この作品のレビュー
平均 4.3 (4件のレビュー)
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暗黒のヨーロッパ中世、略奪主義の近世ヨーロッパ、第2次世界大戦後の歴史を捻じ曲げてきたアメリカ、そして中国、ロシアー彼らの作る世界史も自己中心的なものであり、今こそ大局から見ることのできる日本が世界史…を書くべきだという論旨である。
いくつか、そうかと思ったところを書き抜いてみる。
・①白人は略奪主義だった②キリスト教はそれを正当化する道具にされた③略奪主義の300年間にどんなことが行われてきたかーこの3点をしっかり書き切るだけでも、多くの人がイメージしている世界史とは全く違ったものができる。
・アメリカ人が自作自演したハワイ王党派のクーデターにかこつけて、無理やり女王を退位させ、アメリカにハワイを併合してしまった。
・コミンテルンは天皇の下で団結している日本が目障りで、こういう国家をなくそうとする運動であった。
・王の財産目当てだった「市民革命」「文化大革命」
・中国はモンゴル族、チベット族を大量虐殺した。ウイグル族の地区に入り込み、漢族は資源を奪い農地を広げた。ウイグル族を大量に強制労働させ、その上核実験まで行って、急性被曝で9万人を死亡させた。
・第1次世界大戦後、国際連盟は南洋諸島を日本に任せたが、新渡戸稲造は「委任統治」を提案し、日本は学校を作って住人たちに勉強させ、将来の独立を約束した。
・植民地の住人に学校に行かせると厄介ということで、欧米の列強は学校を作らなかったが、日本は韓国・台湾などで学校を作り、ライフラインも整えた。
・1945年に日本軍が撤兵する前に、南北朝鮮の代表を集めて話し合いをさせようとしたが成立せず、統治権が米軍に移った。これが南国分裂の始まりである。
・始皇帝が行った「焚書坑儒」は、統一前の戦国七国のうち他の六国で使っていた漢字を廃止して、漢字を国有化しようという狙いがあった。
・中国は、日本についてまじめに書く気なんてもとからない。正史の中ではちゃんとしているほうだといわれる「明史」にしても、「信長が阿奇支を秀吉に討たせたから明智に殺された」と書いてあるぐらいだ。「魏志倭人伝」にしても信用性に乏しいというか、今でいうと、誰かのTwitterみたいのものだ。
・歴史を書くときに、相対評価は大変だがやるべきである。例えば、ペリーが日本に来た時、日本人が驚いたというのは絶対評価だが、他の国が初めて黑船を見た時の反応と比べたらどうなのか?黑船を見て、スケッチしておいて自分たちも作ろうなんて考えたのは、有色人種では日本人だけであった。そういう発想を持つことができたから、有色人種の国の中で唯一、植民地にならなかった。
・313年にローマ帝国がキリスト教を公認した瞬間からヨーロッパの堕落が始まった。キリスト教は一神教なので、異教のロ-マ神の祭典だからとオリンピックを廃止した。聖書にすべての知識があるということから、上下水道といった古代ローマの科学技術を潰していって、人糞が道に溢れるようなことになった。
・この後、ひたすら殺し合いの1300年が続き、その果てに30年戦争があり、勝ったほうのスウェーデンのクリスティーナ女王が「異教徒だって殺さなくていいじゃない」と画期的なことを言った。それまでは「殺さなければならない」であった。ここからやっと近代が始まった。それがウェストファリア体制であった。
・古代、中世、近代は右上がりではない。中世で滝に真っ逆さまに落ちていった。やっと上がっていくのがルネッサンスであった。
・江戸時代まで日本は世界史に入らなくてよかった。世界史は殺し合いの歴史であったから。
・日本はこの千年間、ずっと先進国だったので、この千年間を書けば、そのまま世界史の頂点を尾根伝いに書くことになる。そうできたのは、日本が賢かったからで、内部争いをせず、唐や天竺の教えを消化して、追い越したからである。
・アメリカが正しいとか、イギリスが正当というものだけを世界史にするのは偏っている。中学校の教科書では、イギリスがインドを支配して文明を教えたとか、ヨーロッパにアメリカ大陸が発見されてよかったとか、ただ戦争が理由もなく始まったようになっているとかで、日本が加わった戦争だけは日本が悪かったと書いてある。戦後に日本がしたことも、すべて下から目線で書いてある。はっきり言って、岩倉使節団に言った連中の舶来崇拝がひどすぎた。江戸時代の人間は、自分の頭で考えていて、インテリジェンス能力は高かった。だから、ペリーが来たとき対応できた。
・ロシアは本当に悪辣非道な国で、条約は破るわ、日本人を皆殺しにしたりシベリアに連れて行ったりするわで、皆分かっていてやっている。いまのプーチンにしても、力関係を見ながらやっている。やはりヨーロッパでもまれた国であった。
・アメリカはグローバリゼーションと思って悩むことはない。アメリカこそが自分たちの歴史を書き換えて正当化を図っている。どこの国の国史もそんなものだともいえるが、アメリカのはひどすぎる。ほとんど架空の話である。
・日本人が上から目線に立った世界史を書くべきである。「日本が平和にやっていたとき、ローマではこんな殺し合いをしていた」「中華世界ではこんなころしあいをしていた」ということをきちんという。統一した世界観を作るということは難しいが。
・清朝のアヘン戦争前段階で、実質GDPの世界シェアは32.9%であった。このときの状況を考えれば、GDPの高い国が強国だったわけではなく、軍事力を整備し、相手を人間とも思わないようなやり方ができる国が強かったということだ。
最後に、どのような項目建てで世界史を書くべきかの提案がある。うーん、なんだかぴんと来ないものだが、こちらの勉強不足なのか、まだまだ練れていないのか。なんか無味乾燥ぽいのだが。続きを読む投稿日:2019.09.24
日本人が世界史に登場するのは19世紀。それまでの世界史はひたすらに殺し合っているものに過ぎないのたから、そこに登場していなくて幸いである。という考え方は目からウロコ。世界史は日本が作った方がいいという…主張はたいへん面白かった。続きを読む
投稿日:2019.08.17
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