護られなかった者たちへ
中山七里(著)
/NHK出版
作品情報
仙台市の保健福祉事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。
一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。
三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。
男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か? なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?
誰が被害者で、誰が加害者なのか──。
怒り、哀しみ、憤り、葛藤、正義・・・・・・
この国の制度に翻弄される当事者たちの感情がぶつかり合い、読者の胸を打つ!
第三の被害者は誰なのか?
殺害された彼らの接点とは?
第三の被害者は?
本当に“護られるべき者”とは誰なのか?
“どんでん返しの帝王”中山七里が、日本の社会福祉制度の限界に挑んだ問題作!
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商品情報
- シリーズ
- 護られなかった者たちへ
- 著者
- 中山七里
- 出版社
- NHK出版
- 書籍発売日
- 2018.01.25
- Reader Store発売日
- 2018.05.23
- ファイルサイズ
- 1.7MB
- ページ数
- 384ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (254件のレビュー)
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護られなかった?いや見捨てられた者たちは。。。
誰からも人格者と見なされている一人の公務員が、自由を奪われた餓死死体の状態で発見されるところから物語は始まります。推理小説?ミステリー?いやいや現代社会を鋭くえぐるような物語でありました。
誰が…犯人なのか?という点については、途中から、おそらく彼だろうなということは見えてきます。しかし、そんな犯人捜しよりも、現代社会の抱える様々な問題を赤裸々に書き込んだ内容に驚かされます。
生活保護認可の問題、見込み捜査の問題、組織の事なかれ主義等々、実に様々です。
今まさにコロナ禍の中、護られなかった者というよりも、見捨てられた人々も大勢いるのでしょう。
物語の中で殺された二人は、職務には忠実な人だった。でも、そこに思いやりの一欠片でもあったならば、と思わざるを得ません。コスパや効率化を持ち込んで良い分野とそうでない分野を考えるべきです。ちょっと前まで、国は病院の統合を目指していましたよね。
また生き残った上級公務員の買春ツアーは言語道断でありますが、その一方で、やむにやまれず体を売っている人もいるわけで、結局貧困こそが問題なのかもしれません。この経済の仕組みをどうすればよいか。先日、経済評論家の内橋克人さんが亡くなりました。常に弱者の視点に立った論説で、どこぞの御用学者とは大違いの解説がもう聞けないかと思うと、残念でなりません。また世界を見渡せば、民主主義が危うい状況になっており、自由に声を上げることが困難になりつつあります。この小説を通して色々と考えてしまいました。
ところで、ストーリーと直接関係はありませんが、「年齢と同じ枚数の千円札をいつも持っていろと言われたものだ。」というセリフが物語の中に出てきました。実は私も若い頃、「年齢かける千円くらいは、常に財布に入れておけ。」と言われたことがあったのを思い出しました。こういうことは一般的に言われているのでしょうかね?でもそうすると高齢の人は、かなりの現金を持ち歩くことになりますね。
閑話休題、この小説は映画化されたとのこと。単なるミステリー作品になっていないことを期待いたします。続きを読む投稿日:2021.10.03
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護られなかった人たちの護ったもの
ミステリーだけど、ミステリーよりも現代社会を考えさせられる内容。
コロナによる給付金の不正取得。
議員や国税の人間が絡んでいたり、家族全員で詐欺を働いたり…。
誤送金による電子計算機使用詐欺。
…
何年経っても無くならないオレオレ詐欺。
強盗、賽銭泥棒…。
世の中どうしてしまったのだろうと思うくらい、金絡みの犯罪が増えた気がする。
全ての人に護るべき物や人があって、それが犯罪を起こすキッカケになったのかもしれないけれど、そこに至る前に何か対応できる社会になってほしい。
世界的に戦争や疫病で不安定だから、心は荒み、ますます犯罪は増えていくだろう。
そんな中、自分はどうやって大切な人を護っていくか考えさせられた。続きを読む投稿日:2022.08.05
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