小説
照れ降れ長屋風聞帖〈新装版〉
シリーズ内の平均評価:
(6)
日本橋魚河岸と背中合わせの、履物屋と傘屋がひしめく照降町。九尺二間の貧乏長屋に仲人稼業のおまつ、連れ子のおすずと肩寄せ合って暮らす浅間三左衛門は一見冴えない痩せ浪人だが、元は上州七日市藩士、しかも富田流小太刀の遣い手だ。己も素寒貧なのに困った者を放っておけず、今日もおまつに尻を叩かれ、筋を通して一肌脱ぐ。江戸の四季を巧みに織り交ぜ、人の情けと男女の機微をたっぷり描く名手・坂岡真の代表シリーズ、堂々の新装版第一弾!
便利な購入方法
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福寿草が雪を割る新春。浅間三左衛門とおまつの長女おすずが嫁入りすることとなった。胸に穴があいたような三左衛門だったが、元風烈廻り同心八尾半兵衛に「幸せと淋しさは背中合わせ」と慰められる。祝言から数日後、七十を過ぎても矍鑠としていたはずの半兵衛の様子がおかしい。妻のおつや曰く、まだら惚けだという。徘徊のすえ、行方知れずになった半兵衛は、倉木主水と名乗る若侍に背負われ屋敷に戻ってくるのだが・・・・・・。人情長屋の悲喜こもごもを描く傑作新装版、最終巻!
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寒さ和らぐ如月、不忍池のまんなかに侍の屍骸が浮かんでいた。定町廻りの八尾半四郎が身元不明の侍の変死体を検屍するのは、ふた月足らずの間で、すでに三人目である。いずれも遺体の懐中から木彫りの猿と葛の葉が見つかった。半四郎はひとり目の男が殺された湯島切通の岡場所を再び訪ねると、敵娼の女は忽然と姿を消してしまったと聞く。探索を進めると、殺められた侍らはみな同じ藩の火消役だったことがわかり・・・・・・。下手人が残した暗示と蔭で蔓延る悪をあばくべく、熱き同心魂を胸に半四郎はひた奔る! 傑作新装版、第十七弾。
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葉月三日、箱崎三ツ俣。浅間三左衛門は、月の名所で釣りに興じようと小舟を繰りだすも今宵は生憎の小糠雨。釣果をあきらめ船宿に向かうと、女が柄の悪い男に脅されている場面に出くわす。女は近頃、照降長屋に引っ越してきた鏝師長八の女房おつねだった。聞けば亭主は岡場所にいたおつねの年季明けを待って所帯を持ったのだという。三左衛門が船宿の一件を案じるうち、大家の家から頼母子講の金を盗んだ疑いでおつねは捕らえられてしまい・・・・・・。正直者の幸せを守るため、人情侍の竹光がうなる! 傑作新装版、第十六弾。
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正月、芝浜の大空を悠々と泳ぐ角凧が一つ。元風烈廻り同心八尾半兵衛は、それを巧みにに操る童子、丸子龍一郎と出会い心を通わせる。子の父龍之進は故あって藩を出奔し、凧づくりの内職で細々暮らしているという。そんな折高利貸しの浪人が木刀で頭をかち割られ殺された。屍骸の近くに残されていたのは、龍一郎の角凧だった。やがて半兵衛は丸子父子が背負う苛烈な宿命を知る――情に生き正義を成す! 涙のち晴天の傑作新装版、第十五弾。
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涼風吹きぬける駒込富士。浅間三左衛門は若侍の仇討ちの場面に出くわし、助太刀に入ろうとするが山田孫四郎という老侍に止められる。ともに若侍の最期を見届けたことで二人の間に不思議な縁が生まれるが、山田も七年前に殺された無二の友の仇を討つため、血の滲むような修行を積んできたのだという。のちに、山田の身を案じ訪ねてきた娘百合に、三左衛門は必ず生きて帰らせると誓うが・・・・・・。親子の情愛と侍の信念に胸熱くなる傑作新装版、第十四弾!
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隠密の楢林雪乃が生け捕りにした天下御免の大泥棒、妻籠の仁平次が護送中に矢で射られ絶命した。裏があると睨んだ雪乃は、死んだのは仁平次ではなく、夫婦小僧と呼ばれるこそ泥のかたわれだとつきとめる。そんな折、将軍から直々に深川三十三間堂の矢競べに出場せよとの下命が。秘かにおもいを寄せる同心八尾半四郎に見守られ、雪乃、海内一の弓取りに挑む! 一万本の矢に込めた切ない恋情に落涙必至の傑作新装版、第十三弾。
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春の彼岸の百本杭。釣りに出かけた浅間三左衛門は、脳天を割られた浪人の屍骸をみつけた。懐に雛人形を抱いた仏を不憫におもい、妻子を探し出すも、形見を届けた帰途、黒覆面の刺客に襲われる。さらに妻子の周囲には謎の美男が――。悪の影を追う三左衛門は、やがて御三家に通じるとてつもない陰謀に巻き込まれていく。巨悪を赦さぬ男たちの信念が胸を打つ! 情と誠の傑作新装版、第十二弾。
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重陽の駒込、光源寺。人さらいから幼子を救った美剣士、天童虎之介は子供の父である仏具商、瓦屋清兵衛の厚意で神田祭りの特等席を用意してもらうことに。照降長屋の浅間三左衛門にも声をかけた帰途、口入屋に寄った虎之介は、思わぬ形で悪の端緒を摑む。やがて刺客が清兵衛を襲撃。密かに尾行した虎之介は、見事に返り討ちにした清兵衛の姿に愕然とする。はたしてその正体は? 真の狙いとは――? 祭りの日に何かが起こる!! 大興奮の傑作新装版、第十一弾。
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春たけなわの深川、永代寺。隠密の楢林雪乃は浪人どもに絡まれた若侍を助けた折、母の形見の簪をなくしてしまう。悲しみを隠して兇状持ちを追う雪乃のもとに、まさに探りを入れている矢田藩の老臣が訪ねてくる。なんと、若侍はお忍び中の殿様で、雪乃に一目惚れしたというのだ。そしてもうひとり、雪乃に恋焦がれる八丁堀同心・八尾半四郎も、人生の岐路に立っていた。江戸の情緒と男女の切なさに酔いしれ泣ける傑作新装版、第十弾。
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隅田川の七福神巡りにやってきた浅間三左衛門は、ごろつきどもを見事な剣で撃退した眉目秀麗な若侍に目を奪われる。その名も天童虎ノ介--高利貸しに乗り込み、借金のカタに売られた娘を奪い去った虎之介は、会津藩の元藩士だった。ひょんなことから交誼を結んだふたりは、藩の命運を左右するほどの巨悪に巻き込まれていく。人情小太刀が若侍の熱き志を捨て身で護る!! 傑作新装版、第九弾。
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ついにおまつが臨月を迎えた。齢四十三にして初の我が子誕生を待ちわびる浅間三左衛門は安産祈願に余念がない。そんな折、おまつは三左衛門に、若旦那との縁をとりもった薬酒問屋の内儀おきちへの伝言を頼む。泣き腫らした姿を気に掛け夫婦仲を案じたのだが、事はそう簡単ではなかった。悪の匂いを嗅ぎつけ、雨の中を飛び出していく三左衛門。だが、まさしく空前の出水が江戸を襲わんとしていた。若いふたりを救い出し、愛するおまつと腹の子を守れるか。奇跡と涙の新装版第八弾!!
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またひとり、幕臣が斬られた。これで三人目、いずれも右手首を落とされていたという。大奥改修の入札に絡んだ殺しと睨む同心の八尾半四郎は材木問屋の用心棒を疑うが、その名を耳にした浅間三左衛門は凍りついた。弓削冬馬――かつてやむなく手に掛けた朋友の弟だったのだ。初めての我が子の誕生を前に、己を仇と狙う冬馬と対峙する覚悟を決めた三左衛門。もつれた過去の糸をほどくことはできるのか。落涙必至の傑作新装版、第七弾!
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