この作品のレビュー
平均 3.5 (6件のレビュー)
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産経新聞那覇支局長が、沖縄の実態について書いた本。新聞記者らしく、住民の聞き取りを中心とした取材と戦後の歴史、基地関連予算などから問題を浮彫りにしている。調査が粗いが報道されていない沖縄の影の部分がよ…くわかる良書だと思う。沖縄県民を含め多くの国民が読むべき本であろう。
「(復帰式典佐藤首相式辞)沖縄は本日、祖国に復帰した。私はまず、このことを過ぐる大戦で尊い犠牲となられた幾百万の霊につつしんでご報告いたしたい。祖国愛に燃えて身命を捧げた人々を思い、現代に生きるわれわれとして、ここに重ねて自由を守り平和に徹する誓いを新たにするものである」p29
「(元保守系議員)復帰から40年、沖縄は県内外の活動家が闘争を継続するための場所と化してしまった。その闘争は、反米軍基地、反自衛隊など、反米、反日闘争に明け暮れ、復帰後の沖縄を経済的に自立、成長させるための経済闘争はほとんど展開されてこなかった。それが、沖縄経済を疲弊させ、いまだに自立できない要因の一つではないか」p33
「戦前の日本政府は、沖縄を飛び越えて、台湾の復興に力を入れていた。だから、それまでの沖縄は貧しく、裸足で、食べるものといえば芋。米軍が駐留して基地建設が始まると、基地特需で一挙に人口が増えた。米軍が統治している間は、戦前では全く想像できなかった経済復興が展開された。やっと飯を食べられるようになったと思った人も多かったはずで、経済的にはよかったという年配者も多い」p38
「米軍のお陰で生活にゆとりができ、こどもを高校や大学に行かせることができた。これがきっかけで農協を強化し、道路も農道として整備した。米軍が農業用の給水所を造ったので農業用水が枯渇することもなく、島全体が活気づいた」p43
「沖縄県民の多くはアメリカが好きでしたよ。米軍統治時代は、食料品が配給されただけでなく、米軍基地から横流しされたスコッチやブランデーが安く手に入った。誰でも飲めた。だから一時、泡盛の人気がなくなったぐらいだ。戦前の沖縄からは想像もできないことだった」p44
「復帰運動で燃える沖縄が、本土で展開していた革命闘争の影響を強く受けていった。日の丸は太平洋戦争に突入したシンボルだとして、反日闘争が展開されることになると、反態勢派の活動家や学者、マスコミが沖縄に押し寄せた。本土でできなかった闘争を沖縄でやろうとしたのだ」p56
「基地周辺整備費と基地交付金など:271億円(21年度)、軍用地代:784億円(20年度)、その他を含めると沖縄県の基地関係収入総額:2084億円」p134
「米軍は基地を地元自治体に返還したいが、地元が返還されると困るといって、返還に反対している。その典型的なものが、米海兵隊基地「キャンプ・ハンセン」だ。日米合同委員会が返還を了承、平成7年に、3年後の返還を決めた。しかし市(名護市)は返還時期が来るたびに、賃貸借の継続を国に要求、これまで三度、返還が延期された」p163
「返還が決まっている普天間飛行場を抱える宜野湾市では銀行の貸しはがしが始まっている。基地が返還されると、跡地利用がはっきりしない以上、地下が暴落するのは目に見えている。だから、銀行は貸さないし、地主も返還されたらローンを返せない」p171続きを読む投稿日:2018.11.04
沖縄に押し付けてきた日本と、すべて基地のせいにしてきた沖縄。ほとんどはなんとなく知ってる事実だけど、これが本土からしたら「知らない沖縄」なんだと思う。当たり前だけど一枚岩の”民意”なんてものは存在しな…くて、一緒に生きてる人、嫌いな人、感情は抜きに共存する人、その全てが共生してる。
沖縄が今の沖縄になったのは「誰かのせいに」でもきっとあって、矢印を全て自分たちに向けるのは難しいけれど、少し違う視点を持ちたいと思えた。
けど沖縄の「チュウサチ ムヌイウナ」も嫌いじゃないよ。続きを読む投稿日:2021.06.09
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