ニュースの未来
石戸諭(著)
/光文社新書
作品情報
新聞は若い世代に読まれず、テレビは視聴者離れを憂い、綺羅星のようなライターを生み出してきたいくつもの雑誌の休刊が相次いでいる。ニュースはコストがかかる、という理由で十分な取材費を出せず、ニュースを巡る環境は悪くなっていくばかり・・・・・・と誰もが思っているなか、本当に希望はないのか。これらのメディアの未来とは? ネットメディアの功罪を踏まえながら、気鋭のノンフィクションライターがニュースの本質を問う。
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商品情報
- シリーズ
- ニュースの未来
- 著者
- 石戸諭
- 出版社
- 光文社
- 掲載誌・レーベル
- 光文社新書
- 書籍発売日
- 2021.08.30
- Reader Store発売日
- 2021.08.17
- ファイルサイズ
- 1.3MB
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この作品のレビュー
平均 3.7 (13件のレビュー)
-
とても面白かった。物語性を持たせたニュースは、読み手の力も問われるなと感じた。テレビのニュースがアナウンサーが読み上げるものからキャスターが語る時代になっていったように、文字媒体のニュースもより書き手…の顔が浮かぶものへと変化しているように思う。続きを読む
投稿日:2021.11.20
【before】この本を読む前の私は、これらを知りませんでした。
・「例えば、象が空を飛んでいると言っても人は信じてくれない。しかし、4257頭の像が空を飛んでいると言えば、信じてもらえるかもしれない…」ガルシア・マルケス
↑ニュースの本質を見事に表現している。
・ニュースとフェイクニュースは正反対なのに、全く同じ手法でリアリティを獲得。
・「分析」は起きたことを意味づけるニュース。いきなり発生したことだけ報じられても、その意味が分からない事はたくさんある。
・ニュース=サンスクリット語に起源「人間が思考するために必要な糧」の意。
・いいニュースには【謎・驚き・批評・個性・思考】がある。
・謎を提示するために必要なのは「問いを立てる力」解き明かすことで驚きに変わる。ニュースの黄金パターン。「驚き」は、納得がないと消化されない。
・秘密の計画、隠された真実を「知っている」という世界観が陰謀論を支持する。
・陰謀論は無知な人々がはまり込むのではなく、積極的な人々が接近するもの。
・彼らは他ジャンルのコンテンツを読むことは滅多にない。
・「1派を主張するニュース」は、いかに根拠に基づき科学的に正しかったとしても対立する側には届かず内輪の結束を固める効果をもたらして終わる。結果、対立する側は「よく分からない存在」となり、分断は深まっていく。
・ネットの見出しは「如何に読んで、シェアしてもらうか」の観点から発展。到達点は、感情にアプローチして揺さぶり「読まないとマズい」と思わせる手法。
・感情刺激競争は分断も加速させる。進行すると合致する意見同士で固まり、違う意見を敵とみなし、現場を踏まえた実務的な解決策から遠のく議論ばかり展開される。
・取材を「誰かの主張を代弁」とはき違えるとクオリティが低下し、力はつかない。
・リスクのトレードオフ(あるリスクの軽減達成のため、別のリスクが高まる)
・「社会的不利益が大きい、無根拠に基づく政策をゼロに」くらいの目標が適切。
・組織や業界を変えようとしても、コストがかかる割に成果を残せず終わる。
・私たちは「向こう側に共感すれば明快な分析ができなくなる」と思い込んでいるが、それは誤りだ。本当は、向こうに立ってこそ真に重要な分析に取り掛かれる。
・「いいニュース」とは、事実に基づき社会的なイシュー(論点・争点)について、読んだ人に新しい気づきを与え、かつ読まれるもの。
・ハミルが繰り返し「ニュースは動詞だ」と強調しているのも、有名人だからという理由で報道されていくニュースの危うさを知っているから。
・正しい知識が陰謀論の防波堤にはなり得ない。メディアを疑い鵜呑みにしないからこそ、彼らは証拠の有無に関係なく「報道の裏にある何か」を察知する。
・知識を積み上げた結果「マスコミは自分の考えと反対で、しかも大多数の人たちに悪影響を与えている」とさしたる根拠もなく思ってしまうのも人間の特性。
・ネガティブケイパビリティ「不確実さや不思議さ、懐疑に耐えられる能力」
・ケイパビリティ=力。生まれ持った才能ではないので、鍛えることができる。
【気づき】この本を読んで、これらについて気づきを得ました。
・プロであっても、豊かなディティールがある嘘を見抜くのはとても難しい。
・フェイクは、ディティール=細部、に宿る。
・人は見たいものを見て、共通点のある人とつながりたがり、感情は伝染しやすい。
・明確な間違いを指摘されても、自分の世界観に合わなければ「自らの世界観にさらに固執する」というバイアスの存在。
・人間は常に「こうあって欲しい」という情報に弱くなるバイアスがある。
・分析に強い記者に共通→都合の良い情報ほど「本当?」と疑うところから始める。
・「自己紹介」の場面でどんな風に自分のことを物語るか?
・「どうして彼らはこう考えるのか、どうしてこういう結果になったのか」と書き手が思考を深める過程と、立場を超えて共有している思いを丁寧に描くことが必要。
・人は「自分の信念を裏付ける情報」は、たとえ誤情報であっても受け入れてシェアするものの、それとは違う情報は受け付けない。
・締め切りと責任が人を鍛えていく。
・これが誤った情報だ、と指摘してファクトを提示したところで人は動かない。
・「善意」の感情は冷静な議論を吹っ飛ばす。
・大半の政策はよき目的(善意)に沿って作られているので「ほぼ無批判で万事 OK」ということになってしまう。そうなってしまうとメディアは要らない。
・少ない事案を防ぐために対策が取られるのは、社会的コストのかけ方がおかしい。
・書き手が思考を深めていくと、発信されるニュースも自ずとそうなっていく。
・巨大デジタルプラットフォームがオンライン利潤をほぼ全て独占している。市民ブログの大半が放置され、誰にも読まれることはない。
【TODO】今後、これらを実行していこうと思います。
・事実と論説を明確に切り分けて、かつその両方の良さを重ねていく。
・直感的・感情的な速い思考と、理性的・論理的な遅い思考のバランスをとる。
・自分が面白くないテーマは、見切りをつけて最低限の労力でいい。その代わりに面白いと思うものには全力で取り組む。
・「おぉ、そうなんですか。では改めましょう」のスタンスを心がける。
・「本当に実効的な手段、具体的な行動、その際のコスト」を考える習慣づけ。
・時間を奪っていく相手が一緒なら、意識的にターニングポイントを設定する。
【もっと深く知りたいテーマ】
・歴史に残るフェイクニュース「ジミーの世界」事件。
・サイモン・シンなど、超一流の科学ライターのノンフィクション。
・ゲイ・タリーズの、一つの手本となるくらい完成している服装について。
・ゲイ・タリーズの「シナトラ、風邪をひく」
・レポート「沖縄ラプソディー」
・ルポ「百田尚樹現象」愛国ポピュリズムの現在地
・その名を暴け ハッシュタグ mee to に火をつけたジャーナリストたちの戦い
・自粛警察
・STAP細胞続きを読む投稿日:2023.10.18
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