日本・破綻寸前 自分のお金はこうして守れ!
藤巻健史(著)
/幻冬舎単行本
作品情報
日本経済は年々悪くなっているのに、日銀はお金のばらまきをやめず、社会保障費なども増加する一方で、日本財政がよくなる兆しはまったくない。「日本の財政が破綻する日(=Xデー)はいつ起きてもおかしくない」と著者。Xデーが起きたとき、政府は守ってくれないし、自分のお金は自分で守るしかない。本書では著者の資産運用法を公開し、読者にも、ハイパーインフレが起きても大丈夫な手法を具体的に伝授。
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この作品のレビュー
平均 3.0 (7件のレビュー)
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「いくらでも貨幣を刷っていいなら税金不要になる」としてMMTをブードゥーと指摘しているが,MMTはそういうことを言っていない。無理解のまま批判しているように思う。
「日銀は紙幣を刷れるから財政破綻は…起きない」という意見には賛成のようだが (p.50),それは先延ばしに過ぎず1991年の山一證券の廃業と同じことが結局起きると言う (p.79)。民間だろうと国だろうと先延ばしは必ず行き詰まることが論証できていない。ギリシャとイタリアの財政危機とは性質が異なるし,ハイパーインフレとなった戦後とも状況が異なる。
また,中学の教科書と違うことを書いているように読める箇所がある。例えば,「政府が大増税で国民からお金を徴収し,政府主体で使うのか,政府は引っ込み,減税し,その分を民間が使うのか? の二者択一です。(p.231)」としていて,デフレ時には「減税,公共投資増」という基本と異なっている。実際に日本政府も前者を行ってしまっているので,これが先進国中断トツのビリ成長の原因であることは同意するとしても,なぜこの二者択一になるのか? 藤巻氏は,緊縮財政で国が引っ込み,民間が経済を引っ張ってこそ成長すると述べている (p.232)。デフレの時には需要が低いから民間は投資を控えるのが経済合理的行動なはず。藤巻氏が言うように,民間は政府よりも効率的に考えるが故に,民間というミクロの合議ではデフレ脱却の力がないので,マクロな力としての財政政策ではないのか?
1997年から財政破綻を訴えているらしいが,次は2022年8月に出版された『Xデイ到来:資産はこう守れ!』という本書のタイトルにも使えそうな題の書籍を読んでみるか。続きを読む投稿日:2023.05.07
言っていることはもっとも。よくわかる。でも、なんとなくまだ腑に落ちないことがありました。経済の仕組みは難しい。でも、ハイパーインフレが増税に匹敵するとか、結果として3つぐらいしか沈静化させる方法がない…とか、学びは大きい。続きを読む
投稿日:2022.12.05
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