食の終焉
ポール・ロバーツ(著)
,神保哲生(訳)
/ダイヤモンド社
この作品のレビュー
平均 4.2 (34件のレビュー)
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読んでると暗ーい気持ちになる重たい一冊
現代の食システムはどんどん巨大なサプライチェーンがふくらみ慣性がついて抜け出せなくなる一方で効率とは裏腹に脆弱になっている。
生鮮食料品だけでなく冷凍食品もは0−157やサルモネラ菌の混入を防ぐことは…できず、最後に消費者が適切な調理をするかどうかにかかっている一方で外食も含めて料理はインスタト化する。元々Oー157は胃酸で死ぬあまり問題の無い菌だったのが牛を早くするために餌が牧草から穀物に変わったことにより耐酸性の菌が生まれた。
食肉の解体も機械化され効率化されるが個体差によってうまく処理できず内蔵が混ざることで大腸菌などに汚染される。鶏も胸肉が好まれるため胸筋が早く発達するように改良される一方親鳥まではまともに成長できなくなっている。それでもこれは世界中が肉を求めた結果だ。100億人に人口が増え世界がイタリア並に肉を食べたとするとそれを支える穀物を作る農地は残っていない。中国の鶏や豚の生産を支えているのはアメリカ、ブラジル、アルゼンチン、カナダ、オーストラリアとわずか5カ国から輸出されるトウモロコシなどの穀物で中国のCPIに占める豚肉価格の影響と必死でインフレを抑える中国政府の努力を見ていると例え肉の消費を抑えるのが唯一の解だとしても実行は難しいだろう。「誰が中国を養うのか」が第5章のタイトルだ。
10億人の飢餓人口がいる一方で10億人が肥満に苦しむ。肥満は比較的低所得者層で増えるのは安くカロリーを得る手段がファストフードやスナック菓子だからだ。スナック菓子は比較的利益率が高く消費者の好みに合わせて創られている。例えば単純に消費者を満足させる手段は糖分、塩分、脂肪分などを増やすこと。糖分は知らないうちにあらゆる加工食品に増やされている。
エネルギーや水の不足も大きな問題で例えば緑の革命で遺伝子組み換え植物は生産性の向上をもたらしたがそのために大規模な灌漑のため利用できる地下水は減り続けている。また肥料を撒いても養分は土壌にとどまらず表土は流出し農薬と肥料はもはや使わずに生産量を維持できなくなる。
利益を上げるために農場は大規模化し単一食物に走る。農家にコストダウンを迫る食品会社も同様にウォルマートの様なスーパーマーケットからのコストダウン要求にさらされる。ちなみにウォルマートのコストダウンの最も大きな物は安い給料で働く移民など人件費による物らしい。スーパーマーケットはマクドナルドなどのファストフードとの安売り競争にさらされ、結局はより安く、より豊富でな食品を求める消費者がこの巨大なサプライチェーンを生み出したと言える。しかしこの巨大な食システムは例えば天候の不順やエネルギー価格、食中毒から鶏インフル、狂牛病等何か一つ狂うだけで大きなダメージを受ける。タイの洪水で歯車が狂ったジャストインタイム方式を連想してしまった。
遺伝子組み換え技術や有機農法なども今の所は充分な解決策にはなっていない。特定の農薬に強かったり病気に強い遺伝子組み換え作物は作れても収穫を増やすにはもう限界が有る。小規模な有機農法と消費者を直結した取り組みで成功した例はある物の規模の限界を超える答えにはなっていない。どうも日常的に肉を食べるのをあきらめるしか答えが無さそうなのだがそんなことができるのか?続きを読む投稿日:2014.11.27
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食に関する「危機」が書かれているが、なるほどジャーナリストが書いたのだなと思わせる執拗なまでの煽りに溢れた悲観論を感じる。
ある章では、穀物が溢れて価格が下落し農家の生活が危ない、と煽ったかと思えば、…別の章では、食糧確保が困難で危ない、などと、煽りまくる。
つまり、ある場所だけでは溢れていたり枯渇していたりと極端であるが、世界的に目を向ければ、大体は食料が足らなくなるだろう、という事なんだろう。
インフルエンザの爆発が危惧されているが、別のウィルスでパニックになっているとは著者も思わなかっただろう。続きを読む投稿日:2021.02.15
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