも話せなくて、だからこそ自分だけが抱えている苦しみのように感じていたけれど、実はみんな結構似たような苦しみを抱えていたりする。
大人になって「実はあの時自分もこう思っててさ、」なんて話を古い友人にされると「その時言ってよ~」と思う。しかし当時、そんなこと言えるわけがない。それを言語化する力も乏しいし、そんなこと言ったらいつ自分が居場所をなくすかもわからない。だから、自分を守るために黙っているしかない。だけど、言葉にせずともその友人がずっと側にいてくれた、その事実こそが、友人自身も同じ苦しみを抱えている、その苦しみを理解している味方である、ということなのだろうと思う。
当時のわたしは本なんてちっとも読まなくて、現実の苦しみを見ないようにするために、ひたすらジャニーズの世界に没頭した。彼らがテレビに出ない日は、酷く落ち込んだ。
国語は超苦手で、文章を読むことも書くことも、全然得意じゃなかった。
大学に入って、周りがみんな本を読んでいて、それで感化されて読書の世界に没頭するわけだけど、わたしはそこで気づいたんだ。
「ああ、この苦しみ、知ってる」って。
そこでは、今まで言葉に出来なかったモヤモヤが言葉にされていたり、主人公が自分の気持ちを代弁していたりして、わたしはものすごく、救われた。
思春期に感じていた多くの苦しみは、わたしだけのものだったけれど、似たような苦しみを誰だって経験してる。少なくとも、その作品を描いた人や、その作品を手に取った人のことは、信じていいのかもしれない。
もしも。
もしも村田さんが幼少期に少女小説に没頭したように、わたしが幼少期に没頭したのが読書だったら。
わたしはもう少し早く、救われていたのだろうか。
まだまだ引きずっている、この思春期と何ら変わらない苦しみをとっくに捨て、何らかの「答え」を見つけることができたのだろうか。
もしくは、もう少し器用に、生きることができたのだろうか。
この作品から今年読みたい3冊を厳選したブックリストを作ったのだけれど、3冊に絞り込むのも、200字に収めるのも大変で…
https://booklog.jp/booklists/24919
作品をひたすら検索し、何度も文字を数えては消し…を繰り返して、頑張って作ったものです。
よろしければご覧ください!
そういえば昨日、この3作品を買おうと思い、ブックオフをウロウロしてたんですよ。
で、「よ」のところで吉村萬壱さんのお名前を発見して衝撃を受けたんです。
そこにあったのは、吉村萬壱さんの「臣女」でした。
村田さんの書評集を読んでいる時は全く気づかなかったんだけど、なるほど、吉村萬壱さんは「臣女」の著者さんでしたか!
https://booklog.jp/users/naonaonao16g/archives/1/4198941491#comment
「ヤイトスエッド」に糞尿の描写が多そうなのも納得。てっきり初見の作家さんだと思ってたけど、以前触れたことのある作家さんでした。
自分の「臣女」のレビューを読み返してみたら、スタバでラテが飲めなくなっていて、「ヤイトスエッド」はスタバで読まないでおこう、と決意したのでした。続きを読む投稿日:2022.01.23
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
小さなころ怖かった古典、過去の嫉妬を思い出す小説、何度も買った作家指南書、そして自身の著書について……デビューから書き続けた「本」にまつわるエッセイを一冊に。
⚫︎感…想
幼い頃から、村田さんはユニークな視点で世界を見ていたひとだったんだと知れた。様々に読了された本をご自分経験や思ったことと共に紹介され、また著者自身の本も書かれた経緯と共に知ることができ、興味深かった。
幼少期、たくさん書いてみたり、ワープロを手に入れて書いてみたり、妄想したり、「村田沙耶香」と言う名前のついた本を本屋さんで探したり…本当に「書く」ために生まれてきたみたいな方。他著、自著問わず、素敵なエッセイで綴られていて、心惹かれた。芥川賞前後の生活も垣間見れた。
この中で村田さんが紹介されている本も気になるものから少しずつ読んでいきたい。続きを読む投稿日:2024.03.03
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