唐物の文化史-舶来品からみた日本
河添房江(著)
/岩波新書
作品情報
正倉院の宝物,艶やかな織物や毛皮,香料,楽器,書,薬,さらには茶や茶器,珍獣まで・・・・・・.この国の文化は古来,異国からの舶来品,すなわち「唐物」を受け入れ吸収することで発展してきた.各時代のキーパーソンとの関係を軸に,唐物というモノを通じて日本文化の変遷を追う,野心的な試み.【カラー口絵8頁】
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商品情報
- シリーズ
- 唐物の文化史-舶来品からみた日本
- 著者
- 河添房江
- 出版社
- 岩波書店
- 掲載誌・レーベル
- 岩波新書
- 書籍発売日
- 2014.03.20
- Reader Store発売日
- 2018.07.19
- ファイルサイズ
- 16.7MB
- ページ数
- 258ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (8件のレビュー)
-
久々に面白い新書を読んだ。
「唐物」と総称される外国からもたらされる品々を、日本人はどのように受け取り、利用していったのかということを概説している。著者の河添房江氏は、源氏物語の研究者であり、作中…に登場する品々についての著作もある。題名が「唐物」なので、明治以降の舶来品についての言及はほとんどない。
唐物に着目して歴史を語る、というのは面白い着眼点だけれど、かなり難しい試みだっただろうなぁと思う。
本書では、唐物は聖武天皇の時代では、国家の管理下で輸入・分配されていたのが、次第に摂関家や平家などの権力者が仕入れるようになり、「文化材」としての性格から、「威信材」としての性格に変わっていく。それが、戦国時代から江戸時代になると、市場規模の拡大によって、「贅沢品」として徐々に底辺まで唐物が広がっていくさまが論じられている。
日本人が唐物を珍重するのは、第一には進んだ文明だった中国・朝鮮の文化を尊んだということがあるだろうし、そもそも得難いものを得ることは、それだけで権威と権力を示すものになる。日本における唐物の位置付けは、古代では先進国だった中国・朝鮮と遜色ない文化を持ち、また世界の広まり(ポルトガルやオランダ)によって変遷していくが、やはり「得難い」ということが一番最後まで唐物を唐物とした魅力であったと思う。
明治になると、文物の移動も人の移動も容易になり、「唐物」という概念は個々の輸入品に細分化されていく。本書が明治以降の「唐物」について語らないのは、その把握がまず不可能であるからと言ってもいい。しかし、舶来品の信仰は現在でも続いている。例えば、映画では「洋画しか見ない」という人はたくさんいる。個々の分野では、舶来を尊ぶ心はまだ残っているが、それもインターネットの発達によって、早晩消えるのかもしれない。
唐物を通して、日本人の精神性を探る、という着眼点は良かった。東アジアの大きな文化圏の中で、和物と唐物を別個のものと考えるのではなく、国内でお互いが影響しあって文化を洗練させてきた。個人的には、日本人が中国(とアジアの国々、ポルトガル、オランダなどなど)をどのように認識していたのか、ということを唐物の取り扱いともっと結びつけてほしかった。でも、それは、国際政治史などでもっと詳しい本があるかもしれない。
また、本書は唐物史の概説なので、どうしても時々の権力者に焦点を当てざるをえないが、もっと古代においても民間に唐物の広まりはあったと思う。もちろん、そういうことは文献には出てこないが、考古学の分野での成果ももっと詳しく知りたいと思った。続きを読む投稿日:2014.05.01
「日本の文化や社会において、“唐物”と呼ばれる舶来品がどのように受容されてきたのか」を考察する一冊。興味深い内容だったが、初版が2014年なので現在(2022年)ではやや古い学説を用いた箇所が幾つかあ…った。続きを読む
投稿日:2022.07.13
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