コミック
あの人は悪魔
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朝起きて顔を洗いまず机の前に座る。メールをチェックして生活のための記事を書く。時々徹夜して生活時間がずれていく。たまの息抜きは取材と称したCDショップ巡り。それが27歳売れないフリーライターの私の日常。大学時代に付き合い始めた太一との同棲生活も、もう5年。太一は優しいし、私の仕事に理解があるし、とてもいい彼氏・・・なんだけど、最近はレス気味・・・。居心地は良いけれど刺激の無い毎日。そんな折掛かって来た1本の電話。その誘いに乗らなければ、このまま退屈だけれども平穏な日々が続いたのかも知れない。でも・・・
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産まれた赤ん坊を太一に会わせる事にした。「・・・男の子だよ。あなたに似てるの」その後、太一から離婚届を受け取った。そして・・・。傷付け合い、奪い合った泥沼不倫の果てにそれぞれが選んだ道はーー?『あの人は悪魔』完結!!
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「俺じゃ駄目か」禅はそう言ったけれど、私は太一とも禅ともやり直す気は無かった。禅と私は鏡。私はそれに気付いたの。
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「咲希!どうしてここに・・・」立ち上がった咲希の手には血塗れのナイフが握られていた。周囲が悲鳴を上げる中、腹痛で太一を助ける事もその場から逃げる事もできない。薄れゆく意識の片隅に、咲希の笑い声と破水した感覚だけが残っていた。
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最初の印象は覚えていない。知り合いに近い友達の友達。大学時代、美南に出会ってからこれまでの事を思い出す。本当に好きだった。本当に本当に大好きだった。
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どうして私の居場所が判ったのか、太一に訊いてもやはり本当の事は言わない。私たちはずっとこうやってお互いにその場を誤魔化しながら夫婦でいた。そんな夫婦関係に意味はない。私はついに「離婚しよう」と太一に告げた。
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「いってきます」笑顔で手を振り、出勤のふりをして出て行く太一。嘘と知りながら、私もそれを笑顔で見送る。いつから私たちはこんな歪(いびつ)な関係になったのか――。太一が戻って来る前に、できるだけ遠くへ。私は二度と戻らないつもりでタクシーに乗った。
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あの騒動からしばらく経つが、太一はもう何も言わない。表面上は自由に動けるけれど、今までの事を考えたら本当の所はわからない。そんな日々が続いていたある夕暮れ時、太一の会社から電話が掛かってきた。
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お義母さんは、私が階段から突き落としたと思っているらしい。自分で突き落としておいて、太一は「自分で落ちたって俺が証言するから安心して」などと言う。実家に逃げられればどんなに良いか。でも実家には帰れない事情があった。
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歩道橋の階段を降りようとしたお義母さんの背中を、太一は押した。どうしてそんな事を・・・!青褪める私に満面の笑みで太一が言う。「約束守ったよ」と・・・。
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「お前のせいで俺たちは・・・!この変態野郎!!お前が俺たちを壊したんだ!」太一の暴言に、堪り兼ねた禅が何か言い掛けた。「お前が彼女を大切にしないなら、俺は――」だけど私はその言葉を制した。その言葉を聞いてしまったら・・・。
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私は家を飛び出した。携帯には鬼のような着信、GPSで追跡されないように電源を切る。行く場所なんか何処にもない。泣きながら街を彷徨っていると・・・・・・。
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太一はお義母さんの味方。一人で抱えるのも限界で、せめてもの気晴らしに親友とお茶に行こうとすると、お義母さんも着いて来ると言う・・・!勘弁して・・・!!
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