深ぼり京都さんぽ
グレゴリ青山(著)
/集英社インターナショナル
作品情報
みやこの奥まで連れてって! 京都観光にも役立つ、「京都人による京都発見本」。「京都人の京都知らず」――それは、生まれ育ったがゆえに京都が身近にありすぎて、その魅力をみすみす見逃している人のことを指す言葉(著者の造語)。京都に住む人も知らないような「みやこの魅力」を、漫画家グレゴリ青山が一風変わった「京都通」たちの案内でめぐる。ガイドブックとはひと味違った視点で京都を眺めるコミックエッセイ。本書で“深ぼり”した主な京都(●京女の大学教授と「東寺」の謎を探る/●伝統工芸ライターが教える、魅惑の「二条城」かざり金具/●ベラルーシ女性と「哲学の道」で器めぐり/●住んでいても気づかなかった「京町家」の奥深さ/●「山科」住民たちの大切な場所など。)
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商品情報
- シリーズ
- 深ぼり京都さんぽ
- 著者
- グレゴリ青山
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社インターナショナル
- 書籍発売日
- 2017.07.10
- Reader Store発売日
- 2017.09.01
- ファイルサイズ
- 92.9MB
- ページ数
- 144ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (10件のレビュー)
-
11月1-3日、京都を旅した。2日目は市内のこの本をガイド本にすることに決めていた(遺跡博物館は休館日だからである)。ところが、あいにくの雨!しかもある目的地に着いたところで、大失敗に気がつく。
以…下は、旅レポートから(関連するところだけ)転載。(文庫本の感想は既に書いたので、新たに単行本に書いています。レポートには本来写真をつけていますが、こちらにはつきません。想像で補ってください。以下書名は「さんぽ」に統一。因みに本書は「深ぼり京都さんぽ」だが、文庫本は「京都深ぼりさんぽ」。微妙に題名を変えている^_^;)
(略)
二条城。国宝、二の丸御殿。ともかく豪華な造り。中は撮影禁止のために写真はないが、「さんぽ」に書かれていた豪華な豪華な餝(かざり)金具はしっかり見させてもらった。ひとつひとつの鍵隠しなどの餝金具はその作業だけではなくて、その数に圧倒される。全ての柱に上下三つくらいあるから、もしかしてその数は数千を数えるのではないか?(「さんぽ」には大型は数百枚と書いていた)気の遠くなるような作業だったのではないか?欄干彫刻もすごかった。もちろん、狩野派の障壁図の多さにも腹がいっぱいになる。大広間での慶喜の大政奉還の人形などもまぁ面白かった。よく考えたら一度来ていた。おそらく小学校の修学旅行できた。鶯張りのキュキュと鳴る廊下のことしか覚えていなかったけど。あの頃はよく鳴ったけど、今日は雨のせいかほとんど鳴らなかった。
(略)
唐門の彫金、透かし彫りはホント職人技だ。長寿を意味する「松竹梅に鶴」、聖域を守る「唐獅子や竜」を、極彩色に彫って飾っている。あまりにも色鮮やかだと思ったら2013年に修復したばかりらしい。ともかく、名前の残らない職人たちの独壇場ではある。
(「さんぽ」には「瓦は瓦職人、檜の樹皮を使った屋根は檜皮葺職人、その下の唐破風に塗られた漆は漆職人、彫刻は木彫師、そして餝金具は金具職人が手がけとるんや!」と紹介していた)
京都には未だこれだけの職人が生きている。しかし次の修復の時には、これが可能な保証は何処にもない。
(略)
それでも二条城だけで午前中を使ってしまった。この後、「さんぽ」を使って京都ぶらぶらをするつもりだったが、ウエストカバンの中身を見て愕然とする。今日1番の失敗である。「さんぽ」と思っていたが、同じ書店のカバーをかけた他の文庫本だった(旅に持ってきた「ホワイトラビット」でした)。何やっているんだか!そうは言っても、行くべき場所だけは知っている。千本中立売ぶらぶらである。バスを待って、そこの停車場でとにかく降りる。
いったい何処なのか。この通りなのか?
(略)
この後、なんとなく此処が怪しいと細い路地に入ってゆく。当たった。昔の遊郭の匂いがする。そしたら聞いたような店構えがあった。「江畑」。
コレは「さんぽ」じゃない。その前に読んだ「遊郭に泊まる」に載っていた、元遊郭の焼肉屋さんだ。当たりだ。この辺りが映画「五番町夕霧楼」の舞台だ。
この店の構えには、まだまだ遊郭の名残りがある。
まだ店を開けていない。けれども、暖簾越しに中を少し写させてもらった。あの本には、この奥に座敷牢の名残りがあるらしいと書いていた。この店は四番町ではあるが、では周りはどうなっているんだろ。
「さんぽ」にも載っていた千本日活もちゃんとあった。今でも現役だ。それだけで凄い。
しかも安い。
そして五番町を物色すると、明らかに遊郭名残りの「意匠」があった。
遊女或いは弁天様の鏝絵に鍾馗?の鏝絵。どういう願いがかけられて、どういう想いで見られてきたのか?
(略)
以上「深掘り京都散歩」した結果。
こういうディープな千ブラが出来た一方で、ホテルに帰って「さんぽ」を見れば、「嗚呼!あそこも面白そうだったのに!」という店が山ほどあった(例えば、千ぶら内の古本屋さん、様々な謎の店、京都伝統産業ミュージアム)。これだけで午後が潰れた筈だ。でも、もう行けない。旅とは、たいていはこういうモノなのだ。
続きを読む投稿日:2020.11.09
コミック仕立て。一般の京都案内では紹介されないような、コアな京都を紹介してくれる。神社仏閣だけでなく、美味しいお店も紹介されていた。また次に京都に訪れる時の等ために、いくつかをリストアップしておいた。
投稿日:2023.12.18
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