戦国10大合戦の謎(愛蔵版)
小和田哲男(著)
/PHP研究所
作品情報
戦国時代の特徴的な合戦を10取り上げ、武将たちがどのように深謀遠慮をめぐらせ、どのように決断したのかを描き出す。さらに、従来の通説の誤りを、史料をもとに指摘する。例えば、有名な「桶狭間の戦い」では、上洛を目指す今川義元が谷底で休憩しているところを、織田信長が急襲したとされている。しかし、義元が上洛しようとしていたことを示す史料はないし、谷底で休憩したというのも桶狭間という名前に引きずられた史料の誤読による。「大坂の陣」は徳川家康が豊臣家を滅亡させる戦いだったとされているが、実は、家康は豊臣家存続の道を残していた。その他、興味深い事実が満載。武将たちの真の姿が浮き上がってくる。
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商品情報
- シリーズ
- 戦国10大合戦の謎(愛蔵版)
- 著者
- 小和田哲男
- 出版社
- PHP研究所
- 書籍発売日
- 2008.06.01
- Reader Store発売日
- 2014.08.15
- ファイルサイズ
- 2.4MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (2件のレビュー)
-
イロイロな資料が出てきたのが良かったです。
私の脳の中にないものがたくさんあったためとても参考になりました。投稿日:2009.07.03
歴史学者の小和田氏が有名な10件の戦国大合戦を取り上げて、その解説や裏話について述べています。有名な合戦の明暗を分けたポイントは必ずしも兵力の大小だけではなく、謀略等の他の因子も多分に影響するようです…、これは企業間のシェア争いについても当てはめることが可能なのでしょうか。
そのままは適用できないにしても、その考え方やそれに対して捻りを加えることで有効な戦略を考えるためのヒントにはなると思いました。
以下は気になったポイントです。
・情報源が一つだと警戒するが、二つ以上あり、しかも同じ内容だったときには信用してしまう傾向がある、これが厳島の戦いにおける陶晴賢であった(p22)
・厳島の戦いの毛利元就の勝利は、リーダーである元就の決断力と、「よもやあるまい」の裏をかいた元就の実行力の勝利である(p26)
・今川氏は、足利一門であり、足利氏から吉良氏、吉良氏から今川氏がわかれている名門である(p34)
・尾張は一国で57万石であり、駿河や遠江、三河よりはるかに米がとれた豊かな国で、戦国時代の我が国を代表する穀倉地帯(p36)
・桶狭間の戦いにおいて、2000もの奇襲部隊が今川方の斥候に見つけられずに義元本陣に接近できたのは、簗田政綱の手のものによる斥候の捕殺が考えられる(p45)
・義元は窪地ではなく、桶狭間山の頂上付近の北側に本陣をすえていた(p47)
・義元の居場所がすぐわかったのは将軍から特別に許可された特権であったから(p49)
・桶狭間古戦場公園として整備されているのは2箇所、1)名鉄中京競馬場前駅の古戦場跡、2)その北西方向の名古屋市緑区、鳴海駅近く(p50)
・籠城戦で勝つためには、後詰の軍勢が不可欠であった、三方ヶ原の戦いにおいては、信長は畿内に釘付けになっており家康の後詰は不可能であった(p88)
・当時の鉄砲の有効射程距離は200メートルであったが、相手が鎧をつけていることを考えると100メートルに引き付ける必要があった、火薬・弾込の一連動作は20秒はかかり弓のような連射は不可能(p114)
・長篠の戦いで、信玄以来の重臣中の重臣である、山県昌景・馬場信房の死が、武田氏の衰退に直接つながった(p120)
・秀吉は備中高松城攻めにおいて、二万五千の大軍を率いていたことは、光秀の直属軍(1万3千)と比較しても有利であった(p134)
・尼崎に到着したときに秀吉が率いていた兵は2万、これは総大将としての位置づけであるはずの織田信孝:4000、丹羽長秀:3000、池田恒興:5000、中川清秀:2500、高山右近:2000と比較してもダントツであった(p139)
・賤ヶ岳の戦いのころから、槍働きだけではなく、戦いを裏で支える兵站奉行のような石田三成のような奉行派が力を持つようになってきた(p157)
・賤ヶ岳の戦いにおいて、前田利家が兵を引いた(裏切った)のを見て、同じく与力大名の金森、不破隊も兵を引いた(p162)
・秀吉の時代には日本海側のほうが太平洋側よりも情報がいきわたっていた、箱根の坂がネックであり北条氏には秀吉の情報があまり伝わらなかった(p173)
・北条氏が信玄や謙信の兵に対して篭城できたのは、兵農未分離の兵であったため長期の滞在ができなかったから(p175)
・関ヶ原の戦では、関ヶ原に集まった8.4万の軍勢以外に、大津城攻めの1.5万、田辺城攻めの1.5万、大阪城に4.4万の毛利軍がいた。徳川秀忠の正規軍3.8万が合流しても、軍勢の数では圧倒的(p198)
・関ヶ原の戦い以降に、1611年4月に浅野長政、6月に堀尾吉晴、加藤清正、1613年に池田輝政等の豊臣恩顧の有力武将が死んでのが豊臣家にとっては不幸であった(p219)
・大阪夏の陣では東軍において戦闘意欲が低かった、恩賞の対象は豊臣領の60万石程度(p236)続きを読む投稿日:2012.03.08
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