ナショナリズムの美徳
ヨラム・ハゾニー(著)
,中野剛志(解説)
,施光恒(解説)
,庭田よう子(訳)
/東洋経済新報社
作品情報
トランプ政権の外交基盤となり、アメリカ保守主義再編や欧州ポピュリズムに大きな影響を与えた問題作!
自由と民主主義を守るのは国民国家であるとして、誤解されがちなナショナリズムの価値観を問い直していく。
その一方で、リベラリズムのパラダイムは、専制や帝国主義と同じだと警鐘を鳴らす。
ナショナリズムと国民国家400年の歴史を再評価する括目に値する1冊。
中野剛志、施光恒の両氏によるダブル解説付。
<「解説」より>
★政治秩序とは、本質的に、非リベラルなのである。しかし、すべてのリベラルな統治形態は、非リベラルな政治秩序を基礎としている。そして、そのリベラルな統治形態を成立させる非リベラルな政治秩序こそ、ハゾニーが擁護する「国民国家」にほかならない。ーーーーーー中野剛志氏(評論家)
★本書の意義は数多くある。欧米の新しい保守主義を理解するのに資するであろうし、先進各国で進む国民の分断現象を考察する際にも有益な視角を与える。とくに指摘したいのは、本書の議論が、現行のグローバル化の問題点を認識し、それを克服しうる「ポスト・グローバル化」(グローバル化以後)の世界の在り方を考えるうえで必要な認識の枠組みを与えるという点だ。-----施 光恒氏(政治学者)
<本書の特徴>
◎「無政府状態」と「帝国主義」を両極に置き、その中間的なものとして「国民国家」を置いている。
◎無政府状態と帝国主義との比較で、国民国家がもっとも、個人の自由や多様性を擁護し、発展させることができる政治体制であるとしている。
◎文化や起源、宗教を共有しているという連帯意識があってはじめて、近代的な自由民主主義の政治制度や市場経済も機能させられるとしている。
◎「リベラリズムは自由な秩序をつくるどころか帝国主義に近い」とはっきり述べている。
◎「トランプ以後」の米国保守主義勢力が目指している姿。
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この作品のレビュー
平均 2.5 (5件のレビュー)
-
納得できる議論も多いが、ヒトの生物学的進化や文化との共進化を無視して議論を進めているのはさすがに説得力を欠くように思う。あと、現実のイスラエルはどうやねん!と突っ込みたくなるところも多い。
投稿日:2021.04.23
巻頭解説 中野剛志
不寛容な「リベラリズム」、多様性を尊重する「国民国家」
本書が大きな影響をもたらしたアメリカ保守主義の再編
理想を探究する「政府の哲学」現実を直視する「政治秩序の哲学」
「リ…ベラリズム」と「保守主義」は対立する思想ではない
「地政学的大変動下」にある現代日本人必読の書
ナショナリズムの美徳
序章 ナショナリズムへの回帰
ナショナリズムは善か悪か
ベルリンの壁崩壊以降
本書で描かれること
”拡張”された自己
憎悪と偏見はどこからくるのか
ナショナリズムと帝国主義
第1部 ナショナリズムと西洋の自由
第1章 世界秩序の2つのビジョン
聖書とネイション
王は民から生まれる
第2章 ローマ教会と帝国としてのビジョン
第3章 西洋のプロテスタント構造
第4章 ジョン・ロックとリベラル構造
プロテスタントの秩序とリベラリズムの秩序
同意・義務・責任
”リベラル”理論
リベラルなパラダイムにとりつかれた知識層
第5章 不信を抱かれたナショナリズム
烙印を押されるナショナリズム
ヨーロッパ大陸の統合と英米
第6章 帝国主義としてのリベラリズム
独善的なリベラル帝国主義
異なる意見への中傷
不寛容なリベラリズム
第7章 リベラリズムに対するナショナリストからの代案
アメリカ的・ヨーロッパ的世界秩序
反対派の基本原理
第3の可能性
根強く残るプロテスタント構造
第2部 国民国家とは何か
第8章 政治哲学の2つのタイプ
国家は政治秩序の最善の形態か?
政府の哲学と政治秩序の哲学
第9章 政治秩序の基礎
個人が組織に加わる理由
集団の目的が個人の目的になる
絆から発生する組織
家族・氏族・部族・ネイション
互いに抱く忠誠心
家族の”健康と繁栄”
集団の”健康と繁栄”
第10章 国家はどのように生まれたのか?
おとぎ話を植えつける
氏族・部族の秩序から国家へ
さまざまな国家の形態
第11章 事業と家族
企業を支えるもの
家族を支えるもの
ネイションは企業か家族か
第12章 帝国と無政府状態
支配しない国家はあるか?
道徳的根拠をもとにした行動
人類統一への願望
帝国の秩序のみが正しいとは言えない
第13章 秩序原則としてのネイションの自由
第3の秩序についての検討
ネイションの自由とは
痛みを感じることを共有する
集団における自由
第14章 国民国家の利点
権力の集中を避ける
第15章 連邦という解決策の虚構
2つの秩序のジレンマ
紛争の解決策について
国際連邦の権限はどこまでおよぶか
部族や氏族による連邦主義
アメリカにおける連邦の歴史
連邦国家が直面する問題
主権の共有?
第16章 中立国家という虚構
ユートピア的な中立国家
愛着の対象となるもの
中立性という幻想
恣意的に国境を引かれた新国家
イスラエルの設立
1つのナショナリティの優位性が寛容を生む
第17章 ネイションの独立の権利?
権利があるとはどういうことか
ネイションを構成するもの
万人のためのネイションの自決権は成り立たない
独立国家と周辺国への影響
第18章 国民国家からなる秩序の諸原則
ネイションの政治的独立性
無政府状態が引き起こすもの
国家間の「力の均衡」
新国家の設立と独立国家の存続
国際機関による国家への強制力
第3部 反ナショナリズムと憎悪
第19章 憎悪はナショナリズムへの反論か?
第20章 イスラエルに対する誹謗中傷活動
繰り返されるイスラエルへの中傷
進行形のパラダイムの移行
第21章 イマヌエル・カントと反ナショナリズムのパラダイム
普遍帝国からの解放
新しいパラダイムの進展
ポスト・ナショナルの広がり
第22章 アウシュヴィッツの2つの教訓
ユダヤ人にとってのアウシュヴィッツ
ユダヤ人の無力さという罪
2つの異なるパラダイム
ヨーロッパから見たイスラエル
第23章 第三世界とイスラムの非道な行為が見過ごされているのはなぜか?
なぜイスラエルへの敵意だけが増幅されるのか
人間の進歩の3段階
第24章 イギリス、アメリカ、その他気の毒なネイション
ネイションの自決に向けられる反感
ヨーロッパ人に求められる道徳規準
第25章 帝国主義者はなぜ憎むのか
拒絶に対する憎しみ
リベラル帝国主義者の視線
終章 ナショナリズムの美徳
独立した国民国家とナショナリスト
ナショナリズムの存在感
帝国による征服への欲求とは
真の道徳的成熟
Basic Books「The Virtue of Nationalism」 2018年9月
巻末解説 施光恒
グローバリズムを乗り越えるための必読書
新しい保守主義のマニフェスト
2つのビジョン
国民国家体制の利点
ナショナリストへの憎悪と国民の分断
「グローバル化」に対置すべきは「国際化」続きを読む投稿日:2023.03.22
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