この作品のレビュー
平均 3.4 (31件のレビュー)
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このレビューはネタバレを含みます
登場人物の分類される重要な立場が女か男かのふたつだと感じた。
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主人公は女という概念がナミマという皮を被っただけであるし、イザナミ、イザナギ、マヒトもまた同じ。
陰にされた女、陽になった男、
自分勝手な男、昔のことを忘れる男、突き放され怨む女、昔に戻れればそれでいいはずの女。
徹底的にイザナギを恨み尽くすイザナミと、マヒトに優しくされたら揺らぎそうなナミマがいるが、ナミマだけが独白の文体があって感情移入しやすいし、多くの女性はイザナミよりナミマ寄りなのでは。
そのナミマがラストでイザナミに尽くすことを誓ったということは、多くの女性にイザナミと同じく男に屈しないことを奨励している?
イザナギとイザナミは神だからか言動が明快、絶対的で軸がぶれないが、人間たちは言動がいきあたりばったりで、未来が予測できず、他人の心が読めず(人の心情描写が少ない)、自分の行動原理もわかっていなさそうなのが現実に似ている。
これから日本は人口が減ると言われているが、物語のラストでイザナギが千五百の産屋を建てなくなるのに、イザナミは千を殺すのをやめないというのはそれになぞらえてあるような。
古事記での神は人間臭いが、ここでのイザナミは嫉妬、憎悪、怨恨などの感情はあるもののその他の明るい感情が感じられないので人間を超越した存在だと感じる。
人間になったイザナギを殺してしまうことでイザナミの絶対性が浮き彫りになる。これはなんなんだろう、男が滅びても女は生き続けるということかな?
この作品は存在も心情も極めて陽に立ち向かう陰としての女寄りにえがかれている。
陰の世界、陽の世界、それらが混じり会う人間界のみっつが感じられて楽しい。
"魂"の字を見ただけでなんの違和感もなく、なんとなく脳内に魂の表象が思い浮かぶ。魂の存在を疑っていない人がこの物語の魂の描写を読むとなにか根底にあるものが安心すると思う。投稿日:2013.05.08
再読。
前編は海蛇島で生まれたナミマと死を司る女神のイザナミ神。
後半はイザナキ神が人間の姿になった八岐那彦と従者の宇為子。
最後はイザナミ神とイザナキ神が遂に再会する。
この世は陰陽で全てが成って…いる。
生と死、光と闇、昼と夜、男と女、姉と妹、
そして陽=清浄、陰=穢れと優劣が存在する。
古事記に触れた時に男女不平等を感じたことはなかったが、もし神代から男尊女卑が染み付いているのならばそう簡単にはなくならないのも当然だ。
今も神事の際に女人禁制は確かに存在する。
イザナキ神は完全に人間になり死と共に成仏できたのに、何故イザナミ神だけが救われずに黄泉国で死者を選び続けなければならないのか。
どうしたらイザナミ神は苦しみから解放されるのか。
そんなことを考えることこそが
『神と人間は違う。私の苦しみは、お前の苦しみとは違うのだ』
とイザナミ神に一喝されてしまうのかもしれない。
ナミマの心は救われないし、読後感がスッとする展開ではないのだが、まるで桐野さんが実際体験してきたかの様な主人公の語り口にまた読みたくなる不思議な魅力がある。続きを読む投稿日:2023.04.03
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