ライトノベル
ブギーポップ
シリーズ内の平均評価:
(263)
君には夢があるかい?残念ながら、ぼくにはそんなものはない。でもこの物語に出てくる少年少女達は、みんなそれなりに願いを持って、それが叶えられずウジウジしたり、あるいは完全に開き直って目標に突き進んだり、また自分の望みというのがなんなのかわからなかったり、叶うはずのない願いと知っていたり、その姿勢の無意識の前向きさで知らずに他人に勇気を与えたりしている。 これはバラバラな話だ。かなり不気味で、少し悲しい話だ。――え? ぼくかい? ぼくの名は"ブギーポップ"――。 第4回ゲーム小説大賞〈大賞〉受賞。上・・・
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正義の味方だって? そいつはなんの冗談だ。人の内側には善も悪もある。もし正義の味方ぶってるなら、さらに深い闇がその心の中に広がっているんだよ。それを誰よりも知っているよな、霧間凪……いや、炎の魔女よ。俺はおまえと出会うために今まで生きてきた。そうだ、おまえの胸を串刺しにしてやるために──それは遥か昔から用意されていた運命。人知を超えた魔女どもの死闘が再開され、織機綺たちは否応なくそれに巻き込まれていく。己の無力さを知り、秘められし能力に覚醒し、そしてなお圧倒される──「私はもう、凪の役には立てません……」少女が絶望の呻きをあげるとき、脅威が牙を剥き、彼女たちの絆をずたずたに引き裂いていく。宿敵と運命と、そして決定された未来を敵にして、霧間凪はどう戦っていくのだろうか……?
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霧間凪──彼女は炎の魔女と呼ばれている。人知れず人のために戦う正義の味方。だが彼女の気持ちは誰も知らない。その心の痛みを、そして秘められた宿命を。日常に潜む悪と、そして世界を裏から監視する統和機構の合成人間たちと凪が死闘を続けている間にも、さらなる邪悪が彼女に迫りつつあった。かつて凪に救われた少女、織機綺が奇妙な影と遭遇するとき、その悪夢は幕を開ける──すべてを呑み込む魔女戦争が。 「正義なんてものは、ただの戯言だわ。真の存在はそんなものを超越しているものよ。善を嘲笑し、悪を弄ぶ──それが我が愛しの宿敵、魔女ヴァルプルギス。じきに私たちは未来を賭けて戦うことになるわ……」 闇の中で微笑むいまひとりの魔女は、凪の運命をどう導いていくのだろうか……?
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彼女は彼が好きで、彼は別の彼女が好きで、でも彼女が好きな人には恋人がいて……そういうありふれた三角関係に、合成人間どもの異形なる死闘が──逃げ続けて隠れる者と、それを追いながらも己の恋のみを追い求める者と、そいつらを喰いものにしている怪物と──奇怪なる三角形が重なるとき、そこにひとつの質問(クエスチョン)が生まれる……「ブギーポップってなんだよ?」憶えていること、忘れてしまったこと、消えてしまった愛と、友情と、夢と──答えの見えない問いかけを巡る、これは想い出せそうで、でも決して想い出せない物語。死神をさがしながら、消えてしまった過去をたどる少女たちの運命の先にあるのは、解放か、あるいは沈黙か……?
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彼女の敵は世界。周り中のすべてを焼き尽くしても、なお足りぬ怒りと憎しみの対象──理由などない。生まれたそのことが間違いだったとしか言いようがない。生きながら冥界にいるのと同じように、心が凍てついている。……でもその心の中にひとつだけ例外がある。喩えるならば神話のオルフェのように、一度は死んだはずの人間を助けにあの世まで下りていき、死神にも挑んだ少年の──嘘で塗り固められた世界の謎に挑もうとする者と、さらに大きな嘘を押し通すため、謎を利用しようとする者たちが織りなす、これは虚しき仮面劇の物語。その欺瞞の行き着く先に待つものは、燃える世界か、凍れる未来か──容赦なきブギーポップは彼女たちに如何なる裁きを下すのか?
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人ってどうして苦労するのかなあ? 辛いこととか苦しいことって、何が理由なんだろう──私、浅倉朝子は普通の女子高生だったんだけど、でも私の人生は、奇妙な男の子と出会ってすっかり変わってしまった。統和機構とか、合成人間とか、特殊能力とか──得体の知れないものが殺し合ってる、こんな殺伐とした世界なんて、私は全然知らなかった。でも知ったからって、それが答って気もあまりしなくて……彼はどうなんだろう。謎の“カーメン”の正体を見つけられたら、そこで彼の旅って終わるのかな──強敵たちとの死闘、理不尽な混迷、そして過去との再会を経て、遂に少年は目的の地に辿り着く。厳しい試練(ディシプリン)の果てに、ピート・ビートが見つけた答えとは……?
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“君の胸の奥のその「動機」とやらは、実は空っぽなんじゃないのかい……?”ブギーポップに復讐する。ただし誰のためでもなく、己自身のために──その執念に取り憑かれた少年が、内気な少女織機綺と共に“牙の痕”と呼ばれる地に足を踏み入れた時、混迷は幕を開ける。メビウスの輪のように表裏も定かでない異界に迷い込んだ二人の前に現れたのは、心の闇から顕れた爆弾の群と、鬼とも人ともつかぬ奇妙な子供“ブリック”だった──己の迷いに気づけない少年と、迷いの弱さに悩んでいる少女と、何処に行くべきかさえ知らぬ魔物が彷徨う──そこは境界。果てなき虚空と、儚き想いとの狭間に位置する迷宮に“破壊”が渦を巻くとき、死神が人に告げる言葉は断罪か、赦しか、それとも──
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大変なことになっている――ひとはいつだって、自分では気がつかないうちに劇的な事態の急変に巻き込まれているもので、それは彼ピート・ビートも例外ではない。私レインとしては、ちょっと彼に興味があっただけなんだけど、しかし彼を取り巻く状況は本人の意志とは無関係に、どんどん恐ろしくなっていく――統和機構の追手モータル・ジムとの死闘に、最強フォルテッシモの再介入に、さらにはすぐ側で炎の魔女が暴れていたりして――ビートの行き先に待つのは嘘と裏切りと決断と、そして……転落と崩壊の第三章は苛烈、熾烈の苦闘(ディシプリン)がさらに続く。若きビートに光明は未だ見えず、世界は彼に何を求めているのだろうか?
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あなたは“とりかえしのつかないこと”というのがどういうものだか知っているかしら。私はザ・ミンサー。私と、懐かしい友だちのピート・ビートは“それ”と出逢ってしまった。その絶体絶命の危機に、ビートは、そして私はどんな選択をすれば良かったのかしら――天涯孤独になり、統和機構からも狙われる身となった合成人間ビートは強敵バーゲン・ワーゲンとの激闘の中、過去の断片を思い出す。かつて彼が経験した別離、そしてそこで彼が出逢った黒帽子が見せたものは、はたして――現在と過去、ふたつの事象が交錯する過酷な試練(ディシプリン)の第二章は、霧の中に血の匂いが幽かに漂い、消えゆく追憶と爆炎の死闘がすれ違う――
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君にはツキがあるかい、それとも万事うまくいかない感じかな? 変なジンクスがつきまとい、何をしていいか分からないって経験はないかな? だが逆に、ジンクスを自由に身につけることができるとしたら、その人間は運命を我がものにできるということになるのかも知れない。君は運命を手に入れたら何をするだろうか……街の奇妙な店が売るものは、人に楽しみと不安を等価値に与え、何処とも知れぬ場所に導くだろう。だが、その先に待っているのは口笛を吹く死神で――運命を操ろうとする者たちと、それを眺める者と、それを断ち切る者たちが奏でる断音符(スタッカート)だらけの耳障りな交響曲が悪夢と未来を同時に歌う――。
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お前は強いか? この俺フォルテッシモはとてつもなく強いが、真に強い奴など滅多にいない。だが弱い訳でもない。大抵の人間は強くも弱くもなく、はっきり決めないまま生きているが、そんな半端はいつか厳しい運命に叩き潰されちまう。どんな人生にも例外なく、強さを見せなきゃならん時が来るが、お前ならどうする? なあ、ビートよ――統和機構の合成人間ピート・ビートは謎の存在 "カーメンの"調査を命じられたが、それは正体不明の敵が次々と襲いくる危険な戦いの始まりだった。そして彼に興味を抱く女子高生、浅倉朝子の人生の歯車も狂い始めて――死神の現れない過激な試練を前に、彼らは己の強さを見つけ出して、生き延びることができるだろうか……?
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君は知っているかな、あのホーリィとゴーストの伝説を? あの若い男女二人組の犯罪者はあまりにも誤解されすぎている。強盗、騒乱、破壊活動を繰り返した彼らは別に悪いヤツじゃあなかった。衝動で暴れていた訳じゃない。世の中に反抗してた訳でもない。二人はただひとつの選択をしただけ――それは“だって、ほっとけないし”という気持ち。だが哀れな世界の敵<ロック・ボトム>を解散しようとした彼女らの行動は数々の悪を呼び寄せ、遂には死神であるぼく、ブギーポップとの対面を呼ぶ――悪に依存せず、正義に従順でもない二人組が、後先考えない陽気な犯罪と空回りのあげくに辿り着く先は生か死か? あるいは――
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“世界の敵”とはなんだろうか? ヤバいことばかり考えている奴がそうだというのなら、この世は既に敵だらけだろう。このオレ、霧間凪には難しいことはわからない。だがその善悪の境界線みたいな所をブギーポップの奴は歩いている気がするし……そしてオレが中学生の頃に出会ったあの変わり者の女、九連内朱巳もまた、両方にまたがる場所に立っていた気がする。悪を恐れず、善に怯まず――あの「傷物の赤」はそういう少女だった――生命を停められた被害者たち。どこから襲ってくるか予測不能の敵。無為なる危機に対し霧間凪は如何に戦うのか。そして背後には迫りくる黙示録の予兆が……切ない恋心が“心のない赤”に変わるとき、少女は何を決断するのか。
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