私のテレビ日記
清水ミチコ(著)
/東京ニュース通信社
作品情報
TV Bros.誌上にて、およそ28年間にわたって続いた清水ミチコさんの連載『私のテレビ日記』の書籍化。
家庭とテレビを行き来する日常を独自の目線でキャッチした日記エッセイです。「贅肉のない八頭身、寂しそうな眼差し、口下手、ストイックな姿勢、と本来なら男としてモテる要素で溢れています」と江頭2:50さんを評したり、「かしこまった言葉遣いが得意ではないらしく、『シミズさまのご予約、確保、あ、失礼しました。ほかくいたしました』と言っていました。ワニか」と行きつけのエステの受付の人に言われたり。2013年1月~2020年4月までのコラム計153本を収録。
※本電子版は、紙版とはコンテンツが一部異なります。掲載されていないページ、記事、写真があります。
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この作品のレビュー
平均 4.0 (2件のレビュー)
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大好きなミッチャンの連載。ずっと読んでいたい楽しさがある。なんということもない言い回しに独特のおかしみがあってクスッと笑ってしまう。たとえば、犬の動画を見ていて、飼い主の帰宅に大喜びしている姿など泣き…そうになる、と書いた後、「しっぽがついてたら、私のはちぎれてます」とあるところとか。
いつもながら人物評が鋭くかつおかしい。そのいくつか。
・佐良直美さん(懐かしい)について、「堂々としていて、なんというか、まったくテレビやメディアに臆するところなく平気」。確かに、そんな感じだった。
・高校時代に「タモリのどこがいいの?」と聞かれ、「見えないトコに品があるじゃん」と、答えたそうだ。「見抜いていた自分を褒めてあげたくなりました」とあるが、これまたその通り。清水さんとタモリって共通した雰囲気がある。ガツガツしてないっていうか、芸能人臭が希薄って言うか。
・2018年に世間を賑わせた脱走犯のヒダ容疑者。「普通ならばおそらくこんな時は、うつむいたり表情を暗くしがちなのに、前向きで健康的な笑顔の写真。つられてこっちまで笑いそうになります」。そのチャラさについて「自分を重くしっかり考えてたら、あそこまでは逃げ切れまいて」と。なるほどなあ、あの人は剛胆というより軽薄という言葉が似合うわ。
軽く書かれているようで、その洞察力に唸ってしまうところもある。
・最近はあまり聞かないが、”さとり世代”なんて呼び方があった。「優しく、浪費をせず、欲望に淡泊」らしい。清水さんは若い頃先輩からよく「やる気がない」と言われたそうだ。
「いつの世代もその前の世代からはのんきに見えるものらしく、ため息をつかれるのでした。どうもだんだん人間は理想型というか、完成形に成長しているような気がする」
そう!私も、清潔で穏やかな若い人たちを見ると、うっすらそう感じていたのだとわかった。
・よく登場する仲良しの野沢直子さん。ずいぶん前にテレビで共演していた頃、一番キラキラ輝いていると思っていたのに、内心強いコンプレックスを持っていたと、清水さんは今になって知る。自分もまったく同じだったと振り返る。
「あの頃、心開いて話し合えたらよかったんじゃ…と今になって思ったりもしますが、タイムマシンでやり直せるったって、きっとお互いに打ち明けない気がします。本当のコンプレックスとはそういうものだからです。彼女ができないことを私ができるときがあるけど、私が足掻いてもできないことが彼女には軽々できる。それだけの話なのに、そしてバラエティの語源はそこにあるのに、誰がどう慰めてもその時は聞こえない。自分で勝手に首を絞める。若いころとはバカなものですね」
「TVBros.」がなくなってこれで終了とは残念至極。またどこかで書いてほしいものだ。続きを読む投稿日:2021.02.26
このレビューはネタバレを含みます
やっぱり好きだな、、ミッチャンの文章。
レビューの続きを読む
ユーモアの中に鋭い観察力があって、読んでいて面白いしためになるし。
TVブロスに連載されていたものらしいけど、もう月刊誌ではなくなってしまったらしい。残念。
時…々、エッセイ集だしてほしいな。続きを読む投稿日:2021.02.07
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