夏と、島と、オートバイ。退屈を知らない日々のためには、まずその3つが必要だ。一度目は高原の道で。二度目は共同浴場で。偶然の出会いが2度あった「彼女」は、もう無関係な他人ではない。仕事や悩みが毎日の多くの時間を占めてしまったとしてもひとたびオートバイに乗り、歓びを分かち合う人が隣にいて風が、道が、光が、山々が、自分と一体になってしまえばもはやそこに退屈の入り込む隙間はない。夏という時間、島の時間を生きる彼ら彼女らは限りなく自由だ。【著者】片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執・・・
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映画を書く、という仕方で行なわれる作品解説もまた、1個の独立した作品である
『彼のオートバイ、彼女の島』の続編ではない。
先行するその小説が映画化されるとしたらどうなるか、ということをテキストでやってみる、しかも同じ作家の手によって、という試みである。
場面描写が続く、ということだけでは済まず、そこにカメラと、そのフレームの意識、さらにはフレームが切り取る画面の意識が強固に表れるのが片岡義男らしい。
いわばこの作品は、作家自身によるカメラを媒介にした作品解説であり、批評なのだ。
そしてそれは同時に、生まれ変わった独立した作品でもある。
【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
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夏と、島と、オートバイ。
退屈を知らない日々のためには、
まずその3つが必要だ。
一度目は高原の道で。二度目は共同浴場で。
偶然の出会いが2度あった「彼女」は、
もう無関係な他人ではない。
仕事や悩みが毎日の多くの時間を占めてしまったとしても
ひとたびオートバイに乗り、歓びを分かち合う人が隣にいて
風が、道が、光が、山々が、自分と一体になってしまえば
もはやそこに退屈の入り込む隙間はない。
夏という時間、島の時間を生きる彼ら彼女らは
限りなく自由だ。
【著者】
片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
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