REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方
ローレンス・レッシグ(著)
,山形浩生(著)
/翔泳社
作品情報
商業経済と共有経済は共存―リミックス―できる。そこにこそ新しい可能性がある。それを殺してはならない。ネット時代では、商業活動と各種の共有活動が並置・相補関係にあるハイブリッド経済/文化こそが主流となるため、それを発展させる制度改革を主張する。ハイブリット文化/経済を可能にするためには、著作権法の改正が必要だ。だが、現在の制度は著作権が強すぎ、所有者がはっきりしない場合も多く、さらに死ぬほどややこしい。 だから、著作権を抑えるべき。それは、『コモンズ』で論じたように、一部の技術革新を殺すからだけではない。それは、『Free Culture』で述べたように、ある種の創造性をつぶすからだけでもない。それは、『Code』で述べたように、憲法で保障された自由を減らしてしまうからでもない。それは、子どもたちの世代をつぶしてしまうからだ。 ※本電子書籍は同名出版物を底本として作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。
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この作品のレビュー
平均 3.2 (7件のレビュー)
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基本的に訳者の山形浩生氏の解説に同意。
レッシグの言いたいことも分からなくはないが、子供たちを犯罪者にしないというだけの理由で、ファイル共有を合法化するというのはさすがに無理だろう。
それを合法化…するなら、せめて
・それにより失われる、RO的著作者達の創造活動のためのインセンティブ、(会社等の支援環境を含めた)創造環境、及びそれらから生み出されるはずだった作品の量
と
・それにより生み出されるりミック作品の量、ファイル共有環境の充実により新たに生み出されるリミックス的ではない作品の量
を比較し、少なくとも後者が前者と同じ以上でないとだめだろう。
でもどう考えても、Winnyやマジコンを使う人間が創造活動にいそしむとは思えない。もちろん膨大な著作物利用可能環境の中におかれることで、新たな想像力・創造力が刺激されることはあるかもしれない。
しかしそもそも創造活動にいそしむものは、自分の作品について愛があり、それが故に他人の作品についても、自分の身に置き換えることで尊重することができる人間だろう。ファイル共有を行っている人間が追及しているのはただ単に自分の快楽だけであり、そこにモノを生み出すことに関する敬意はみじんも感じられない。
著作権のあり方を見直すというのであれば、人が自身の創造活動から得られる利益の範囲みたいなものについての考え方を示して欲しかったな。自己の作品の利用許可・禁止に関するn人ゲームの均衡解を求め、それによりどのような属性の人だとどのような著作物利用戦略の解になり、それにより得られる利益はどのくらいになるか。こういった話でもあれば、著作権に関する進展のない議論の応酬を超えた知見が得られると思うのだが。子供のため云々の情緒的な話をいくら繰り返しても、RO側は全く譲らないだろうし、一般人の意識も変わらないだろう。
訳者あとがきによると、レッシグは今後政治とか民主主義に関する問題に軸足を移すらしいので、多分彼の本を読むのはこれが最後だろう。うーん、まだ問題山積みだから、色々なアイデアを読みたかったんだけどな。続きを読む投稿日:2010.05.22
書き出しのスーザの話は面白い。彼は魅力的な味方だろう。しかし、読んでいても説得的に感じない。レッシグはもっとできる子、だよね。。
投稿日:2014.06.30
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